第十四話 赤レンガ倉庫
「ふう、おいしかったな、少年」
「ええ、ですね!
そろそろ赤レンガ倉庫にむかいましょうか」
僕たちがエレベーターに乗り込み、そのまま
一階へ降りようとした時…
ガチャン、と大きな音を立ててエレベーターが
急降下し始めた!
「わあー! やっぱ言ったじゃないですか、
さっきの発言はフラグって!」
「だ、大丈夫だ少年、完全に落ちるその瞬間にジャンプすれば死なない!」
「それよく言うけど無理ですから!
どうするんですか、ここ300mぐらいあるって書いてましたよ!」
「ああ、そうだ! ちょっと私が浮遊して少年を
持ち上げたらいい!」
そんなことを言っている間に階数表示は20階を指していた。
「それ天井に叩きつけられますよ!
ってもう20階じゃないですか!」
「ああ、今までの旅、楽しかったよ少年。」
コトハさんは感極まったような感じでそう言う。
「そんな最終回っぽいこと言わないでくださいよ!ええ、後なんか打つ手は…」
「キンキュウアンゼンモードヲサドウシマス」
機械音声でそう言われると、エレベーターはゆっくり速度を落とし始め、1階へ安全に着地した。
ま、まあ普通に考えたら安全装置の一つぐらいあるだろうか…
「はあはあ、生きてる心地がしないよ…」
「…私ははじめから大丈夫だと思っていたけどな!」
「いやいや、めちゃくちゃ最終回っぽいこと言ってたじゃないですか。物語だったらもう終わりかけでしたよ…」
「ま、まあ生きてるから、最終的にはok!」
相変わらず、コトハさんはなんか緩い。
「はあ…赤レンガ倉庫に向かいましょうか。
散歩して少しゆっくりしましょう」
「そうしようか」
少し潮風にあたりながら、死にかけた時の興奮を少しずつ冷ます。
「…はあ、やっと落ち着いてきました」
「ああ、そうだな…
っと、あれじゃないか。赤レンガ倉庫」
10分ほど歩いたところに、ようやくあの有名な赤レンガ倉庫が見えてきた。
「おお! アレですか…」
そのまま歩いていき、赤レンガ倉庫へとついた。
「ふう、やっとついた
…ここで何するんだ?」
「なんか中に入れるっぽいですよ。店が色々あるみたい」
「ああ、赤レンガ倉庫って入る感じの観光地だったのか! てっきりなんか歴史的な建造物かと…」
「いや、ある程度歴史的は的でしょうけど…」
中に入ると、どうやらファッション街のようで、服の店ばかりがある。
しかし、ここらへんは有人経営だったようでかなり寂しい雰囲気である。
いや、まあそんなことを言ったらこの世界全体がそうなのだが…ロボットがいないだけでかなり雰囲気は変わるものだ
「少年、見てみろ! この服可愛くないか?」
コトハさんは夢中になって服を見回っている様子だ。
「ええ、結構おしゃれですね。あんま自分ファッションは分からないですけど…」
「わ、この服も可愛いな…いやこの服も捨てがたい…」
女子がなぜこんなにファッション好きなのかは、
ずっと疑問だ。
そんなこんなで、小一時間ほどたっただろうか
「そろそろいきますよー! いつまで見てるんですか」
「ああ、ごめんごめん。久しく服屋になんて行ってなかったもので、ついね」
ファッション街を出ると、カフェやレストランなどが立ち並んでいる様子で、ここにはポツポツとロボットがいるようだ
「早めですけどここでご飯食べますか?」
「えー、せっかくだから中華街で食べないか?
っていうかさっき食べたばかりだし…」
ああ、中華街の存在忘れてた。
いや、あそこほぼ全部有人だな…
「あそこほほ有人だから無理だと思いますよ。
まあ、1か2個ぐらいなら経営してるかもですけど」
「ああ、そうだったな…
そういうことならここで軽く食べるとしよう」
何を食べようか悩んでいると、チェロスやケバブなど軽く食べれるものが集まるエリアに到着した。
「おお、丁度いい感じのエリアですよ! 僕はケバブとチェロスを食べようかな…」
「じゃあ私もそれで…」
それぞれ注文して待っていたら、2分ほどで提供された。客が僕らしかいないせいか、提供速度が異様に早い。
渡されたチェロスはありがちな細長いタイプで、
ケバブもありがちなタイプ
「早速食べるか、まずはチェロスから頂こう…」
「じゃ僕もチェロスから…」
どうやら味は塩味がある珍しいタイプなようだ。
「うん、これ甘じょっぱいタイプだ…
おいしい…ケバブも食べるとしよう」
ケバブも普通に美味しい…
僕たちは夢中で食べて、あっという間に食べ終わってしまった…
「ふう、美味しかったな。
少年、これからどこへ行こうか」
「せっかく神奈川に来たんですし、江の島、箱根
あたりをみてからいきましょうか」
「それもそうだな! 案外よく分からないところに生存者がいるかも知れないし…」
「まあ、人が多かったところに定住してる保証もないですしね…」
そうして、今後の方針が決まったあとはとりあえず次の目的地、江の島に行くために僕たちはコレまでの道を戻るのであった。




