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カキンオー(課金王)~コミュ障の俺が魔王扱いされ、世界が勝手に震えてる~  作者:


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71,第七独立小隊

  地上に降り立った瞬間、ザインは顔をしかめた。


 空気が重かった。


 魔力が薄い。


 汚染された地上だ。


「さっさと終わらせるぞ。カキンオーとかいうのを片付けて帰る」


 二十人がてんでばらばらな反応をした。


「帰るだけはもったいないですよ隊長」


 ゴルムが真っ先に口を開いた。


「ファルネイスに寄っていきたい。滅多にないチャンスじゃないですか」


「俺は帝国の方が気になるな」


 テイが言った。


「規模がでかい。面白そうだ」


「それなら俺も帝国がいい。手垢のついた場所より、まだ踏み荒らされてないとこの方が楽しい」


 テイの隣の男が続けた。


「勝手ばかり言うな」


 ドルスが腕を組んだ。


「今回の目的は魔王の情報確認と、可能なら排除だ」


 一拍置いた。


「俺は森の魔王に興味がある」


「嘘だろ」


 ゴルムが素っ頓狂な声を上げた。


「穢れの魔女だぞ。やめとけ」


「俺はさっさと帰りたい」


 ヴェンが欠伸をした。


「地上は空気が悪い。一刻も早く帰りたい」


「ならお前だけ帰れ」


「帰れるなら帰ってる」


 ザインはゆっくりと息を吐いた。


 リオを見た。


 リオが静かに頷いた。


「一度整理する」


 リオが全員を見渡した。


「カキンオーのところに向かいたいやつ、手を挙げろ」


 八人が手を上げた。


「帝国は」


  三人。


「ファルネイスは」


 五人。


「森の魔王は」


 二人が手を上げた。


  リオが少し止まった。


「二人か」


「物好きなことだ」


 ドルスが静かに言った。


 自分も手を挙げたまま。


  リオが頷いた。


「では。隊長と私を含めてカキンオーの排除に向かう。残りは好きにやれ。気が済んだら合流せよ」


  ザインも頷いた。


 そこで、ゴルムが口を開いた。


「待ってくれよ隊長」


「何だ」


「こっちから奇襲するのって、カッコ悪くねえか」


 場がわずかに静まった。


「確かに」


 ドルスが頷いた。


「俺たちが来たと、相手はまだ知らない。知らない相手を潰すのは筋が通らない」


「フロストスに予告させとこうぜ」


 ゴルムが続けた。


「山脈に引きこもってるんだろ、あのドラゴン。使えるだろ」


  リオがザインを見た。


  ザインが少し間を置いた。

 

「まあ、そうだな」


  頷いた。


「フロストスを経由する。以上だ」


  解散した。


 統率が取れているとは言えなかった。


 ただ、まとまりはあった。


 この集団なりの。


───



  山脈では。


  フロストスが眠っていた。


 何百年かぶりの屈辱的な記憶とともに。


  上から声が降りてきた。


  片目を開けた。


 天空のやつらだ。


 低く唸った。


  面倒だった。


 断れる立場でもなかった。


───



 城の地下では。


 カキンオーが付与の練習をしていた。


  静かだった。


 悪くなかった。


  空の向こうで何が動いているか、知る由もなかった。



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