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ラストダンジョンに登場する雑魚モンスター『ヘルライダー』になっていた。魔王のお手伝いをすることになった  作者: 愛原ひかな
第2章

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隣国で今夜の宿を探す


「宿屋、ほんと何処だろう?」


「あんまり張り詰めすぎると、頭がパーとしちゃいますヨ?」


「それもそうか。……歩きながらでも、雑談くらいはできるし」


「雑談デスか……。そういえばオオスギさんは、アナスタシアのことを調べているのデス?」


「そうだな、ヨミルの目的を果たす為だし」


「今朝方、ヒュドも言われましたわ……魔王様がアナスタシアの墓石を探したいって。でも先にお誘いがあったのか、地の四天王がいるとされるダンジョンへ出掛けてしまいまシタ」


「そのダンジョンはギルドが本格的に探索に乗り出しているから、ヨミルはそこに加勢する形なんだろうけど。メリットとかあるのか?」


「そこは魔王様に任せっきりでも大丈夫なのデス。魔王様はお強いですし……もしかしたらギルドの戦力をみるためかもしれませんけど」


「ギルドの戦力か……魔王城でのことは、俺が加担して削ぎ落としたことになっていそうだが……」


「……?」


「勇者パーティーのことだよ」


「あぁ、あのことか……。こちらの私室へ送られてきた時はたしかに美味しそうだっタワ」


「その話は遠慮させてほしい」


「あら残念デス。それはそうと……オオスギさんは、ちゃんとお宿を探していますカネ?」


 そのような言葉がヒュドラトの口から出てきたのは、街を歩きはじめて早五分といったところだった。


 夜の街といっても、街灯があり比較的明るいので、大杉が迷子になることはなさそうである。


 なので、ただひたすらに宿を探す。大杉はヒュドラトの独り言には気にせず、探し続けるしかないと思っていた。


「土地勘がないからでしょうか……オオスギさんが宿を探しているようにみえないのは気のせいデス……?」


 十五分が経過した。ヒュドラトは不思議がる。


 大杉はすぐに反論したくなった。


「ちゃんと探しているからっ!」


 結局それしか言えなかったけど、他の言葉が容易く出てくる訳でもなかった。


 大杉は努力したけど報われなかっただけだと、必死に弁解する。


「そこの角を右に。目の前に大きな宿があります」


 ヒュドラトが大杉の腕を掴むと、大杉の両足が引きずられるような速さで引っ張られていった。


「うぉぉおおお……?」


「新入りさんが変な声を出すとは、まだまだ実力が足りませんヨ」


「しれっと俺を煽ってる……!?」


「それは気のせいデス、あともう着きましたヨ?」


 ヒュドラトが足を止めた頃には、大きなホテルのフロントにたどり着いていた。


「ここは……」

 大杉が周囲を見渡すと、とにかくだだっ広いことがよくわかった。


「ホテル、ウイングベル。風の精霊が営んでいるとされる有名な宿場デスね。今夜はここに泊まりマス」


「ここに泊まれる、か……。俺たち、予約とかないけど、いきなりで大丈夫なのか?」


「ここのホテルの部屋は精霊界に繋がっているので実質無限にあります、なので予約なしで泊まれますよ?」


「部屋が無限にあるのか……!?」


「そうですヨ〜!」


 口が軽くなったヒュドラトは、このホテルのことをよく知っていた。


 まずは建設された年月を聞かされた。だいたい50年くらい。


 次に利用者の割合。実力がある冒険者が多い。


 そして、オーナーのこと。


 精霊姫と呼ばれるお偉いさんに服従する者が、このホテルの管理をしているとのこと。


「でも、この場でのお喋りはほどほどにしないとネ……!」


 口を慎むヒュドラトは、なんの迷いもなく受付のテーブルへと向かっていった。


「……ふぅ。部屋ではゆっくり休みたいが、そうならないだろうな」


 これから魔王との相談が行われるであろうことを察した大杉は、ヒュドラトについて行く。


 ホテルのチェックインは、想像以上に早く終わっていたのである。


 か弱い見た目をしている白髪の妖精が受付のテーブルから出てきて、部屋までの案内を行う。


 その妖精の身長は、大杉の三分の二程度。


 ヒュドラトよりも小さいということもあってか、ホテルの通路の様子がよくみえていた。


お読みいただき、ありがとうございます。

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