表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
枯れ葉  作者: 花染
3.精霊と女神と
59/118

12.闘技場と狐と機械都市!(3)

 門の外で、皆の帰りを待っているザックは、近くにあった大きな岩を椅子にして座っていた。


「久しぶりに独りじゃな」


 久しぶり。13年ぶりに独りになったザックは、昔の事を考えていた。若い頃は、いろんな事をした。戦争で利用され多くのエルフを殺した。戦争が終わって生きるために人のものを盗み、騙した。嘘もついた。気付いたら盗賊のリーダーになっていた。


 ザックは、目を閉じ寝転がった。


「こうして、独りになると思い出すもんじゃな…あの日の事を」


 大切な親友が死んだこと。ミウが絶望して、全てを捨てたこと。姉、父親、母親を裏切ったこと。そして、自分を嫌い他人を傷つける事を恐れて誰も入らない森へ隠ったあの日のこと。自分を探し救ってくれた女性(後に妻になる人)とハンク。


「ハンクとエマ、メル…ギルドの皆は、元気じゃろうかなぁ~?」


 目をあげ空をみた。こうして独り言を言うのも飽きた。しかしやることもない。早く帰って来ないかと門を見るがこちらを睨み付ける門番しかいない。


「はぁー…暇じゃなぁー」


 雲の数を数えるのも飽きた。この風景も飽きた。寝るにしても荷物を盗まれそうで嫌だ。昔は、こんなことなんて感じたことなんて無かったのに無償に独りが寂しく感じた。


 なにも考えずぼんやりしていると何か嫌な魔力を感じたザックは、起き上がりプルートにある高い壁をみた。


「なんじゃあの魔力は…」


 人間でもない。エルフでもない。人魚でもない。亜人でもない。鬼族でもない。どの種族も属さない生き物。


「魔物…?しかもぼっけー強い魔物…」


 しかしここは、闘技場がある街だ。しかし闘技場にいる魔物とは、格段に強い魔力。可笑しい。そして、一定の場所にいない。動き回る魔物の魔力は、誰にも殺さず気づかれず何処かへ向かっている。


「…誰にも気づかれないって言うことは、ホニマー…この嫌な感じは、もしかして………」


 朱獅子の目。朱獅子の目の目的は、ミウを仲間にすることだろうか?ラルクにある龍王の欠片だろうか。いずれにしても二人が危ない。



*+*+*+



 その頃ラルクたちは、闘技場にいた。どういうメンバーでここで戦うか。残り二人で、情報を集めるかを考えていた。


「ラルクとルリラナは、エルフ。ビオラとトラードは、人間。ボクが人魚です。


 回復系の魔法を使えるルリラナ、ビオラ。攻撃力が高いボクと今はいませんがザック。素早い攻撃が得意なトラード。魔法と攻撃がバランスが良いラルク。

 この中で3人を選ぶのは、難しいです…」

「そうだね。攻撃重視で選ぶか回復援護系を選ぶかバランス系を選ぶかで変わるしね…」


 それぞれの武器や特性、種族、特技が違う5人の中で3人を選ぶのは、難しい。

 ラルクは、考えていた。


「俺とビオラ、ミウで行く。ルリラナとトラードは、一緒に行動してくれ」

「ラルク…」


 心配そうにルリラナは、ラルクをみた。エルフとしてこの機械都市に入った。


 しかしラルクは、ハーフエルフ。ルリラナのように強い魔法を使う事が出来ない。かと言って、トラードのように素早い攻撃と軽やかな動きができる人間のうに出来ない。どちらの血を持つラルクは、エルフとも人間とも言えない中途半端な存在であり、ハーフエルフだと知ったここのエルフたちは、ラルクを殺そうとするだろ。


 そんなラルクがここで、戦うと言うことは、ハーフエルフだとバレてしまう。


「まーザックがいれば多少は、変わったかもしれないな。でも…まー…なんとかなる。いや、何とかする。だから、ルリラナ…心配するな」

「う、うん。信じているわ。無理しないでよね」


 ここにいる中で一番強いのは、ラルクだけ。中途半端な存在だけど、天才であらゆる手段を知っているラルクならきっと大丈夫。そう言い聞かして、ルリラナは、微笑んだ。するとラルクは、ルリラナの頭を撫で、


「ああ。ルリも無理するなよ」


 そう言って、受付に向かった。そんなラルクを見てビオラは、少しだけ考えラルクの隣へ向かった。


「ラルくん。もしかしてルリちゃんを守るためなの?」

「何の話だ?」

「ルリちゃんは、この世で唯一の回復魔法を使えるエルフ。そんなエルフが都市にいるって知ったらルリちゃんは、捕まって戦争の道具になるか実験道具になる。それを避けるためにわざと戦わせないようにしたんでしょ?」


 そう言ってラルクの顔を覗きこんだ。ラルクは、目をそらし


「お前みたいな奴は、嫌いだ…」

「フフフ、ありがとう。

 でも、無理しないでね。あたしもラルくんもミウちゃんもここで戦うって事は、かなり危険な気がするの」


 嫌な感じがする。闘技場から臭う血の臭いのせいだろうか?胸騒ぎがする。ビオラは、目を閉じ深呼吸をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