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Marker Which Puppet Sent   作者: カトウ
Prologue
2/7

リアル過ぎる人形

今回は茜さんが一行しか出ません。茜さんすみませんでした。そして来話から当分でないでしょう。

 「なん、だこれ」目の前にはおよそ人が創り出したとは思えない何かがあった

まともな人ならここに耐えられる訳がない。そして僕は普通の人間だ…


―夢を見た。僕がもう一人いて、死んだ筈の妹と話している。僕は僕を殴ろうとしたが、もう一人の僕が君は偽者なんだと言う。僕は不快に思ったが大人しく眺めていた―


 「う、ん。ふぁ~、もう朝か。」どうしてだろう。昨日は早く寝たのに身体が痛い

 「なんか、朝ご飯作るのも面倒だな」そう言って栞は軋むアパートの扉を開けた

 「おはよう栞君」

 「ふむ、何処からか声が聞こえるぞ。これは雀の声か?いやいや、雀はもっとか細く鳴くもの。では何だ?これはきっとカラスの声。いや、カラスは日暮れに鳴くもの。では何だ?ああ、これは…」

 「雀でもカラスでもましてカッコウでもホトトギスでもない。妾は人だぞ」 「ああ、綾式さん、居たんですか。」

 「わざとやっておらぬか?」綾式がクリクリした目で見つめてくる

 「これから朝ご飯を食べに行くんですけど、綾式さんもどうです?」

 「朝ご飯?もう昼ではないか。出勤時間をとうに過ぎているので迎えに来たぞ。さぁ、妾についてくるのだ」出勤?昼?

 「ちょっと待って下さい。僕と綾式さんには認識の相違があるようです」

 「まず、一つ。出勤って何ですか?」

 「昨日栞が印を押した契約書に書いておいただろう。そして出勤時間は朝の九時だ」 「わかりました。その点は僕の落ち度です」「では、昼って何ですか?まだ朝の十一時ですよ?九時に出勤ならいつ朝ご飯を食べるんですか」

 「栞、君はめんどくさいな。さあ行くぞ」キリキリと僕を引っ張る綾式。どこにこんな力があるのだろうか?そう言えば綾式は子供でないと言っていた。あれはどういう意味だろうか?

 アパートの前に唯一生えたコスモスに水をあげていた茜さんが「いってら~」と手を振っている

 「ほら、さっさと行くぞ!」急かす綾式。また今度聞こう


 電車に乗って都心へ向かうこと30分。既に出勤中に見える人はいない。もっとも僕達もそうは見えないだろうが。僕は灰色のパーカー、綾式は黒いドレスを着ている。

 「次で降りるぞ」綾式は口調は変だが他は普通の女の子だ。

 駅を降りると周りは背の高いビルがニョキニョキ生えている。その隙間を縫うように歩くと見た目汚い小さな二階建ての建物にたどり着いた。

 「綾式さん。いつもここにいるんですか?」

 「栞、綾式さんはやめて貰えないか?レナでいい」

 「えっと、じゃあ礼奈さん?」

 「見た目は汚いが中は清潔だ。一階は作業部屋、二階は妾の住居だ。」綾式はそう言うと階段を登って二階の扉の鍵を開ける。

 電気をつけると言った「二階へは階段を登るしかない。一階の作業部屋の入り口もさっき見たとおり階段の真下にある。一階からは地下の部屋に入ることが出来るが、倉庫だか絶対に開けるな」

 「ええ、それで僕は何をすれば良いんですか?」 「栞は私に美味い菓子と美味い茶を出せ。それに接客も頼む」

 「こんな所にお客も来るんですね」正直危ない宗教団が箒に跨がってキャンプファイアーでもやってそうな雰囲気だ。

 「うむ、妾の人形がそれだけ魅力的と言うことだな」「二階はもう良いだろう?次は一階だ」つばを飲み込む


 「さあ、ここが妾の仕事場だ」綾式が扉を開け放つ。僕は目を疑った

 鼻につくツンとした薬品の匂い。肌寒いくらいの室温。ここがいつも凛と張り詰めている事がわかる。しかし一番に驚くのは彼女が作ったと言う精巧すぎる人型の何か、これがその人形だと言うことに気がつくのに数分を要した 「まあ、妾が作る人形には脳と心臓が入っていないのでな、張りぼての様なものだ」近くにいる金髪の女性をつつきながら言う

 「だが、こんな張りぼてでも買っていく人はいるのだ。何に使うか知らないがな」 「どうだ?魅力的だろう」少女は真っ直ぐにこちらを見つめる

 「…礼奈さん、契約は破棄です」

 「一日も経ってないのに退職するのか?」綾式が謎の魅惑的な笑いを浮かべながら訪ねる

 「一日も早く」石川君なる者が消えた訳がわかった。

 「そうか、栞にはここが合っていると思ったのだがな」そんな筈ない

 「良いだろう、明日からは出勤しなくていい。来たくなったらいつでも来い」

 口元に笑みを浮かべる彼女が憎らしく思えた


 今日もアパートに朝がやって来た。今日は身体が軽い。冬の凛とした空気が清々しい。アパートの前の庭でも手入れしようかしら?そんな寝ぼけた事を考えていると、隣に住む管理人の久保田さんが「おはよう」と挨拶をくれた

 「おはようございます」

 「朝っぱらから悪いんだけど、栞君、先月の家賃いつ返してくれるの?まだ3万残ってるじゃないか。」ぅげっ!

 「あ、えっと、今手持ちがないのでもう少し…来週には必ず」

 「来週って言ったら今月の支払日じゃないか。まったく、こういう所でしっかりやらないと駄目じゃないか。しっかり稼いで両親を安心させなきゃ」「はぁ」

 「それはそうと、栞君最近家に帰ってないんじゃないか?」よけいなお世話だ

 「たまには顔出さないと心配するよ」またそれか

 「はぁ、そう言うものですかねぇ」

 「そう言うもん。妹さんだってもう直ぐ高校生だろ?会いにいっといでよ」そう言えば、そうだな

 「ついでに仕送りの無心でもして来てくれると延滞がなくなって叔父さんもハッピーなんだけど」「ははは、さっきは働け。今度は仕送りですか」

 「こっちも生活かかってるからね~」ニヤケるな!

 「そうですね、新年ですし来月帰りますか」「じゃあ宜しく頼むよ」

 余計なお世話だとは思ったが長いこと実家に帰っていないのも事実、久々に妹の顔でも見に行くか、と思ったのだ。


 流石に茶畑、急な坂道をハアハア登っていると下から登ってきた軽トラに声をかけられた。

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