20.心の花(1)
時は、少し戻りラルクとアディーがザンロッタと戦っている途中、トラードたちは、というとネールにある城の中にある応接室で、ミコトを待っていた。
「以外に簡単に此処へ招待されましたね」
「でも少しだけ気になることは、あります」
トラードは、あたりを見て少しだけ考えた。ミコトならどうするかと
「前、僕たちが始めて城に招待された時は、ミリアさんの部屋でした。そして、いろんな話をしましたが…」
「確かにあの女王ならそうするだろう。でも今回は、応接室…」
ビオラは、立ち上がりドアノブを触った。するといくら押しても引いても開かない。
「どうやら、あたしたちは、ミコトちゃんやサンくんをよろしく無い者に閉じ込められたってことね」
「どうしてそんなことを?」
トラードの問いにヨモギは、ため息を吐いたそして、あたりを見てこう言った。
「オイラがエルフだとバレたという事だな。この扉を壊すかワープ魔法でその場から離れるかどうする?」
「んー魔法は、無理だよ。だってこの城自体にエルフ対策で、ビーナスよりも強い…禁止魔法である魔法封じをかけているから、ここの城の中にいる時点で、あたしたちは、魔法を使えないよ」
「なら、壊すか!ミウ出番じゃ」
ザックは、ミウを見てニッコリ微笑んだ。ミウは、深呼吸をして、ザックにこう言った。
「うんん。あたしがなんとかするよ」
「え?」
「あたしの瞬間移動や魔法は、えるとかが魔法とは違う精霊魔法だから瞬間移動で外に飛んで、ミコトちゃんに会って悪い奴らを懲らしめてくるね」
そう言って、窓の近くに立った。それを見たヨモギは、ビオラの目を見て少しだけ考えた。
「居場所が解るのか?」
「解るよ。うん。あたしは、この城のことをよく知っている」
よく知ってる。その言葉が何故か悲しく感じたトラードは、首を傾げた。そして、そもそも何故彼女が、この城について詳しいのかも疑問に思い質問をした。するとビオラは、ニッコリ微笑みながら
「ひみつ、だよ」
そう言いながら窓から外を見た。外には、兵士が歩き回り、城を守っている。それを見たビオラは、考えた。
「あたしの瞬間移動は、あたしの目で見える所までしか飛べないから少しだけ時間は、かかるから、一様あたしのダミーも作って行くね。“待ちくたびれて寝てしまった”って言えばバレないと思うけど、なるべく早くするね」
そう言って、指を鳴らした。すると花が舞い、落ち着いたと思ったらビオラの姿がない代わりにソファーに落ちた花は人の姿になり寝ているビオラの形へとなった。
「そういえば、この部屋のシャンデリアって“ビオラ”の花ですね」
ミウの言葉を聞いたトラードは、天井に飾られるシャンデリアを見た。確かにビオラの花のシャンデリアだ。
考えてみるとこの城は、いたるところに花や花の模様、そして蝶々の模様がある。ビオラが使う精霊の魔法は、花。初めてビオラに出会ったのもレインボーローズが咲いてあった花畑。ビオラには、どこかしらと花に関係する。
「考えてみると、僕たちは、ビオラさんが人間だった頃をよく知りません」
「確かにそうじゃな。でも、おとぎ話に書かれているって言っとったけんど、ラルク以外ワシらは、よく知らんな」
4人は、顔を見合わせた。確かに知らない。ラルクも詳しくは、言わなかった。いや詳しくは、知らなかったかもしれない。
「でもビオラは、“ひみつ”だと言ったんだ。言いたくないことを詮索するのも良くない」
「そうですけど…」
仲間のことをよく知らない。特にビオラは、ヘルを殺すために過去からきた勇気の精霊バルキニーと言う事しか知らない。
しかし、知らないのは、当たり前だとザックは、言って窓を見た。
「もし、ワシらにお菓子やら飲み物を出されただとしたら断ろう」
「毒が入っている可能性があるからですね」
「ああ」
ザックは、みんなを見て考えながらこう言った。
「ワシらは、ミコトちゃんとヨモギを守らないとダメじゃけん。1つ足りとも油断をしたらダメなんじゃ」
その言葉に皆は、頷きビオラの無事を願った。
その頃ビオラは、なんとか城の庭へと逃げ込む事が出来たビオラは、バラ園の中で、兵士を欺いていた。
「あの女王の知り合いとかと言う奴ら大臣が応接室へと閉じ込めろって言われたけど、どうなるんだろうな?」
隠れていると兵士の話し声が聞こえた。どうやら自分たちの話のようだ。ビオラは、その会話に耳を傾けて、聞いた。
「さぁな。大臣の事だから“反逆者”って言って殺すじゃあないのか?」
