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『  』と呼ばれた少年  作者: リフ
第二章 星渡巡と白鼠とワ

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第14話 久しぶりに異界へGO!

「うーん、今日はあっちの方に行ってみようかな」

「にゃん」


 俺達は小高い丘から異界を見渡している。

 マァの伝手を頼るにしてもすぐにオーロラさんに会える訳じゃない。

 話がまとまるまでの間、俺は大人しく部屋で過ごす事が決まった。

 その空いた時間を使って異界内を探索している。


「じゃあ行くか」


 俺は籠を背負うと、渦から出た側とは反対の方へと降りていく。

 ラジエルがふわふわ浮きながら先導してくれている。


「こうやって歩くのも何だか新鮮だな」


 異界に入れるようになってから、思ったよりも探索は進んでいない。

 向こうの世界でも色々あって、そっちにも時間を吸われてる。


「最近は探索済みの場所しか行ってないしな」


 往復の時間も分かるし予定も立てやすい。

 そして果物も確実に手に入るとなればそうなるのも仕方ない。


「今日は一日ゆっくり回れるぞ」


 マァは知り合いの所へ行っている。

 多分長くなりそうとの事で、お昼は各自で済ませる予定だ。


「こっちは……ちょっと湿ってる感じがするな」


 進むにつれてジメジメした空気になっていく。

 足元には落ち葉が降り積もっていてふかふかだ。

 今の所敵らしき存在には会っていない。


「にゃん」


 ラジエルが何か見つけたようだ。

 近くの木の根元へ飛んでいく。

 俺も一緒について行くと視線の先にそれはあった。



《異界の闇黒占地(あんこくしめじ)》クラス:Ⅲ 品質:優

・異界で稀に採取出来る闇黒色の占地。非常に旨味が強くて美味しい。食べる事で闇の力への耐性を得られる。



「これはっ!」


 初めて見る食べ物だ。しかもクラスⅢときた。

 俺は急いで地面にしゃがみ込むと黒くて丸い傘のキノコを慎重に採った。

 落ち葉で隠れていた軸は白くて太短い。全体的に丸っこいフォルムをしている。


「お手柄だぞラジエル!」


 採取の様子を見ていたラジエルを褒める。

 俺の胸に飛び込んでくると頭を胸に擦り付けてきた。


「おお、よしよし」


 ラジエルが満足するまで撫でると、キノコを籠に入れる。


「先に進むか」

「にゃん」


 俺達は再び歩き出す。

 するとしばらくしてまたラジエルが飛んで行った。

 ここにも色々採れる物があるらしい。


 ♢


「結構集まったな」

「にゃん」


 俺達は途中の開けた場所で休憩している。

 目の前にはこれまで採取した物を並べてみた。



《異界の白舞茸》クラス:Ⅱ 品質:優

・異界で偶に採取出来る白色の舞茸。とても美味しい。食べずに移動の目印として設置することも可能。


《異界の黒舞茸》クラス:Ⅱ 品質:優

・異界で偶に採取出来る黒色の舞茸。とても美味しい。食べずに移動の目印として設置することも可能。



 この二種類は大木の根元辺りで見つけた。

 かなり大きい株だ。舞茸ってこんなに大きくなるんだな。

 市販品との味の違いも気になるが、移動の目印とは何だろうか。



《異界の黄滑子(きなめこ)》クラス:Ⅰ 品質:優

・異界で採取出来る黄色の滑子。美味しい。


《異界の白木耳(しろきくらげ)》クラス:Ⅰ 品質:優

・異界で採取出来る白色の木耳。美味しい。



 この二種類は倒木に生えていた。

 なめこなんて市販の物とは見た目が大分違う。傘も大きくて肉厚だ。


「この辺りはキノコが多いな」

「にゃ」


 多分キノコに適した環境なんだろう。

 この異界ついては正直あまり分かっていない。

 場所によって生えてる木や草の種類も全然違うし、環境も荒れ地だったり森だったり。

 見るもの全部を鑑定すると日が暮れるから、重要そうな物だけを選んで確認するようにしている。


「でもどうやって食べようか」

「んにゃ」


 さすがに宿の食堂で調理してもらう訳にもいかない。

 前に焼いてもらったフェトルとは違い、異界産の食材は見せられない。


「……そうだ! 自分で調理すればいいんだ」


 特殊な食材ではあるが、基本はシメジ、マイタケ、ナメコ、キクラゲと思って調理すればいけるのでは。


「煮たり焼いたりすれば美味しいはずだ」

「にゃ」

「あ、でも……」

「にゃ?」


 醤油や味噌がない。

 焼いたキノコには醤油が合うだろうし、味噌を使ったキノコ汁とかも作れたかもしれないのに。


「ま、スープとか炒め物が無難か」


 味付けがこちらの世界風でもきっと美味しいだろう。

 戻ったらまずは調味料を買いに行かないとな。


「よし、もう少し先まで行ったら戻ろうか」

「にゃん」


 キノコを籠に入れ直すと、森の奥へ向かって俺達は進んでいった。

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