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僕と君の、終末旅行記  作者: 星宮 玲羽
かながわ編
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15/20

第十五話 しょうなん

 僕たちは横浜駅から乗り換えて江ノ電に乗り、次の目的地、江ノ島に向かっていた。


「名前は知ってるけど江ノ島ってなにがあるんでしょうか…」


「うーん…海鮮とか、後景色とか? まあ私もあまり知らないけど」


 ここ最近は結構惰性で行くところを決めてる節がある。なんというか、適当なところでグダグダするのがなんか心地良いんだよね。


「ふぁー、私もそろそろ充電しないとだな…

 いろいろあってかなり減ってる」


「ああ、充電必要なこと忘れてましたよ。あんまりそのこと話してないですから」


「私も気づいたら忘れてるんだよね…スマホみたいに警告でないから」


「結構不便ですね。肝心な時に充電切れないようにしてくださいよ…」


「はは、わかってるわかってる。そんなヘマはしないから大丈夫さ」


 この人の大丈夫って言葉ほど、信用ならないものはない…


「エノシマーエノシマー」


「ほら、つきましたよ」


 駅のホームから海が見えている。まあ、横浜で見た海と何ら違いはないのだが。


「おお、駅から海が見えるぞ! きれいだなー

 海は何回見ても美しい」


「僕はさすがに見すぎて飽きてきたかも…

 って僕たちずっと海近のとこばっか行ってません!?」


「まあ、それは発展してるところの近くに海があるだけだろう」


「まあ、それはそうなんだろうけど…」


 少し歩くと、江ノ島が間近に見えてきた。


 ここらへんは、いつもよく見る停止しているロボットが少ないように感じる。


 まあ、気のせいかもしれないけど…


「この橋の先か! はやくいこう。少し景色でも見てゆっくりしたいんだ」


 橋を渡ると、まず最初に見えるのは青銅の門である。案内板を見ると、どうやらこの先に神社があるらしい。


「この神社にでも行ってみますか」


「そうだな、この先の旅の安全でも祈ろう。すでに2回ぐらいは死にかけてるんだからな…」


 神社までの道には草が生茂っていて、ところどころで草が飛び出ている。


「わあ、こんなに生い茂って…管理されてないんですかねー」


「うーん…よくわからないな。そういうのは人間が管理してたのかも…」


 コトハさんとしゃべりながら歩いていたら、赤い鳥居が見えてくる。


「ああ、ありましたよ!」


 どうやら名前は江ノ島神社と言うらしい。なんだか、思ってたよりもこじんまりとしてた。


「ええっと、確か二礼二拍手一礼でしたっけ?最近神社行ってなかったから記憶が朧げです…」


「多分そうじゃないか? じゃあ、この先の旅の安全を願って…」


 僕は目をつむり、ずっとこんなゆるりとした旅ができるようにお願いした。


 僕はいつもは神を信じていないが、こういう時だけ神を頼りにしている。まあ、そんな人がほとんどだろう。


「少年! こっちにおいしいものがありそうだ!

 景色見ながら食べよう!」


 コトハさんが西に一目散に走って行く。


「ちょ、ちょっとまってください…僕体力ないんですから」


「おいしいものは待ってはくれないぞ! はやくはやく!」


「別に食べ物は逃げないでしょ…」


 僕は普段使っていない足を酷使して、何とかコトハさんに追いついた。


 追いついた先はどうやら出店が集まっているエリアなようだ。


「は! 少年、シラス丼だ! ここに来たからには食わねば」


「あ! あっちにはホタテもありますよ」


 なんだかんだでかなりたくさん買ってしまった。


 少しまた西に行ったところに、いい感じに景色が見えそうな浜辺がある。


「あそこで食べましょうか」


「おお! なんかおしゃれな感じがしていい感じだ」


 時刻はすでに夕暮れ時に差しかかって、浜辺から夕日が見える。太陽の光が波面に反射し、何とも美しい景色を形づくっている。


「コレはキレイだな…旅の疲れが癒されるよ」


「ええ…こんな景色を見ながら食べ物を食べれるなんて夢みたいです」


 夕日を見ながら海鮮を食べるそのひとときは、なんとも形容しがたいような幸福を感じた。


「ふう…ここで寝ちゃいそうですよ。またどこかで泊まらないとですね」


「そうだな…ああ、次はどこへ行こうか。やはり近いから鎌倉か?」


「ええ、後箱根は絶対行きたいですね!」


「箱根ねえ…西の方だから多分結構遠いんだよねえ…」


「でも人生で一回は行きたいんですよ! なんたって僕の好きなアニメの聖地ですからね」


「少年、結構アニメとか見るタイプか! 少し意外だよ。てっきり少年は嫌うタイプかと」


「最近のアニメはAIが80%ぐらい作ってるから嫌いですけどね。昔のアニメは好きですよ」


「まあ、ロボットの私が言うのも何だけど最近の創作物はどれもAIの手が入っているからね…

 はあ、ここでもう少し休んだら近くのホテルに入ろうか」


 湘南の潮風が当たる中で、僕はそんなやりとりをする。そんな僕の気持ちは、まさしく「エモい」という感情に包まれていた。



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