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社会人の独り言  作者: 黒船雷光


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美顔鬼

偶にバスで乗り合わせる老婦人がいる。


近くに座っても特にどういう方かな?とか詮索はしないので、顔を見て直ぐ「嗚呼あの人」と直ぐ判るわけではない。


が、乗り合わせたらすぐわかるある特徴的な行動をとる。


席に付くやいなや、金属のYの字先端に玉の付いた美顔器である。


この時期多くの女性がハンディ扇風機を持つ中、御婦人は美顔器で……ず〜っと、ずぅ〜っとコロコロしている。


まともに見ることはしないが、永遠と繰り返している。


別に化粧してファンデーション撒き散らすでもなく、うるさいわけでもなく、特に迷惑がかかる訳では無いが、ひたすらに永遠に座っている間続ける。


いつまでも若く健康であろうと思う志は全く否定するものではない。

肘をぶつけられたり、音がうるさいことも一切ない。


ひたすらコロコロコロコロしている。


ただそれだけなのに……


ソレだけなのに、さっきから私の肌に鳥肌が立って止まらない。


人間の恐怖って、理解不能な現象に出くわした時にお湧き上がる感情なのだ。


私はタダ恐怖している。

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