第十一話 すいぞくかん
「ふわー、よく寝た…」
コトハさんの姿が見当たらない…
先にご飯食べに行ったのかな
「おはよう、少年」
急にドアの裏からコトハさんが出てきた。
「わ、びっくりした。驚かせないでくださいよー」
「ふふ、君のびっくりした顔が見たくてね…」
「はいはい、朝食食べに行きますよ」
涼介はコトハを軽くあしらった。
その後、ぱぱっと二人は朝食を済ませ、
海遊館までのフェリーが出ているフェリー乗り場へと向かう。
「おお、フェリー!初めてみたよ」
「おお、改めて見ると結構でかいですね…」
コトハたちはフェリーに乗り込んでゆく。
「どうせなら海が見えるこの部屋にしましょう。」
「ふう、少しひと休みできるな。」
フェリーの窓から、遠くの海遊館が見える。
「どれぐらいかかるんだ?少年」
「まあ、10分くらいでしょうかね」
「あんなに遠くなのにか!ひゃー、人間の技術はすごいね…」
「まあ、ここの10年そこらで急発展しましたから。僕らの親世代はシグマロイドすらなかったらしいですよ」
「そうなのか!まあ、私もまだ3歳だし…それぐらいか。」
涼介が言ったように、10分そこらでフェリーは海遊館がある大阪港に到着した。
「ほら、ついたぞ!少年」
「うう…少し酔いました」
涼介の顔からみて、少しどころでは無さそうだ。
「君、酔いやすいんだね…潮風に当たったらマシになるだろ」
「そ、そうですね…」
僕は吐きそうになりながらもコトハさんの肩を借りてフェリーの外に出た。
「ふう…」
外に出ると涼し気な潮風と朝の少し仄暗い空が合わさって、なにやらエモい気分になり酔いも段々と覚めてくる。
「直ったかい?」
「まあ、完全回復じゃないですけど」
酔いから覚めて周りを見渡すと、海遊館は目の前にある。
「あれか?海遊館とは」
「ええ、っていうか見た目でわかるでしょ」
「まあ、一応聞いてみただけさ」
「じゃ、早速いきましょ、ジンベエザメもいますよ。」
二人は門をくぐって海遊館へと入ってゆく。
最初に待ち構えるのは、海遊館が誇る全面ガラス張りのトンネル型の水槽、アクアゲートである。
「おお!こんなの初めてみたぞ…
ああ、少年!エイいるぞ」
「おお、圧巻ですね…ここは。
創造以上に色々な魚がいる」
二人はしばらく、食い入るようにアクアゲートを眺めていた。
「次はこのエレベーターで行くのか」
「一気に8階までいくらしいですよ」
8階まできて、最初に出迎えてきたのは、もう自然では絶滅してしまったオオサンショウウオだ。
「オオサンショウウオ!初めてみたぞ、こんなレアな生物…」
「結構でかいんですね、こいつ」
なにげに生では初めて見た。両生類とは思えないほどでかい。なんかちょっとキモくもあるけど、そこも含めてちょっとかわいい。
「あっちの水槽は…あ!少年、コツメカワウソだ!かわいい!」
「わあ、爪ちっちゃいですね。かわええー」
こんな調子で、海遊館を続々と回っていき、最後に待ち構えていたのは、海遊館の目玉、大水槽であった。
「わあ、これは…圧巻ですね」
「これがジンベエザメ…!
こんなデカい生物を生で見たのは初めてだよ!」
いやはや、大きさは軽く僕5人分くらいある…
やっぱり海だからこんなに大きくなれるのかな…
「ああ、こっちにはマンタもいるぞ!」
「ああ、本当だ!
っていうかエイとマンタの違いってなんなんですかね」
「確か、エイが砂底で、マンタは海中で主に過ごすという違いだったはず」
ああ、どおりでマンタのほうが派手なイメージがあったわけだ。
「というか、なんでコトハさんそんなこと知ってるんですか?」
「ふん、YouTubeで雑学系動画を見まくったんでな」
コトハさんは自慢げにそう言った。
「まあ、あれ謎の中毒性ありますけど…」
僕たちは満足して、海遊館を後にした。
「じゃあ…これ以上大阪を探しても人はいないだろう。大阪の有名スポットはあらかた楽しんだわけだしな」
「それじゃあ、生存者を探しと、ハチの謎を解き明かすために…いきますか!東京!」
「おおー!」
僕らは、大阪の探索を終えて、晴れて念願の東京へと駒を進めるのであった…




