表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『  』と呼ばれた少年  作者: リフ
第二章 星渡巡と白鼠とワ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/70

第12話 オーロラとマァの関係

 道の調査はどうにか無事に終わらせる事が出来た。

 斡旋所でマァと合流し、報告を終えると宿へと帰る。


「はあ!? 助けた女の子が聖女だった!?」


 部屋に着いた俺達はお互いに今日の出来事を話していた。

 すると途中までふんふん大人しく聴いていたマァが突如叫んだ。


「そうだけど……」


 確かに俺も最初驚きはしたがそこまで驚く事だろうか。

 聖女なのは凄いと思う。でも同じ王都にいるならどこかですれ違う事もあるだろう。あとは何かの催しで見かけるとかも。


「そもそも聖女は表にあまり出てこないのよ! 普段は大聖堂に詰めてるし」


 マァの話によると、聖女というのは大聖堂で行う聖務というものがあって一日で自由な時間はほとんどないらしい。

 ましてや抜け出すなんて事は絶対にありえないそうだ。


「それが何で一人で外に出ててメグルに助けられるのよ」


 マァは説明し終わると呆れた顔で溜息を吐いた。


「俺に言われても……」


 別に俺が連れ出した訳でもないし。


「まあいいわ。二人とも無事なのを喜ぶべきよね」

「お互い怪我もしなかったよ」


 助けて食事をして大聖堂まで送っただけだ。


「そういえば」

「?」

「どうやってオーロラさんに会えばいいんだ?」

「??」


 マァは首を傾げる。それ以上傾くと頭がもげますよ。


「理解が出来ないのだけど……どういう意味かしら」


 目から光が消えていく。

 何だか怖くなって来たぞ。


「い、いやそれは」

「いいのよ、正直に言いなさい」


 丁寧な言葉遣いに圧を感じる。


「えっとですね、最後に見送った時にですね」

「見送った時に?」

「また会えるかどうか聞かれてですね」

「また会えるかどうか、ね」

「聖女がそんなに忙しいとは知らず」

「そういうのはいいから。で?」

「会えますよって軽率にも言ってしまい」

「へぇ、会えるって答えたのね」

「どうしたものか……と」

「なるほどねぇ」


 ずっと感情がなくなった声で返してくる。

 何が彼女をそうさせているのか分からない。

 寒くもないのに身体が震えだす。


「ふーん」


 マァは宙を睨むと何かを考えているようだ。


「あのー」

「ちょっと黙ってて」


 あ、はい。

 そしてしばらく時間が経った後、マァは俺を見た。


「それで結局、メグルはオーロラに会いたいの?」


 ここはどう答えるのが正解なんだろう。


「思ったことを言いなさい」


 俺の思考を読んだかのようにマァは詰めてくる。


「出来れば会いたいです」


 去り際の嬉しそうな姿を思い出す。

 あれを裏切るのはさすがにないだろう。


「分かったわ」

「え?」

「私がどうにかしましょう」

「どうにか?」

「教会は難しいけど、王城になら伝手があるわ」


 王城って……教会に圧力をかけるとか?


「メグル、もしかして気付いてない?」

「何が?」


 マァは少し呆れた顔で俺を見た。


「メグルは聞いたんでしょ、オーロラの名前」

「もちろん」


 それに鑑定もしたしな。

 長かったけど確か――。


「オーロラ=ノーブル=ワ=グロリアス」


 マァが言った。


「分かる? オーロラの苗字はグロリアスなのよ」

「そんな苗字だったな」

「察しが悪いのねぇ」

「?」

「で、私達が今いる都市の名前は?」

「……あ」


 グロリアス王国の王都グロリアス。


「やっと気付いたみたいね」


 嘘だろ……。


「オーロラはこの国の王女よ」


 聖女の方にばかり意識が行ってて気付かなかった。

 名前が長いから身分が高いのかなくらいは思ってたけど。


「教会へ突撃するよりも王城で会った方が早いわ」


 そう言ってマァはニヤリと笑った。



「でも何で伝手があるんだ?」


 他国のお嬢様だからそういう付き合いもあるんだろうか。

 こう、社交界的な。


「私とオーロラは昔からの知り合いなの」

「えっ、そうなの?」


 昔父親と一緒に王都へ来たとは言っていた。

 その時に知り合ったのかな。


「十歳の頃に星の祝福を受けてね。調べたらスキルを二つも授かってた」

「確か珍しいんだよな、二つ授かるって」

「ええそうよ。私の生まれ故郷でもほとんど聞かないくらいには」

「それが理由で?」


 確かオーロラさんも通常スキルは二つだったはず。


「オーロラは私よりも先にスキルを授かっていたけれど、彼女も二つだったわ」


 記憶は正しかったようだ。


「複数のスキルを授かった者同士、年齢も近かったし交流する事になってね」


 それだけ珍しいのであれば、国は違っても情報はお互いに届いただろう。

 むしろ周りが大々的にお祝いもしてそうだな。


「だからある程度お互いの事情も分かってるのよ」


 マァの顔に影が差す。


「事情って?」

「私の事情は前にも伝えた通りね。オーロラのは……本人に直接聞きなさい」


 そう言うとマァはぷいっとそっぽを向く。

 マァの事情……あぁ、夜の丘で言ってたやつか。

 俺も情けないとこ見せちゃったし、深掘りするのは止めておこう。


「分かった」


 俺達はその後、どうやってオーロラさんに会うかについてしばらく話し合った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