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枯れ葉  作者: 花染
4.戦争になっても
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1.希望の心(1)

 久しぶりのネール。ラルクたちは、マーキュリーへ向かうための準備をするため賑わう街を歩いていた。


「ミウ!あんてぃーくしょっぷにミウにぴったりなほうきを見つけたんよ!」

「マジですか!?それは気になりますね!行ってみましょう!」

「おお!」


 その言葉を聞いたトラードは、ノリノリで歩き出す二人の服の裾をもちにっこり微笑んだ。


「遊びに来たのでは、ありませんよ?“解っています”よね?お二人さん」

「ごめんなさい」


 目が笑っていないトラードを見て二人は、さっきまでの勢いは、なくなり落ち着いて辺りを見た。


「ボク、都市へ行くのは、初めてです。


 確か…孤独の女王。鬼族と人間のハーフ…唯一前王ハートイルの血族である王女ミコト・ランヴェルは、強く美しい女性だと聞いたことがありますが、見たことないですよね」

「誰に聞いたんだ?」

「エルナです」


 そう言ってミウは、走っているとふと一軒のお店に飾られてい猫の置物を見た。


「猫…」

「目が綺麗な石で出来ているわね…それに紫色の毛に頭には、王冠!変わった猫の置物だわ」


 ミウは、猫の置物を見て紀文が悪くなった。


 青い瞳の石。紫色の猫。変わった猫。


「おや、君たちは、幸せを呼ぶ猫を知らないのか?」

「幸せを呼ぶ?」


 突然現れた老人は、ミウの手に小さなさっきと同じ置物を渡した。


「この猫は、猫の中の猫の王様。この猫に気に入られるとその人は、絶対に幸せになれるって言われているんだ」

「…ケイト・シーだね。普段は、普通の猫の姿をしているけれど気に入った人の前では、二足歩行で歩いて、お喋りが大好きな猫の王様だよね?」


 ビオラの言葉を聞いて、ミウは、コンバットを思い出した。ケイト・シー。猫の妖精。しかし彼は、猫でも妖精でも遠退けている。


 彼は、本当にケイト・シーなのだろうか?


