6.親子の愛(6)
少年は、突然の出来事に驚いた。何が起きたのだろうか?不思議に思ったが原因は、直ぐに解りビオラを見た。
「バルキニー様の力だね。どうして、そんなことをするの?」
「……“精霊だから私情や感情的にならない”って思った?確かに君が言う通りあたしは、勇気の精霊バルキニーだけど、あたしの事をよく知っているみたいだけど…君は、一つだけ知らないことがある。あたしは、元々は、人間なんだよ。
人間であって、精霊であるあたしに理由っている?」
ビオラは、少年を睨み付けた。黄色の瞳の方が何故か不気味に感じた少年は、後ろへと下がった。その隙を見逃さなかったビオラは、ラルクの剣を抜き取り走って、少年へと向かった。
それに気が付いたサラは、瞬時にルリラナの首を斬ろうとした。しかし、ルリラナを守るように花が舞い、花びらでルリラナの姿がまったく見えなかった。落ち着いたと思った其所にルリラナは、いない。突然の出来事なのにサラは、冷静に落ち着いて辺りを探した。
「よそ見をしている暇はないよ」
その言葉に反応してビオラを見るとトラードとラルクの剣を両手に持っている事に気が付いたサラは、ビオラの攻撃を交わしハサミでビオラを挟もうとした。
「終りだね」
少年が呟くのを聞いてビオラは、にっこり微笑み指を鳴らした。すると、再び花が舞い慌ててサラは、斬るが感触はない。
「それは、こっちのセリフだよ」
サラが声を方を振り向くと少年の首筋に剣を向けているビオラがいた。
「動かないでね。サラちゃん」
サラは、ハサミを下ろし無言のまま動かなくなった。それを確認をしたビオラは、少年を見て少しだけ考えた。
「君は、妖精猫“ケイト・シー”だね?」
「……そうだよ。やっと解ったんだね。バルキニー様」
やっとではない。何となく初めから気づいていた。何て言えず黙り混み二人の動きをじっと見た。
「どうしたの?殺らない?」
「っ……!今すぐこの街から消えて…」
剣を下ろし少年を再び睨み付けた。何が起きたのか解らない少年は、首をかしげて考えた。
「解った。言うこと聞くよ。サラ、行くよ」
「……うん…コンバット、待って」
サラは、ラルクたちにかけていた魔法を解き、お辞儀をして先に立ち去ったコンバットの後を追って言った。
やっと自由に動くようになったラルクは、トラードを見た。そして、何て言えば良いのか解らず考えた。
「トラード…」
「…ラルクさん」
悲しい目で、辛い目でトラードは、ラルクを見つめた。そして、トラードは、力尽きるように、倒れた。ビオラは、慌ててトラードの所へ向かい眼帯をしている目を優しく触った。
「大丈夫だよ。安心して」
ビオラは、微笑みながらラルクにそう言った。そしてビオラは、ラルクの前にたち
「はい。返すね」
そう言って剣をラルクに渡した。ラルクは、剣をしまい。ふと考えた。
「ビオラが剣を使えるのも驚いたけど、変わった魔法が使うんだな」
「…うん…これが唯一あたしが精霊だって証だから」
久しぶりに剣を握った感覚と魔法を使った感覚が何故か怖く感じたビオラは、目をそらした。
「…まだ…あたしは…――」
「メデューサ!覚悟!ってあれ?」
突然現れたエルフの少年は、辺りを見た。しかし何処にもメデューサ何て居ない。寧ろ気絶をしているトラードを見て少しだけ考えた。
「お、俺を見て逃げたんだな!ってラルク・ヴェルクっ!」
「あ?」
「勝負だ!って言いたい所だが、今は、構っている暇はない!幸運だな!」
そう言って、エルフの少年は、走って何処かへ向かった。ミウとルリラナは、首をかしげて少年を見た。
「何だったんでしょうか?」
「多分きっとラルクは、この街で最強って言われているしザックとかを見て怖じ気ついて逃げたんじゃあないの?」
「情けないですね」
ふとミウは、ケイト・シーと言う言葉とコンバットと言う名前を思い出した。聞き覚えがあるような気がしたミウは、ザックに聞くことにした。
「ザック。ケイト・シーと言う妖精猫かコンバットと言う名前を聞いたこと無いですか?」
「…さっき初めて聞いたけんど…どしたん?」
「何でもありません」
あの声とあのしゃべり方と聞き覚えがある。でも、思い出せない。あの少年なのだろうか?でも、違うような気がしたミウは、少しだけ考えた。
「行くぞ」
「はい」
君は誰?何処に居るの?何をして居るの?何度も聞いた言葉が帰ってくるような気がしたミウは、空を見て、ラルクたちの後を追った。




