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14 子守歌

「」孤児院のある国と周辺で使われている言葉

『』両親が使っていた言葉

《》シュウの故郷の言葉




『《ねーんねーんころーりーよー、おこーろーりーよー》』

『シュウってば、なあにそれ歌なの、変な節と音程」

『これは俺の故郷の子守歌だ。《坊ーやはーよいこーだー、ねんねーしーなー》』

『あーだー』

『本当にそれで眠くなるの? だめよねえリュウガ』

『そんなことないよなあ、リュウガ《ねーんねーんころーりーよー、おこーろーりーよー》』



 ああ、そうでした。

 なんて歌っているのか言葉はわかりませんでしたが、不思議なメロディが繰り返されるうちに、眠くなってしまったのです。


 でもお父さんの声はちょっと……







 朝です。

 アイリスのもふもふに包まれ、暖かくこのままもっと眠っていたかったのですが、下半身が非常に冷たくて目が覚めてしまいました。


「起きたか、リューク。ほら」


 ゼクスが水が入ったコップを差し出します。

 そういえば昨日は飲まずじまいでした。起き上がろうともがいているとアイリスが背中を鼻先で押してくれました。

 うん、座るとおむつの中身がね。

 でも喉が乾いているのでそれは無視しておくことにします。


「ありあと、ゼクちゅ」


 コップを受け取るが、ゼクスはそのまま手を添えて飲むのを手伝ってくれます。

 しかたありまあせん。僕の握力では水が入ったコップを支えきれませんから。


「おや、二人とも起きてたかい」


 シスターチェスタがドアを大きく開けて入ってきました。


「ゼクス、リュークのことはいいから顔を洗って食堂にいきな。あとは私がやるから」

「わかった、じゃあなリューク」

「さて、そこの大きな獣さんや、あんたもゼクスと一緒に行ってくれるとありがたいんだがね。餌もブラザーニックが準備してるよ」

「くうん」


 シスターチェスタの言葉にアイリスが僕を見ます。


「いいよ、アイりちゅ『ごはん』だって」


 僕がアイリスを促すと、アイリスは何度も振り返りながら開け離れたままのドアから出て行きました。


「さて、おむつは……おやおや、びっちゃびちゃじゃないか」


 シスターチェスタに空になったコップを取り上げられたと思ったら、僕をベッドにゴロンと転がし、あっという間におむつが剥ぎ取られました。

 仕方ないじゃありませんか。昨日夕食は食べてませんが、いつもより長くおむつをつけているはずです。


「昨日熱を出したばかりだし、今日は一日オムツにしておこうかね」


 あ、せっかく昼間は外れてたのにぃ……



「シスターチェスタ、リュークの食事を持ってきました」

「カレン、そこに置いといておくれ、あたしが食べさせるからあんたらは今日一日リュークには近付かないようにね」


 カレンが僕の食事を持ってきてくれました。僕に食べさせるのはカレンの仕事だったんですが。


「ちちゅた、ちょく堂、いく、たべゆよ」

「ちょく堂? ああ食堂ね。ダメダメ。昨日熱を出したあんたは、今日一日ベッドから出さないよ。子供はよくなった様に見えてもすぐ振り返すからね」


 なんですと! 今日はアイリスと一緒に探検しようと思っていたのに。

 自分で歩くのは大変だけど、アイリスに載せて貰えば遠くまで行けると……


「そんな顔したってダメなもんはダメだね」


 しかたありません。じゃあアイリスにはふかふか枕になってもらいましょう。


「ちちゅた、アイリちゅ、いっちょ」

「んん。アイリチュってあの獣のことかい? ダメダメここは治療室だ。昨夜(ゆうべ)はアンタから離れなかったから、シスタータバサが許可したが、獣は立ち入り禁止だ。ほら口開けて」


 僕に前掛けを巻きながらシスターチェスタが言いました。

 なんということでしょう。僕はアイリスからもみんなからも隔離されここに閉じ込められるのですか?


 もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ。


 ……これが内蔵でしょうか。僕用に小さく刻んでくれたのでしょうが、噛みきれません。


「ほら、あーん」


 もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、ごっくん。


 ……美味しいですが噛みきれません。


「はい、あーん」


 もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ、ごっくん。


 ……スープに味が溶け込んで美味しいのですが、顎が疲れます。内蔵料理、手強し!



 食事が終わると、再びおむつチェックを受けてから、またもゴロンと寝転ばされ今度は掛け布団を顎までかけられました。


「さあ、お休みリューク。大人しく今日は寝てるんだよ」


 かけ布団の上からポンポンと叩いて、シスターチェスタはトレーを持って部屋を出て行きます。


 ガチャリ。


 あ、鍵までしめた! ひどいです。僕が抜け出すと思ってるんですね。そんなことしない……わけないじゃないですか。

 ううっ。シスターチェスタあなどれぬ。

 あふぅ……おなか……いっぱい……ねむく……なんて……くぅ。



PV14000超えました。

14話でということは1000人くらいは読んでるってことかな。

超亀更新なのに読んでいただきありがとうございます。


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