「良く知っているね。お嬢ちゃん」

「あたしは、動く図書館って言われているから、知らない方が少ないだよ」

「こんなに若いのに凄いねぇー人間の誇りだよ」


 ビオラは、少しだけ照れ臭そうに顔を隠した。


「若いってっ!あたしが若いって!イヤーン嬉しい!」

「ビオラって何歳なんだ?」


 ヨモギは、疑問に思っていた言葉を口にした瞬間、微笑み耳打ちをした。すると、ヨモギは、顔を真っ青にして、ビオラ顔を見る。


「1125歳!?」

「うん。嘘だよ」


 そう言ってにっこり微笑んだ。ビオラは、少なくとも精霊であり人間だ。言った年齢が精霊としてなら可笑しくない。そして人間としたら可笑しい。


「女性に歳を聞くのは、タブーだよ。少年」

「おいらは、少年じゃあない。これでも100だ」

「100歳!?」

「エルフは、長寿と言われたいる種族だ。人間と同じ年にすると20歳ぐらいだ」


 ヨモギは、不思議そうに首を傾げた。ザックは、少しだけ考えた。納得したザックは、にっこり微笑みヨモギの肩を持った。


「カッカッカ!若く見られたって事じゃな!」

「では、ミリアさんって何歳なんですか?」

「鬼族も歳をとるのが遅い種族じゃけん…人間に合わせるとだいたい20歳~25歳ぐらいじゃな」


 ザックは、目を細めて言った。それは、悲しげで寂しげな顔だ。それが不思議に思ったのかルリラナは、首を傾げた。


「そろそろワシは、行くよ。お嬢ちゃん。気に入ったならそれをあげるよ」


 そう言って老人は、その場を後にした。

 ザックは、城を目を細めて見上げていた事に気か付いたルリラナは、ザックに質問をした。


「ザック。どうかしたの?」

「ミコトは、ワシの姉の娘なんじゃ」


 トラードとラルクは、顔を見合わせて少しだけ考えた。そして、少しだけ間が空いて驚いた顔をした。


「ハートイルの愛人がザックのお姉さん!?」

「そうじゃ。ミコトは、姉さんにそっくりで美人になったから良かった…」


 そして、不幸の日。赤の月の日生まれでは、なくて良かった。


「あいつに会ったことがあるのか?」

「ある。けど小さい頃じゃったけん覚えてないじゃろうな」

「ならあった方が良いと思うぜ。だってミリアは、孤独な女王って言われてるんだ。親戚でもいたら変わるんじゃあないか?」

「そうじゃな。じゃけど会わん方が良い。ワシは、少しだけ有名な“月読みのザック”じゃからな。ワシは、多くのエルフを殺してきた。多くの人の生死を見てきた。じゃからワシを恨んでない人間も人魚もエルフも亜人もおらん。ワシを恨んでいる奴ばかりなんよ。せっかく平和を手に入れたのに台無しじゃけんワシは、遠くから見るって思ったんよ」


 そう言って空を見た。ザックは、後悔をしていた。何故ならミコトの母親でありザックの姉を見殺しにしたからだ。ミコトにかけた最後の言葉さえ理解していなかったザックは、姉を見送ってしまった。あの日引き留めていたら、死んでいなかったかもしれない。


 ミコトは、孤独な女王と言われなかったかも知れない。もしかしたら女王になっていなかったかもしれない。


「でも…」

「諦めましょう。ラルク」


 ミウは、ザックの手を握りさっき貰った猫の置物を渡した。


「過去に起きた出来事は、変えることは、出来ません。でも未来は、今の自分で切り開くものです。選ぶ事が出来ます。でも人の運命を他人が選ぶのは、良くないことです」

「自分の運命は、自分で決めることですね」


 ミウは、トラードの言葉に頷いて胸に手を当て考えた。

 記憶を捨てることでなにかが自分で決めた運命。何を忘れたかったのだろう?胸が少しだけ苦しい。


「おまえらこんなことで何しているんだ?」


 振り向くとそこにいたのは、スモークピンクの髪色をした男。サンだ。ラルクは、にっこり微笑んだ。


「久しぶりだな。サン。ミリアは、元気か?」

「ミ・コ・ト・さ・まだ!たく、一国の女王を呼び捨てだなんて大問題だぞ。ラルク」


 サンは、腕を組ラルクを睨み付けながら言った。ふとヨモギを見て驚いた顔で、近くに寄って隅から隅まで見ました。


「フィンドット殿下!?あれ?噂では、何者かに殺されたって聞いたですけど……」

「その噂は、嘘だ。オイラは、生きている。フォンは、騙されているんだ」


 サンは、少しだけ考えた。嘘を付いているとは、思えない。そして、ラルクたちと一緒にいると言う理由も何かの訳がある。目をそらし更に考えた。


「解りました。その言葉を信じましょう。ただし此所にエルフがいるのは、かなりヤバイですので、帽子を買ってきますので、耳を隠して下さい」


 辺りを見て近くに服屋を見つけて、走って向かい数分後、女性用のローブと紳士用ローブを3個着ってきた。


「これのフードを深く被れば大丈夫だ」

「何かあったのですか?」

「お前たちが立ち去った後、あの事件は、エルフの仕業だって言う奴が、現れたんだよ」


 あの事件。魔物が街に入ってきた事だ。そして街の至る所に魔方陣があった。確かにエルフを疑うのも間違いでは、ない。


「当然、ミコト様は、“エルフではない”と言い続けているけど真実を知りたがる。終いには、観光にきたエルフを殺した奴も現れてしまったんだ」


 エルフを殺す。それを聞いたルリラナは、ゾッとした。


「そして、エルフ側も人間を殺したと噂もある。このままだと戦争になるだろ」


 すると、通りすがりの男がルリラナにぶつかり帽子が脱げた。


「エルフが街にいるだと…!?」


 男は、持っていたナイフをルリラナ向けた。


「ルリ!」


 男は、ルリラナに斬りかかろうとしているのを見てラルクは、ルリラナを守るように抱き締めた。するとナイフは、ラルクの背中に刺さった。


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