その果実は食べてはいけない 死ぬからね
この話がもろ15禁です まぁ、なんちゃって耽美系なので、気をつけてください。
1
私はシャロンの薔薇、谷のゆりです。
我が愛する者よ。あなたの唇は甘露をしたたせ
あなたの舌には、蜜と乳があるようだ
あなたの衣の香りはレバノンの香りのようだ
唇はユリの花のようで没薬の液をしたたらす
あなたの口づけは流れくだる良きぶどう酒のよう
私は我が愛する人のもの。彼は私を恋い慕う
ソロモン王・雅歌より
2
燃えるような恋をした。
そう熱く彼女の事だけをみつめる………
初めて拝謁した時から視線がはなれなかった。
「ああっ〜」
甘い声が高貴な口からもれていく。
まるで甘露のように。
「グィネヴィアさま」
夢見心地のまま答える……荷車のなかで秘密の会瀬……誰にも見つからない秘密の場所。
乾いた藁草のにおいと彼女の香水と体臭が鼻腔をついた。
酩酊のように脳裏をいざなっていく。
彼女の美しい裸体に私は包まれている。
ぬくもりも彼女の香りも私には幸せな記憶として、いつまでも残り続けている。
二人は一つであり、離れないように互いを溶け合うように絡めあっていく。
豊満な妃は三十を超えたとは思えないほど魅惑的であり、同世代の侍女などと比べものにならないほどに淫らだ。
「私は、とてもうれしいわ」
グィネヴィアは私の鍛え上げられた肉体の筋をなぞる。そのたびにゾクゾクと脳髄が白く走っていく。
挑発的な視線をむけ微笑み、私の腹筋をまさぐりその余韻にひたるまもなく、彼女は私のうえにのる。
ブロンドの髪が私の頬をなで、甘い香りが私をまた、夢の時間へといざなう。
「愛してるわ」
彼女が微笑む……その乙女の瞳のまま……あなたは逝った。
場面は展開する
あぁ、なぜ、あなたは!
私は手を伸ばす。
今は手を伸ばし、麗しき妃はドレスをまとい湖水の船着場に彼女はたっていた。
「グィネヴィア!!」
私は妃の名をよび、手をのばし続けた。
届かない。私は手綱を引いて、駄馬を必死に走らせていく。
農耕馬の歩みは遅い。
彼女は騎士たちに囲まれている。
遠くて見えないしかし、あの時と同じ優しい微笑みを浮かべいることを私は確信した。
そして。叫んでいた……
3
深い夢を見ていた………
「起きましたか?」
木陰に背をかける黒いローブの修道士。
そう思い出した……彼は布教の旅路に護衛にやとわれたのだ。
世界の果て…アイルランドへの旅。
「あぁ……夢を見ていた……」
汗を拭う……
そして、修道士からもらった古い諸刃の剣を左腰に吊るす。
彼らの布教の成果か、キリスト教はこのブリテンに広がり、ケルトの神からキリスト教へとかわっていく。
ある町のルーグ像は倒れ十字架へ。ダナーの女神像が聖母マリアへと変わっていく……悲しくなる……
この国はかわり、民も変わる。
私たちを罪深い蛮族だといい、自らの偽善を押しつけられ修道士のような傲慢な人間によりすりかえられていくのだろう。
どこにも行けない私には、どこに向かってもどうでもいいことだが……
「修道士よ。アガペーとは何か知るか?」
ふと私は彼へと質問した。
宮廷の者が言ってたがキリスト者ならわかるだろう。どういうものかを。
「アガペーとは、愛です。神が人に与える無限の愛………無償の無制限の愛のことを言います」
壮大な事を考えるものだな……愛か……宮廷でも語る奴もいたがわかっていたのだろうか?
「それは、異性に対する性欲、ましてや不倫などの愛のようなエロースとは違い。敵であろうと、王であろうと、貧民であろうとも、均等に神により与えられるものなのです」
ましては不倫……か痛い所をつく男だ。
私達の罪は愛ですらないというの……か
「たしか、そなたたちの、風習には不倫の罪は石打で殺されるというのだったな……」
私は皮肉で返していた。
とたんに修道士は破顔したようにこちらをみる。
「ああ? なるほど古き契約の『汝、姦淫してはならない。破るものには石を打て』という文言ですね。イエスの教えでは違います」
そこで、彼も言葉をとめる。
石を打つとは別なのか……イエスという奴は何を罰するというのか?
