表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
25/51

25.第三王子の婚約者

突如現れ、イヴリンに迫るリオを制したのは、ランスロットだった。

「殿下!」

リオは驚いた反動でイヴリンから手を離す。

「畏れ多くも殿下にご挨拶申し上げます」

とっさに胸に手を当て頭を下げ、ランスロットに簡易的な挨拶をする。

「…しかし殿下、なぜイヴリンを庇うのですか」

リオはつい、不満のような声が出てしまう。

「なんだ、お前は毒殺事件とやらの真実を知らないのか? あれは毒殺事件と国は処理してない、お粗末な身内のゴタゴタだ。こいつを問い詰めても時間の無駄だろう」

「どういうことですか?」

部外者であるはずのランスロットから、リオも聞いたことのない事件の見解に、リオは、責めるような口調になる。

「知らん。あとは生徒会の者にでも聞け」

ランスロットは興味を無くしたようにリオから視線を外すと、今度はイヴリンの手を取って、そのままリオの前から連れて行こうとする。慌てて付いてゆくイヴリン。

リオは慌てて引き留めようとする。

「ちょっと待ってください、何故 殿下がイヴリンを連れていくのですか!?」

リオの疑問に動きを止めて、ランスロットはイヴリンを見つめる。

「こいつが俺の婚約者だからだ」

「「「は?」」」

リオと、イヴリンと、傍で様子を伺っていたダグラスの声が重なる。

全員が固まっている空気を最初に破ったのはイヴリンだった。

「…いや、私、既にロスグラン侯爵の妻ですから!?」


そしてその爆弾発言を聞いていたのは、その場にいた4人だけではなく――シーアがイヴリンをずっと見張らせていた、彼女の取り巻きにも――しっかり聞こえていた。



教室で、見張りを頼んでいた取り巻きからの報告を聞いたシーアは、不気味に無表情でいた。

「お姉さま…大人しくしているのならモブの一人としてスルーしてようと思ったけど、分不相応にもランスロット王子に近づくなら…本当に許さない」

周囲に聞こえないようにつぶやく。

すっと席を立つと、「お教えいただきありがとうございます。気分が優れないので早退します」と力なく微笑んで校舎を出てゆく。シーアの取り巻きの令嬢たちは、「やはりくだんの姉のせいで心労があるんだわ」とシーアをおもんぱかり心配気に見送った。


迎えの馬車を急がせ、ペティベリー邸に戻ったシーアは、真っ先に父親の執務室へ行く。

「どうした、シー…」

シーアはバンッと父親の執務机を両手で叩いてにっこり微笑む。

「お父様、お姉様がこちらに帰ってきていることはご存知よね?」

「あ、ああ…だが、もうペティベリー家の者ではない。無視しておけ」

公爵は、シーアから視線を反らし答える。

「そうはいきません。懲りないお姉さまは、また私に危害を加えようとしてますの」

「なんだと!? どういうことだ」

公爵は一気に気色ばむ。

「第三王子のランスロット殿下と私が仲良くしていると、嫌がらせをしてきますの」

「ランスロット殿下…そうか、あの時の。王族を味方につけようと考えているのか…?」

公爵は苦々しい表情で唸る。

「そう…だからお父様、私、お願いがありますの」

シーアは目を三日月のようにして怪しく微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