↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せっかく勇者に転生したのだから、さくっと魔王を倒してあとはハーレムを作りたい  作者: naomikoryo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/65

第1話 勇者ガチャSSS

山崎隼人は死んだ。

朝の通学途中だった。

コンビニで新発売のカップ焼きそばを買い、上機嫌で学校へ向かっていた時のことである。

(今日は昼飯が楽しみだな。)

(絶対うまいやつだろこれ。)

そんなことを考えていた次の瞬間。

けたたましいクラクションが鳴り響いた。

振り返った視界いっぱいに大型トラックが迫り、何かを考える暇もなく衝撃が全身を貫いた。

そこで記憶は途切れている。


◆◇◆


気が付くと、真っ白な空間に立っていた。

床も白。

壁も白。

天井すら見えない。

ただ白だけが果てしなく続いている。

ハヤトはしばらく周囲を見回した後、小さく首を傾げた。

ハヤト:「……ここどこだ?」

ハヤト:「病院じゃないよな?」

ハヤト:「ていうか俺、生きてるのか?」

返事はない。

静寂だけが広がっていた。

ハヤトが不安になり始めたその時だった。

目の前に淡い光が現れた。

無数の光粒が集まり、やがて人の形を作り上げていく。

そして現れたのは、一人の女性だった。

銀色の長い髪。

透き通るような白い肌。

宝石のような青い瞳。

思わず息を呑むほど美しい女性だった。

ハヤトは数秒ほど見惚れた後、慌てて咳払いした。

(落ち着け俺。)

(第一印象は大事だ。)

(こういう時は余裕のある男を演出するんだ。)

ハヤト:「初めまして!」

ハヤト:「もし独身ならお付き合いを前提に仲良くなりませんか!」

女性は美しい顔をわずかに引きつらせた。

女神:「死んだ直後にナンパする人を初めて見ました。」

ハヤト:「やっぱり死んでるんですか俺!?」


◆◇◆


十分後。

ハヤトは大まかな事情を聞き終えていた。

目の前の女性は女神エルフェリア。

そして自分は交通事故で死亡したらしい。

そこまではいい。

問題はこの後だった。

女神:「あなたには異世界へ行っていただきます。」

ハヤト:「ほう。」

女神:「現在その世界では魔王が勢力を拡大しています。」

ハヤト:「なるほど。」

女神:「そして勇者が必要です。」

ハヤト:「つまり?」

女神:「あなたが勇者です。」

ハヤトは真顔になった。

数秒考える。

そして。

ハヤト:「やります。」

女神:「即決ですね。」

ハヤト:「だって異世界ですよ?」

ハヤト:「勇者ですよ?」

ハヤト:「男なら一回は憧れるでしょう!」

女神:「そういうものですか。」

ハヤト:「そういうものです!」

勢いよく答えるハヤトを見ながら、女神はどこか疲れたように息を吐いた。

女神:「ちなみに理由はそれだけですか?」

ハヤトは満面の笑みを浮かべた。

ハヤト:「あとモテそうです!」

女神:「やっぱりそれですか。」


◆◇◆


女神が指を鳴らすと、目の前に半透明の光の板が現れた。

ハヤトは思わず前のめりになる。

ハヤト:「おおっ!」

ハヤト:「ステータスだ!」


――――――――

 名前:ハヤト

 職業:勇者

 レベル:1

 筋力:SS

 魔力:SS

 敏捷:SS

 幸運:SSS

 固有スキル

 ・勇者補正

 ・全属性適性

 ・成長加速

 ・状態異常無効

 ・言語理解

――――――――


ハヤトは三回見直した。

そしてもう一回見直した。

ハヤト:「強くない?」

女神:「勇者ですから。」

ハヤト:「いやいや。」

ハヤト:「レベル1ですよ?」

ハヤト:「もうラスボス倒せません?」

女神:「倒せません。」

ハヤト:「じゃあ中ボスは?」

女神:「無理です。」

ハヤト:「魔王軍の雑兵なら?」

女神:「それなら大丈夫でしょう。」

ハヤトは少し考えた。

そしてニヤリと笑う。

(勝ったな。)

(勇者だし。)

(チートだし。)

(異世界だし。)

(絶対モテる。)

(人生大逆転じゃん。)


◆◇◆


やがて転移の時間が訪れた。

ハヤトの身体が光に包まれる。

女神はそんな彼を見つめながら静かに言った。

女神:「最後に一つだけ。」

ハヤト:「何ですか?」

女神:「あなたはきっと、自分で思っているより優しい人です。」

ハヤト:「初めて言われました。」

女神:「ですから、後悔しない選択をしてください。」

ハヤト:「よく分かりませんけど。」

ハヤト:「頑張ります!」

女神は小さく微笑んだ。

女神:「ええ。」

女神:「行ってらっしゃい。」


◆◇◆


次の瞬間。

眩しい光の中からハヤトは石造りの巨大な部屋へと降り立った。

床には巨大な魔法陣。

周囲にはローブ姿の魔導師たち。

さらに奥には鎧を着た騎士たちがずらりと並んでいる。

まさに異世界の勇者召喚そのものだった。

(うおおおお……。)

(本物じゃん。)

(俺、本当に異世界来たんだ。)

感動に震えるハヤトの前へ、一人の老人が歩み出た。

豪華な王冠を被り、深紅のマントを羽織っている。

誰が見ても王様だった。

国王:「勇者よ。」

国王:「よくぞ参られた。」

ハヤト:「どうも!」

緊張感のない返事に騎士たちがざわつく。

その時だった。

国王の隣に立つ少女が目に入った。

長い翡翠色の髪。

整った顔立ち。

透き通るような白い肌。

そして凛とした気品。

ハヤトは完全に見惚れた。

(やばい。)

(めちゃくちゃ可愛い。)

(王女様かな?)

(異世界レベル高すぎない?)

国王:「こちらは娘のリーフィアだ。」

リーフィア:「初めまして。」

リーフィア:「リーフィアと申します。」

ハヤト:(声まで可愛い……。)


◆◇◆


その後、魔王についての説明や今後の方針について話が進んだ。

だがハヤトの頭には半分も入ってこなかった。

なぜなら。

(王女様美人だな。)

(いや落ち着け俺。)

(まずは勇者として実績を作るんだ。)

(それから自然な感じで仲良くなれば……。)

そんなことばかり考えていたからである。

やがて国王が話を締めくくった。

国王:「何か質問はあるか?」

ハヤトは勢いよく手を挙げた。

ハヤト:「あります!」

国王:「申してみよ。」

ハヤト:「魔王を倒したら、美人のお嫁さんを紹介してもらえますか!?」

しんと静まり返った。

魔導師も。

騎士も。

貴族も。

全員が固まっている。

ハヤトだけが状況を理解していなかった。

(え?)

(そんな変なこと言った?)

やがてリーフィアが額を押さえながら口を開く。

リーフィア:「お父様。」

国王:「うむ。」

リーフィア:「とんでもない勇者を召喚してしまいましたわ……。」


こうして。

異世界初日から勇者ハヤトは、王城中を頭痛にさせる存在となったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。