「ある時、敵対者がイエスを前に不倫した女を連れてきました。敵対者は契約によれば石を打つべきだ、あなたはどうだと問いました」
「それで………どうした?」
私の問いに彼はこれでもかと誇るように口をひらいた。
「イエスはこう言いました。『それは間違いではない。ただし、この中で罪を犯してないものだけが、石を投げよ』と」
私は呼吸すら止まる………なんといった……罪なき者のみ……だと。
「続けて『私もあなたを罪には定めない。行きなさい。これからは罪には問いません』とさとしました。彼らもわかっていました罪なき者など一人もいない。義人は一人もいない。『赦し』のみがあるのです」
不可思議な話で狐に包まれるといった……不可思議な気持ちに修道士をみつめた。
「ははははははっ!!」
とたんに私は信じられないほどに爆笑してしまっていた。
こぼれるほど無様なほどに修道士はわからないほどに、私は笑い続けた。
真面目な話でここまで笑われるとは思っていなかったのか、彼は唇を尖らせる。
「なにか、笑うところでしたか?」
私は袖を口に当てて笑いを封じていく。
そうでないとこらえきれない。
「失礼。私事だ。すまない」
彼はまだ釈然としない様子だが、別の話題にかえていた。
「そうですか………この丘を越えれば、あの王に面会を願い出るつもりです。それが願いでしょ?」
蛮族にせめ立てられた城に立てこもる無様な王のこと。
行く場所はキャメロットかつての王城だ。かつては栄光の王がいて、今は違う。
王を殺した不義理な王か座す。
修道士ならば包囲の中を通り、会談することが可能だろう。
「つらくないのですか?」
彼には私のかつての正体を伝えている。
かつて………私は栄光の騎士だったことを。
修道士は私の右腰に視線を向ける。
ふと右腰のカリブルヌスにふれる。麻布に巻かれ封じられていた剣は動かない。
この伝説の剣は王の最期まで振り続けた剣……なぜ私がこの剣を持っているかは伝えていない。
「蛮族の王も、この豊かなブリテンの全てを欲しております……ゆえに会談も可能かと。王の死で家臣を救う……そんなところでしょうか」
私はうなずいた……彼が死ぬ前に会いたいのだ……私の罪の証しを………
4
彼女は王妃よりも女であることを望んだ………
若い私に対してただ愛をささやき続けた。
王を騙すことになろうとも、清き王の偶像を汚し続けようとも。
私達は互いにおぼれていた……
しかし、私は知っている妃は王を求めていた事を。
王は彼女への愛を捧げるよりも国をまとめることに心を砕いている………
あの時は蛮族と睨みをきかせ、戦勝に気を良くした騎士たちへの恩賞など、政務がおおかった。
グィネヴィアはよく言っていた……王は寝室のなかでも眠るだけだと……王の苦悩は知っていると。
私は十六の若造だった。男女の機微………王と妃……統治と夫婦の距離などわからない。
……国のために彼女は無碍に扱われていた………それを私は彼女は哀れと思っていた……
ただの小姓にすぎない私と王妃、年の差を超えて、身分を超えて私達は恋に落ちていたのだ……
「そんなこと忘れましょう……私は……もういいの」
麗しい妃が私を求めてくれていた。
美しい妃の乱れ髪。その姿を知るのは私と王だけ。
優越感が走る。
「私もです……王妃……グィネヴィア様」
彼女の豊満な体を抱きしめる。
柔らかい包まれるぬくもり……そして、若造の私を惑わす技巧に翻弄されていた。
「んん……んっ………はむ………」
私達の唇は乾くまもなく濡らしていった。
やがて、射抜くように私はやがて彼女の中で果ててていく。
そう蜜のように二人の間に銀の糸をひいていた。
「はむ……はぁ……あなたがいてくれて良かった……」
彼女は私の耳に甘噛して、息をかけ……るようにささやく。
「ハァハァ………私で役に立てたのなら…………光栄です……グィネヴィア様」
彼女の手や中に、体全てに私はただ、流され続けて………いた……全ての衣を身に着けていない私達は 常若の国にいる罪の知らない妖精だった……
そう幸せそうにほほえむ彼女の頬をさわる。
彼女もいつものように感嘆の中を泳ぐ。
とても幸せな世界だった。
しかし、彼女は身ごもってしまう……父は私だ。
罪の子供……彼は王の子として発表された……私は… はじめて罪に気づいた……
元々アーサ王伝説はケルト的な古いイギリスの感覚、途中から入ってきたフランス宮廷風が混じっています。
アーサ王にある耽美系なイメージはフランス由来になります。
多くの近年の有名な文学や映画で、アーサ王の原典みたいな作品を作ろうとした気持ち。古いイギリスのみのナショナリズムを再現しようとい気持ちがあったのかなと。
けど、私が作ってるのはフランスの耽美系の祖みたいな話なのかなとまた、少し、自己嫌悪したり笑笑
濃い話なので、好き嫌いあると思いますが、ナイス、コメントしてくれるとめちゃ嬉しいです。
たまにこういう話を書きますが、これからもよろしくお願いします〜




