7.変わらぬ思い(1)
教会に着きミウは、違和感を感じた。辺りをみて、少しだけ考えた。
「何か変です」
「何がよ」
「誰一人の気配がしない」
誰一人の気配がない。ミウは、考えながら教会の扉に手を出した。すると、ピリッと電気が流れる感覚と同時に教会の周りに何か膜があるような気がした。
「どうやら、結界が張られているみたいですね。ザック、魔力の発生場所は、解りますか?」
「魔力が強く感じる所がある。魔方陣か魔法道具がある可能性があるかも知れん…けど…そこにもう一つ、魔力ほんの僅かにある動くものも感じる…」
「動くものも…」
人か、人形か魔物か。ラルクは、考えた。するとミウは、ホウキを取りだしザックに命令をした。ある場所を教えろと。ミウは、それが何か解っている。そして、これから起きる出来事とも何となく解っている。
「良いのか?」
「はい。多分、そこに居るのは、エルナです。ボクたちが来るのを解っていて、待ち伏せをしてるのだろうと思います」
人間は、魔力が無いわけではない。かなり弱く少ないだけだ。教会には、多くの人がいるが、殆どは、人魚。人間は、エルナとその他数人しかいないが、エルナは、その中でも特別な存在だった。
「戦うことになると思います。準備は、良いですか?」
「ああ」
「なら、ザック。案内をお願いします」
ザックは、頷き歩きだした。この先に居るのは、エルナ。ザックにとって、自分の力を求めてくれた人。頼ってくれた人。目をそらし考えながら歩いた。エルナは、何を思って考えて、居たのだろう?今になっては、彼の事なんて解らないと気が付いた。
エルナは、オカマで、呪印によって回復魔法、強化魔法、などが全て毒になる。そして、魔法道具でさえも持つことが出来ない。
そんなエルナは何故、教会に居るのだろう?そして、何故ミウの守護者になっていたのだろ?騎士に何故ならなかったのだろ?
彼の考えが全く解らなかった。
ザックが深く深く考えているのをみてミウは、ザックの手を握った。
「ザック。エルナは、強いです。一瞬の迷いで、命取りになります。例え知り合いでも、敵対すれば、殺し合いになる可能性もあるんです」
その手は、震えていた。解っている。ミウにとってエルナは、親と同じぐらい大切な人だ。解っている。
「じゃったらワシは、ハンクもミウも皆が納得する答えを探す。殺し合い何で、ワシは、もう嫌じゃからな」
そう言って、強く握り返した。ミウは、悲しげな顔で、ザックをみた。ザックの願いは、叶わないだろう。エルナは、考えを変えない。多分きっとそうだ。
長年ずっと一緒いた。だけど彼は、一度も心を開いたことがない。本音を言ったことがない。あの時の優しさも偽りで、ずっと騙されていたふりをした。何故ならその答えは、知っているからだ。
「ビオラ」
ミウは、振り向きビオラを呼んだ。ビオラは、何時ものようににっこり微笑み両手を真上にあげて、くるりと一回転をして手を叩いた。すると花びらが、舞いミウたちの方へ向かった。
「大丈夫だよ。あたしは、勇気の精霊バルキニー。勇気がある人に力を貸すことが出来る。君たちは、十分に勇気があるよ」
「ありがとう」
そう言って、前を向き角を曲がった。するとミウは、足を止め皆に合図をした。目の前にエルナが居ると




