第十七話 よこすか
「つきましたけど…ここめっちゃアメリカって感じですね」
「私はカレーの口だったんだが…まあいいか」
どぶ板通りなるところは、近くに米軍基地があるからかアメリカの料理だらけだ。
ハンバーガー、ホットドッグ、チーズハットグ…
ジャンクフードはマクド以外は久しく食べていないから、油でお腹を壊さないか心配だ…。
「あそこのハンバーガー食べましょうよ! ちょっと高めのハンバーガーでおいしいんですよねー」
「そうなのか? 私はマック以外のハンバーガーを食べたことがなくてな…」
「えー! それ人生の1割ぐらい損してますよ」
「その構文ってもっと割合多くないか?」
「まあ、それはそうかも…ってはやく肝心のハンバーガー食べましょうよ」
「ああ、それもそうだな」
いざハンバーガーを頼んでみると、思っていたよりもかなり肉厚でこれぞアメリカというかんじ。
いざ食べてみると、かなりの脂と、大量のキャベツが相殺しあい、丁度いい旨味が生まれていた。
「やっぱこういうハンバーガーは美味しいですね!」
「確かに、チェーン店のそれとは全く違うな…
少年がアレだけ言ってたのも頷けるよ」
「でしょー!」
ここらへんを見て回りながら食べようとしていたが、大変美味しかったものでもう食べ終わってしまった…
「次なにか食べます?」
「いや、残りの腹はカレーに置いておこう…」
「じゃあ早速軍港に行きましょう! 多分カレーも道中にあるでしょう!」
「そうだといいがねー」
早速僕らは海にある海上自衛隊の基地へ向かうことにした。
道中の道はかなり凸凹としていて、舗装が追いついていなさそうだ。まあ多分、ここはもともとロボットが少ないからだろう…
数分ほど歩くと、何度も見たあの東京湾が見えてきた。いや、本当は相模湾とかかもしれないが、あまり地理は詳しくない…
「海見えてきましたよ! もう少しです!」
「はいはい、今日はやけにテンションが高いね。少年」
「本物の軍艦ずっと見てみたかったんですから!」
そのまま進んでゆくと…向かい側から米軍基地が見え、待望の軍艦が大きく見えた。
「おお! あそこにあるの最後に作られた原子力空母、ドナルド・トランプですよ! やっぱデカいですね…」
「おお、遠くで見ても圧巻だな…」
「今となっては核融合型が主流ですから、中々あんなデカいのは作れないですよ」
「うーん…全くわからん。そこら辺疎いからな…」
「まあ、女性はそんなもんですよね」
そんな僕のミリタリー話に花を咲かして、いよいよ自衛隊基地につこうとしていた時…
なーんかユニバの時の嫌な予感が…
「まって、なんかヤバい気配する気が…」
「まあまあ、またあいつがいてもここは海だらけだ。なにも心配することは…」
おそるおそる自衛隊基地の方向をよく見ると…
銃を持っているロボットがいた。どうやらシグマロイドではないっぽい?
「ああ、バグったやつじゃないじゃないか。さすがに一般人を打たないだろう…」
相変わらずコトハさんは楽観的である
「いやいや、逃げましょ…銃とか撃たれたら僕一発でお陀仏ですよ」
「まあ、かかわらないほうがよさそうだし、引き返そうか…」
そう決めて、引き返そうとしていたときであった
「異物、ハッケン。タダチニ排除する」
そんなことを言ってこっちへ向かってきた!
よく見たら掠れて見えなかったただけで、首に紋章があった!
「わあー! やっぱバグった奴じゃないですか!」
「まじ!? とりあえず入り組んでる軍港のほうへ逃げるぞ!」
僕たちは逃げた! 逃げた! ひたすら逃げた! どうやらあいつはある程度近づかないと打たないタイプなようだ…
「あっ」
コトハさんはそんな言葉を発すると、道端の石に転んでコケてしまった
「まずは、ヒトリ」
コトハさんにそいつに狙いを定める! ヤバい!
僕は間髪入れずにコトハさんとロボットの間に入る
「わあー! コトハさんを殺すなら僕から殺せ!」
コトハさんが今まで聞いたことのない声量で叫んだ
「よすんだ! 私には最悪バックアップが…」
コトハさんがそう言い切る前に、バァンと重苦しい音が響き渡る。ああ、まあ最後にコトハさんと旅できて悪くない人生だった…
いや、待てよ。全く痛くない。痛すぎて痛覚が麻痺すると言っても、最初は痛いはずだ…
そう思い目を開けると、目の前のロボットのほうがボロボロと部品が崩れていた。
コレは一体どういうことだ…?
「ああ、またこのロボットか…」
少し遠くからそんなことが聞こえる。その声は、コトハさんではない、ロボットでもない声であった。




