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枯れ葉  作者: 花染
4.戦争になっても
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23.心の花(4)

 トラードたちが城下町を歩いているとある噂話を聞いた。


「ホヌ帝国が、軍を率いてこちらに向かっているらしい」

「でも、ここの街は、防壁で守られているから平気だ」

「本当かしら?ほら前に魔物が侵入してきたでしょ?私は、不安だわ」


 その話しを聞いて、ヨモギは、少しだけ考えた。


「オイラのワープ魔法を使えば簡単に行けるけど、やめたほうがいいな」

「そうじゃな。ラルクは、無事にルリラナちゃんを助けたじゃろうか?待ち合わせすら決めてないけん、心配じゃわ〜」

「なら、鳩便を使いましょう」


 そう言ってミウは、指笛吹くと鳩が飛んできた。ミウは、手紙を書いて木の実と手紙を鳩に渡した。すると鳩は、木の実を食べて、手紙を加えて飛んで行った。


「これでよしっと。あの鳩がまたボクの所へ戻ってきたら配達終了です」

「どんぐらいかかるんだ?」

「あの鳩は、ギルドで通便で使う鳩じゃけんワープ魔法の魔法道具を着けとるけん速達で、早くて5分から30分で着く」


 すると鳩がまた戻ってきたことにビオラは、驚いた顔で、鳩を見た。


「わぁ!すごく早いねー!」

「ちゃんと届いとる?」


 ミウは、鳩が咥えている手紙を受け取り読んで、ニッコリ微笑んだ。


「はい。どうやら、無事にルリラナを助けれたみたいです。今、ビーナスにいるようですね」

「ちょうど良いな。オイラ達も向かおう」


 皆は、頷き街から出て行った。ネールが見えなくなって少したったあとビオラは、空を見た。


「どうした?」

「ん〜。少しだけ昔のことを思い出しただけだよ」


 ミコトと話して、少しだけアイスローズの事を思い出した。認めなかった過去の一つでもあるビオラにとって、彼の死は、とても衝撃的な記憶で記録でしかない。


「あたしがもしバルキニーとしての人生を選択をしなかったら、どんな未来があったのかな?」


 悲しい顔でビオラは、俯いたままヨモギに話を続けた。


「あたしにも大切な人がいるんだよ。

 あたしの大切な人はね、小さい頃は、優しくなんでも許してくれる人だけど、あたしが間違ったら、あたしを正してくれた人なの。どんな時だって、あたしを導いてくれた人だった。

 だけど、あたしがバルキニーになってからその人は、変わってしまった。あたしは、その人が、間違っている事を正すじゃあなく許した。今度は、あたしがその人を導いてあげる役目だったのにあたしは、しなかった」


 ヨモギは、目を細めて空を見た。そして、家族のことを思い出した。


「そうだな。おいらもあの時こうすれば良かったって時々思う。でも、過去は、変えられないし未来だなんて、解る訳がない。


 だけどお前さんは、過去も未来も行き来してきたのにその過去も変えられたじゃあないのか?」

「変えれなかったよ。あたしは、何度もあの人を助けようとして、行き来した。でもあの人は、何時もあたしの名前を言って、自殺をするの」


 何度も何度も繰り返してきた。そして、認めざる終えなかった。受け入れるしかなかった。自分がしてきたことを自分が犯した罪を知るしかなかった。そして、そんな思いから気づいたら自分の心の片隅で、少しずつヘルに奪われている事も同時に知ることになる事にもなった事も始めて、知ったことにもなる。


 ヨモギは、ビオラの顔色が悪いことに気が付き少しだけ考えた。


「ヨモギくん。君には、辛い選択だと思う。あたしと同じ思いになるかも知らないし、あたしより辛い選択になるかも知れない」

「大丈夫だ。あいつは、もう死んでいるんだろ?だったら、あいつを解放するのがオイラの役目だろ?」


 そう言ってニッコリ微笑んだ。すると後ろからザックは、2人の頭を撫で、笑いながらこう言った。


「かっかっか!なんか、ラルク似てきたなー。ラルクもすこーしだけポジティブになっけど、ほっとけばアイツも無理するけんなー」

「ヨモギも美味しい物を食べて元気モリモリの筋肉ムキムキになりましょう!」

「お前さんらは、良い話を台無しにするな」



 笑いながらヨモギは、そう言った。ビオラも少しだけ笑い空を見て、空を飛ぶ鳥を眺めた。


「そして、ボクは、お腹がぺこぺこです。空きすぎで、さっきからパンの名前しか頭の中にありません。そんなタイミングで、魔物に出会ってもボクは、魔物の分析を誤る可能性が大です。です。なので、ご飯にしましょう」

「そうですね。何が食べたいですか?」

「ティッシュ!」


 手を上げて、ミウは、言った。するとビオラは、ぷっと笑いながらこう言った。


「キッシュでしょ?フフフ、ウフフ」


 初めて大笑いするビオラを見て、少しだけ驚いたがトラード達も笑い、ミウは、少しだけ照れた。ビオラは、笑いを堪えながら再び


「うん。作ってあげる。ミウちゃんに特別サービスで、野菜たっぷりきのこキッシュを作るね」

「わあ!ありがとうございます!」


 ミウは、ルンルンで座りそれを見た皆も座った。ビオラは、俯いた。


「あたしは、まだ諦めていないのかな?」


 小さな声で呟き皆を見た。過去を受け止められなかった者。トラード、ミウ、ザック。彼は、今やっと受け止め、今を生きようとしている。大切な人を失った3人は、絶望からはい上がって、こうして笑っている。


 自分は、どうだろうか?


 記憶を失っては、いないビオラは、アイスローズを死を受け止めているだろうか?


 なぜか、父親のことを嫌でも思い出してしまうビオラは、ふと思う。


「そうか、あたしは、こんなにもパパを愛していたんだね。こんなにも思っていたんだね。


 結局は、あたしもパパもお互いを求めていたんだね」


 父親の最後の言葉の意味をやっと理解したビオラは、かつてビオラがバルキニーになる前、自分の目に光を手に入れ見えるようになった時、涙を流し笑顔で抱きしめた優しかった父親であるアイスローズを思いながら料理を始めた。


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