↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無能聖女』と言われている私が皆をハッピーエンドに導きます!〜悪役令嬢と親友になったら、天才魔術師達からの執着溺愛が止まりません〜  作者: 那月
第一部 神殿編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/73

39 敗北

Side:グレン

先程の土石の影から移動していたリオが男の背後をとり、闇魔術で無数の刃を生成し、男に放った。

リオ自身も体術で、男を攻撃し、拘束を試みる。


「へぇ。もう一人いたのか。

こっちは……戦い慣れてんな。

だが、格上と戦うのは初めてか?

お前自身も動いてるっつーのもあるだろうが、魔術の精度が雑だな。」


そう言い放つ間にも、襲い来る全ての刃をあざ笑うかのようにかわしながら、闇の魔力を吸収していく。

同時にリオからの攻撃をいなしていた。


(隙がない。

無理にこっちから攻撃するとリオに当たってしまう)


手が出せない事に歯噛みし、保護魔術をリオにかける。 


男がふと立ち止まると、土の壁を作った。

迫り来る刃が壁に全て刺さる。

そしてその壁に手を当てると、闇の魔力が消えた。


(闇の魔力を吸収された。

他の物体を通してでも吸収出来るのか)


パラパラと土の壁が壊れた途端、男が消え、リオの背後に現れた。


「リオ!後ろだ!」


リオが振り向くが、対処できなかったのか、こちらに吹っ飛んでくる。慌てて魔力で勢いを殺しキャッチした。


「ガハッ……。す、みません。」


「闇の方はレヴィアタンの先祖返りか。

お前達、あいつらと違って仲良いんだな。

連携はバッチリだったぞ。

──まぁ、それでも俺には届かねぇが。」


男が足をダン!と踏み込むと、大小さまざまな石が空高く浮きあがった。そして片手に闇の魔力、もう片方に火の魔力を纏わせ、両手をパン!と合わせた。

空中の石すべてに赤黒い炎が宿り、爆発的な熱量を放ち始める。

あまりの禍々しさに、背筋に一筋の汗が伝う。


「さぁ、そろそろ終わりだ。

聖女サマを神殿に連れていかねぇと。

──爆ぜろ。『流星ファクス・カエレスティス』」


男がスッと手を前へ出す。

空から弾丸のように、燃え盛る黒い炎を纏った石が風を切り裂き、射ち降ろされる。


自身とリオの周りと、殿下たちの周りに、何重にも結界をはるが、石が一つ当たるごとに一枚壊されていく。


「っ!!」


(一つ一つの石に付加されている魔力はそう大きくないのに、なぜこんなに重い!?)


「っ!グレン!」


リオが叫ぶ声が聞こえた途端、目の前に気配を感じた。


その瞬間、結界が消え、頭上から圧力がかかる。膝をつき、立ち上がることができない。


(重力操作か──!)


重力の魔導陣を発動し相殺させようとするが、なぜか魔導陣が発動しない。


「無駄だぜ。

さて、影に隠れられちゃ面倒だからな。

お前は沈んどけ。」


闇の魔力を手に纏わせるとリオの頭を片手で掴んだ。

リオの四肢から力が抜け、手を離すとリオは崩れ落ちてしまった。


「四つ目──最後だ。

どんな状況にあろうとも敵から意識を逸らすな。

こうやって懐に入り込まれたら、詰みだ。

お前ら、俺じゃなけりゃ何度死んだよ?」


パチンと指を鳴らすと空からはもう何も降っておらず、嫌味なほどに美しい紺碧と朱色のグラデーションが空に広がっていた。


ズンと指一本動かせないほどの力がさらに体にのしかかり、倒れ込む。


「なかなか楽しめたぜ?

次会う時があればもうちっと強くなっとけよ?

──さて、聖女サマ。

時間だ。行くぜ。」


ザッと土を踏み締める音が背後から大きくなって聞こえてくる。


「──っ!フィー!」


名前を呼ぶ。

行かせたくない。

あれだけ、フィーの前では聞き分けのいい事を言っておきながら、直前になって裏で殿下を説得したのは僕とリオだ。

なのに。

無様に負けて、フィーが行ってしまう。

なんとか魔術を発動させようとするが、魔力さえも押さえつけられているような感覚がし、魔導陣すら出せない。


彼女は僕達の横を、無言で通り男の隣に立った。


(くそっ!)


バチッ!バチッ!

魔力が感情につられ制御が難しくなっているのを自覚する。

魔力が暴走しかけているのを感じた。

銀の魔力が渦を巻く。


それを見た男は、大きな溜息をつきながら僕の前でしゃがみ込んだ。


「まるでお気に入りのおもちゃを取られて泣き叫ぶ赤ん坊だな。

大切なモノを守りてぇなら、まずは自分達の未熟さを自覚しろ。

そんで、地道に経験を積むしかねぇ。

とりあえず、今回お前らは負けた。

聖女サマは貰ってく。

……まぁ。あいつらの顔に免じて、悪いようにはしねぇよ。

じゃぁな。楽しかったぜ?」


その言葉を最後に、意識を刈り取られる。

目を閉じる寸前、フィーの顔が見えた。


──怒りと悲しみの入り混じった、今にも泣き出しそうな顔をしていた。


戦闘終わりです!

私の戦いも終わりました……。

甘いお話が書きたい。反動で甘々にならない様に気をつけます。

次回はフィーネちゃんの秘密と男とのお話です。


続きがよみたい!面白い!と思って頂けたら高評価、ブックマークよろしくお願いします!作者大歓喜します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。