11.闘技場と狐と機械都市!(2)
ラルクは、深呼吸をした。何故ならエルフとして門番に嘘を言わないとダメなのだからだ。
もし、ばれたらタダでは、終わらない。中途半端な嘘を言えない。
「エルフが二人…そして、鬼に人魚、人間が二人っと…エルフの二人は、中へ入れるが他の奴らは、此処で待つか帰るが良い」
「それは、困る。これでも俺達は、ファイターなんだぜ?ここの闘技場は、3人のチーム戦だろ?二人だったら闘技場に参加できないだろ?」
「お前達がファイター…?」
門番は、ミウ、ザック、ビオラ、トラードを見てルリラナと最後にラルクを舐めるように見て少しだけ考えた。
「鬼…鬼?
もしかして…おい、鬼。お前は、月読みのザックか?」
「そうじゃ…それがどしたん?」
門番から見てザックは、恐ろしい鬼族。いくら優しい性格で良い奴でも見た目で判断される。ザックは、解っている。
戦争と言う事で有名になったことによりザックは、此処に入ることは、出来ないと言うことが
「月読みのザックは、立ち入り禁止だ」
「それは、困る。俺たち未成年だぜ?未成年だけでは、参加できないだろ?ザックが俺たちの保護者なんだから無理を言わないでくれるか?」
「無理を言っているのは、どっちだ。人間を入れるのさえ難しいのにさらにあの月読みのザックを入れるだと?ふざけるな」
門番の答えは、解っている。こう言われることぐらい解っている。この黒い角が罪の証し。解っている。解っている。ザックは、ラルクの肩を叩いた。
「ワシは、良いけんな。ビオラちゃんも居るし…ワシは、此処に居るけん。じゃから五人で頑張るんよ」
「ザック…お前…」
空笑いをするザックを見てラルクは、何かを感じた。
「良いんよ。ワシが昔やって来たことじゃけん。仕方がないんよ。じゃからな?
ビオラちゃん、子供たちをよろしくな?」
「うん。あたしだって大人だもん。大人が子供を守るのは、当たり前だもんね」
ビオラは、そう言って微笑んだ。ザックは、そんな笑顔を見て安心したのか真顔で門番をみた。
「これでえかろ?」
「ああ。さあ、入るんだ」
ラルクたちは、頷き門の中へ入っていった。ふとミウは、後ろを向きザックをみた。それに気が付いたルリラナは、ミウの頭を撫でた。
「…ザックがいなくて、不安?」
「違います」
不安とかではない。確かにずっとザックと一緒にいた。ずっとずっと側に居た。でも違う。
「ボクとザックは、ずっと側にいましたけど…ボクは、ザックのことを何でも知らないです。ザックが過去に何をしていたのか…どうしてボクを守ろうとしていることも知らないし解らない…」
ザックをよく知っている。優しくて、焦ったらテンパりやすく、誰とも仲良く出来る。強く優しい鬼族。角が生えていても、昔は、悪いことをしていても、今のザックを知っている。
過去なんてどうでも良い。信頼できる彼だからこそ側にいて欲しい。
「でも、側にいて欲しい…でしょ?」
「はい。だってザックは、僕にとって“お父さん”って感じですから」
そう言って空をみた。ザックの秘密は、知らない。でも、信頼できる。信頼している。
「ミウちゃん、ミウちゃん!見て!」
ビオラの声にミウは、反応して声がする方を見るとビオラが持っている物を見て顔色を変えた。
「魔法道具ですね。それがどうしたんですか?ビオラさん」
「うん。確かに魔法道具だよ。でもこの魔法道具は、ただの魔法道具ではないの」
「…人魚の鱗と血が混じっている水属性の魔法道具です。しかも強力な魔法が一回使える魔法道具です」
魔方陣が書かれていない。魔法道具。水属性の魔法を使えるのは、人魚だけ。人魚しか使えない魔法を使おうとするには、魔法道具しかない。魔方陣を知っているエルフは、何故、人魚の血と鱗が混じっているものが売ったいるのだろう?
ミウは、少しだけ考えお城をみた。
「ミウ、魔法を使うな。何があるか解らないからな」
「それは、出来ません。例えボクの身に何があっても出来ません。それにボクが魔法を使わなくても人魚だとわかってしまいます」
ミウは、深呼吸をして歩き出した。
「ミウ…」
一瞬ミウの体から黒いオーラのような霧のようなものが見えた。しかし振り向いた瞬間消えたことに戸惑ったラルクは、言葉を失った。それをみたミウは、首をかしげた。
「闘技場に行くのではないんですか?」
「あ、ああ。行くぞ」
気のせいだろう。そう思いなからラルクは、闘技場に向かうことにした。ミウは、再び魔法道具があったお店を見てラルクの後を追った。
そんなミウたちを遠くで見ていたエルフたちは、ヒソヒソと何か話していた。
「人魚だ。人魚。生きた人魚がこの機械都市にいる」
「捕まえて、人魚の肉を食べれば、水属性の魔法を使えるようになれる」
「だけど、人魚の近くには、四人の強そうな人」
男の子が5人。女の子が二人。ヒソヒソと話している中、一人の女性が現れた。
「だったらこの私が力を貸してあげるわ」
「誰だよ?」
「私は、ティファニー。良い子なあなた達にこの私が素敵な力をあげるわ。さぁ受け取りなさい」
そう言ってティファニーは、水晶玉のようなものを少年に渡しにっこり微笑んだ。
「これを使えるのは、一回だけよ。しかも一言で良いの。魔法の言葉は、この紙に書いてあるから、噛まずに間違えずに大きい声で言いなさいよ。解った?」
「俺達にこんな珍しい魔法道具を渡して良いのか?」
「良いわよ。私は、弱者に優しい“お姉さん”だもの。良い子には、素敵なごほうびをあげても良いと思わないかしら?」
ティファニーは、七人の頭をなで手を降ってその場をあとにした。
「ウフフフ…せいぜい死なないように頑張りなさい汚らわしいガキども」




