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社会人の独り言  作者: 黒船雷光


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霊障

一昨日唐突に右足首に痛みが走り、歩くのも辛くなった。


捻挫?


いや、無理な運動や、重い荷物を持つような作業もしていない。


いつもと変わらない日々、PCに向かって特に代わり映えのしない仕事。


加齢による運動不足での神経痛?


それなら膝に出そうである。



深夜、帰宅した家は家族が寝静まりしんとしている。


そんな中、シャワーを浴びに洗面所に行くと、ふわりと黒い人影が横切る。


……気のせいかな?


足がピリつく。


イテテ……本格的に足首が痛い。


シャワーを浴びて着替えを出して着替える。

髪の毛を乾かしていると鏡の向こうに人影。


え?と振り返ると何もない。


今日は台所でも見えた。


ゾワっと鳥肌が立つ。


そんな人影と入れ替わるように妻が出てきて


「今日何の日が覚えていますか?」


娘の誕生日は来月だし、結婚記念日は再来月…


お父さんの命日です。


彼女の言う父は、私の父のことだ。


「今日は十二回忌です」


「そうか……」


父の武道の弟子からは今年もお供え物が届いている。

多くの弟子が居たが、今もこうして毎年贈ってくださる方はもう一組の夫婦だけだ。


そして、ちゃんと覚えていて私にこうして手を合わせろと促してくれるのも妻だけだ。


私は仏壇に手を合わせて心の中で言う


「子供たちは元気、妻は今も私の横で良くしてくれています。ありがとうございます」


そして会社に行く。


妻は笑顔で見送ってくれる。


足首の痛みは…無くなっていた。



さっき、会社のパントリーで誰も居ないのに人影が動くのが見えた


妻が良く言う


「チャンネルが合うと、憑いてくるから気をつけて」


果たして無事に家に辿り着くのであろうか。

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