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僕と君の、終末旅行記  作者: 星宮 玲羽
かながわ編
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第十三話 よこはま


「どうする? 他の新幹線を使うか?」


「まあ、せっかくですし横浜でも人を探しましょう。多分大阪より人口多いですし」


「それもそうだな。少し探索してからにするか」


 そして僕らは駅の外へ出ようとしたのだが…


「…どうやったら出れるんだ?」


「多分ずっと進めば…」


 しかしいつまでたっても同じところをグルグルするだけで、外の出口は見当たらなかった。


 コトハさんはかなり息を切らしている様子だ。


「はあはあ、なんでこんな迷宮みたいになってるんだ?」


「梅田も大概ですけど、ここは来たことありませんから…って、あそこから光出てません?」


「ああ!本当だ…」


 ああ、やっと外へと出れた。


 横浜の空気は大阪とは違い、どこかカラッとしているような、そんな雰囲気を持っている。


「とりあえず、赤レンガ倉庫まで向かいます?

 横浜ってそれぐらいしか知らないけど…」


 コトハは軽く笑う。


「はは、私もだ。そこまでの道中で何かあるかもしれないしな…」


 とりあえず僕たちは近くの案内板を参考にして、

だいだい2kmぐらい先の赤レンガ倉庫に目指すことにした。


 ある程度歩くと、建物などに、ほのかに違和感を覚える。大阪より、少し傷があるというか、なんというか…


「…なんか大阪より寂れてません?」


「そうかもな。もしや東京らへんで何かがあったのかもしれない…」


「ええ! またあんなバグったヤツと会うのはごめんですよ」


「あくまで可能性の話だ。まあただロボットのメンテナンスが大阪より控えめなだけかもしれないし」


「そんなことありますかね…」


 うーん、やはり「東京」になにかがありそうだ。


 あくまで憶測に過ぎないが…


 人類を壊滅させた謎の病に、自分が刺されたハチ。


 それらのヒントが、隠されているかもしれない…


 そんな思考を巡らせている内に、海が見えてきた。


「おお! 海ですよ。初めて見ました、東京湾」


「おお、大阪よりはきれいだな。

 …というか横浜の海って、「東京」湾なのか?」


「あー、まあそう言われると…

 でも東京ディズニーランドも千葉ですし、そういうものですよ」


「そういうものなのかなー、なんかしっくりこないんだがな」


 まあ、そういうことを考え始めたら、きりがないし、ある程度のところでとめるのがある一種の防波堤なのだろう。


 周りをみてみると、大きな商業ビルたちや、ひときわ高いタワーが見える。


「ここらへんみなとみらいじゃないですか?なんか名前は聞いたことありますよ」


「ああ、私もあるよ。具体的に何があるかは知らないがね」


「せっかくだからあのタワー見ていきません?

 全体をみたほうが探索しやすいでしょうし」


「ああ! そうしようか。それに私は高いところが好きなんだ」


「まあ、ジェットコースター好きなんですもんね…」


 とりあえず、僕らはひときわ高いタワーへエレベーターで登ってみることにした。


 少し長い待ち時間を経て、エレベーターは僕たちがいる一階に到着し、すかさず乗り込む。


「…どうする、このエレベーターが途中で落ちたら」


「怖い事言わないでくださいよ。そんなフラグ立てたらほんとに落ちちゃいますよ」


「はは、冗談冗談。面白いんだよ。君の怖がってる顔」


「ホントに怖いんですからね! そういうこと言われると…」


 ホントに、この世界だったら冗談で済まないからやめてほしいよ…


 そんなことを言ってるうちに、最上階の69階に着いた。どうやら、いらない心配だったらしい…


「すごいぞ少年! いい景色だ…」


 眼前に広がるのは、きれいな海と、大阪よりも高い商業施設やビルの数々。


 このような景色は初めてみた…


「綺麗ですね。ああ、コレがもし夜だったもっと綺麗だろうな」


「横浜の夜景はきれいらしいからな。せっかくなら今日の夜は高さが高いホテルにでも泊まろうか」


 何度かあべのはるかすとスカイビルには行ったことがあるが…こんなにも景色が違うものなのか


 そんなことを考えていると、ふとお腹が減っていることに気づく


「お腹減ってきました…この階にになんかないですかね」


「さすがにこんなところに…

 ああ、あそこにカフェがある。あそこに行こうか。」


「やった! 早速小腹を満たしましょう」


 せっかくなので窓際の席に座る。


「少年は何を食べるんだい? 私はこのベーコンエッグでも…」


「じゃあ僕はこのフィッシュアンドチップスでも食べますよ。」


 注文を済ますと、窓から見える景色に目をやる。

 やはり何回見ても美しい。


 少しコトハさんと喋っていた、案外料理はすぐに来た。


「おお! 案外は早いな。じゃあ早速…」


「そうですね! じゃあ僕も…」


 その味は、びっくりするほどおいしいというわけではないが、どこかあたたかみを感じる、安心感があるような味であった。


「ねえコトハさん。僕たち、こんなきれいな景色を見て、おいしいものを食べて…「生きてる」って

感じがしますね」


「…

 ああ、まさしく私たちは「生きて」るよ。

 これ以上ないくらいね」


 コトハさんのその言葉は、どこか重苦しく感じられた。




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