「だろうな。お前は、女王派か?大臣派か?」
「俺は、マスコ大臣派。お前は?」
マスコ大臣。ビオラは、少しだけ考え見つからないように城へと入って行った。城の中には、庭よりも少ない兵士と忙しく走るメイドたちがいる欺くには、メイド服が有効的だ。そう思ったビオラは、メイド服が置いてある部屋へと向かいメイド服に着替えた。
「なんか恥ずかしいな…でも…」
みんなを助けるためだと言いながら扉を開けキョロキョロと辺りを見た。誰もいない。ビオラは、堂々と歩きミコトの部屋を探す。
「そこのメイド」
ビオラは、びっくりして立ち止まり見つかったと思いながら振り向くと、灰色の髪でオレンジ色の眼鏡をした男性だ。
「私の部屋の掃除を別のメイドに頼んでいるんだが、まだかね?」
「えっと…」
言葉に詰まった。ビオラは、少しだけ困った様子で、男性を見ていると後ろから腕を掴まれた。
「何してるんだ?」
振り向くとサンだ。サンは、今の状況を把握したのか、深々と男性にお辞儀をした。
「すみません。マスコ大臣、この子は、そしてミコト様の身の回りのお世話をするメイドです。新人の為、俺が目を離したすきに居なくなってしまったもので、ご迷惑おかけしました」
「いや、良いんだよ」
そう言ってマスコと言う男性は、その場を後にした。サンは、あたりを見て誰もいない事を確認して、ビオラを見た。
「どうしてお前がここにいるんだよ」
「トラードたちが捕まってるから助けるためにミコトちゃんに会いに来たの」
サンは、驚いた顔をした後少しだけ考え思いついたのか、心当たりがあるのか悔しそうな顔をして、またビオラを見た。
「あいつに見つかったと言うことは、一刻も早くミコト様の所へ向かわないとあいつらの身が危ない。急ぐぞ」
「うん」
ビオラは、サンの後をついて歩こうとしたが少しだけ考え
「サンくん。道を間違えてるよね?」
「は?」
「あたしについて来て」
そう言って、サンの手を引き歩き出した。そして、迷いもなく間違いもなくビオラは、あっさりとミコトがいる部屋へとたどり着いた。
「どうして解ったんだ?」
「昔から王になる者の部屋は、此処だって決まっているから」
そう言ってビオラは、扉を開いた。
扉を開いた先にいたミコトは、椅子に座っていた。焦っているサンとミコトにとって見知らぬ人でりメイド服を着たビオラ。
ビオラは、落ち着いた様子で、ミコトにこう言った。
「始めまして、ミコト女王様。あたしは、人と精霊の狭間な存在で、精霊の名は、勇気の精霊バルキニー。人の名は…………いいや……ビオラ・ハピナ・ランヴェル。お見知り良きを」
「ビオラ…」
ミコトは、少しだけ考え何か思い出したのか驚いた顔で、ビオラを見た。
「奇跡を呼ぶ盲目姫の名前…っ!」
しかしそれを口に出して言ったのは、ミコトではなくサンだ。ミコトは、動揺を隠しサンに続けるようにこう言った。
「その姫は、1000年以上前に行方不明になっている。それにいくらなんでもすでに死んだはずだ。マスコの差し金か?」
「違うよ。あたしは、ある者を殺すためにこの時代に来たんだよ」
「証拠は?」
ビオラは、少しだけ考えこう言った。
「あたしのパパ。アイスローズは、民を苦しめる残酷で、卑劣で、卑怯な王。反乱を起こした民の中心に立ったのがあたし。そして、王を殺さずに罪を償い許したのもあたし。罪の重さを耐えれなかった王を追い詰めたのもあたし。王を見捨てたのもあたし。あたしを求めた王が、孤独を知り、苦しみを知り、寂しさを知り、その思いの重さを知り、自殺に追い込んだのもあたし。
あたしの目の前で、最後にあたしの名前を言って、王は、死んだ」
「………」
ビオラが言う王の名は、確かに史上最悪な王だと聞いたことがある。一つ一つ間違いがなくその王の事を語った。
しかし王家の者しか知らない彼の死をビオラは、口にしたのだ。そして、ビオラは、冷静に話を続けた。
「あたしは、パパが死んだから次の王にならないとダメだった。でもすでにあたしは、人ではないからあたしには、やるべき事があったから王は、まだ幼いの弟を王になる事を委ねた。小さな弟が、あたしやパパのようにならないように助言をして、ずっとそばに居てくれる者をタクティク家の長男に頼んたんだ。
これがアイスローズの死とツバキの話。そして、あたしの話だよ。あたしが本物だと解ってくれたかな?」
「ああ。そうだな。確かに貴様は、ビオラ・ハピナ・ランヴェルだ」




