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私はアイドル令嬢  作者: あんぽんたん
4/4

私は男性アイドルには興味なし

「佳乃〜〜!そろそろ、れみりんの歌始まるぞ〜〜!」


「ええー!うそー!今行くー!」


《ところで、れみりん今回の歌はどんな歌なの?》

《今回はですね、応援ソングになっていて……》


あれからしばらくして、れみりんはトップアイドルの道を駆け抜けていった。今ではドラマやCM、バラエティなどにも露出を増やしてきて、世間で知らない人は少なくなってきている。前のライブの時はペニキュアの主題歌で少しずつ、人気を集めだしたばかりでチケットも比較的に取りやすたかったのだが、今ではとても取ることは出来ないほどだ。世間の流行りは勿論我が家にも伝わっていて、今では母だけでなく、父までもがれみりんと呼んで、一家全員でファンになっている。れみりんが出るテレビは要チェックで、必ず録画とリアタイでの視聴は欠かせない。


「今回のれみりんの歌もいいけど、父さんはやっぱり前の歌の方が好きだなぁ。」


「確かに、冬色の風はすっごく良かったけど!!今回のも私はとってもいいと思う!!!とくに…」


「佳乃ちゃんも、貴方もテレビのれみりんに釘付けなのはいいけど、お食事が出来たから頂きましょう。」


「「はーい」」



れみりんのライブコンサートから、もう1年が経つ。あれから、あっという間だったなぁ…。私はライブ以来れみりんを含め、今世のあらゆるアイドルにのめり込んでいった。はじめは両親もどうしたんだといった感じだったが、アイドルにのめり込むことで引っ込み思案で、感情を出すことの少なかった私がどんどん明るくなっていくのを見て、今では一緒にオタ活を支えてくれてる同士になってくれた。


でも、お母様にはタブレットでアイドルの動画を見るのは1日1時間て決められちゃったけど…。はぁ、本当はもっと見たい。


「佳乃ちゃん、今日は学校どうだった?」


「う、うん。今日も楽しかったよ。」


「そう言えば、クラスには一条さんや、朝比奈さんの息子さんもいらっしゃるわよね?」


「あ、そういえばそうだったなぁ!」


「お二人とも可愛らしかったから、学校じゃとても女の子にモテるんじゃないの?」


「ぇ、あー。確かに、そう言えばみんなカッコいいて言ってる気がする。」


「やっぱり〜!!一条さんのところは上のお兄さんもとてもカッコいいから、きっと弟さんもって思っていたけど。あれは将来有望ねえ〜!目がぱっちりしててるのに、目尻はシュッと切れ長で………」



お母様のイケメントークは止まらない。私よりも、詳しいのではないだろうか。正直、その2人の名前を出されてクラスメイトなのにピンと来なかった。あぁ…、そう言えばなんかみんな一条くんと、朝比奈くんてかっこいいよねぇ〜!!ってお喋りしてるの聞いたような気がするくらい。あれ、どんな子達だっけ…?

女子て、イケメン好きだよね。お母様もイケメン好きなんだろうなぁ…。最近私のオタ活の影響かたまに隠れて男性アイドルのライブ動画とか見てたりするし、何よりお父様自身が醤油顔のイケメンだしなぁ。


私はそんなイケメンとか興味ないなぁ〜。前世もアイドルやってて恋愛禁止とかで、そういう機会もなかったていうのもある。いまは可愛い女の子のアイドル見てる方が癒されるしね。それに私はいくら明るくなったと言ってもそれは家の中だけの内弁慶な訳で、学校や外ではあまり人見知りはなおっていない。そう、だから私はコミュ障すぎて入学から半年以上経ったのに学校でもまだそこまで馴染めていない。一応、グループみたいなのにはきちんと所属できてるけど、すっごく仲良いかというと微妙…。なんかうわべって感じして、それに合わせようと神経すり減らしてる感がハンパない。女子の人間関係て、小学生ですらこんなに難しかったけー?!!女子の友達とすら、うまくいってないのにクラスのイケメンにまで目を配る余裕はないな…。




はぁ…。私はそんな疲弊する日々を学校からすぐ一目散に帰って、アイドルタイム(自分の部屋で、タブレットでアイドルの動画を見漁る時間)で癒している。私、来れなかったら生きてけないわ、まじ。この時間の為に生きてると言っても過言ではない。あまりに動画見すぎて、タブレット1日1時間になったのだけど。




そして、そんな私にうすうす両親も気づいているのだろう。毎日、今日は学校どうだったと聞かれるけど、その先はあえて求められない。そりゃそうか、小1の娘が自分から友達の話はおろか、遊びに行ったり、家に誘ったりせず1人でずっとタブレット見てたら勘付くか。もともと、私は人見知りが激しすぎて心配されてたし。



お母様のイケメントークもきっと私に気を遣ってくれてるのかなぁ。いい両親に囲まれて本当に良かったよ。



「それでね!!この間来た宅配のお兄さんもすっごくステキで〜!!…」



そんなこともないな、これ。








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