閑話 緑の勇者とラオネの町のギルドマスター
勇者の剣と勇者の盾
ディーネさんが攻略の幼女から連絡を受けて私たちはグランドツール共和国の獣人領のラオネの町へと向かうことになりました。
グランホーク王国からグランドツール共和国までは転移門を使って長距離移動を行います。
そこから獣人領の中央都市ジアルジュという所まで飛竜に乗って行き、定期便でラオネの町まで十日使っている長旅です。
実際に大変なのは定期便の馬車だけであって転移門が何度も利用していますが、一瞬で長距離を移動出来る手段は元の世界にもありませんね。
転移門で行ける場所が限られている点を除けば、凄く便利な技術と言わざるを得ないです。
転移門は世界に五ヵ所にしか設置されていませんが、南極に位置するグランドワール王国と北極に位置するグランホーク王国間を一瞬で移動出来る技術だからです。
南極や北極というのはこの世界での位置関係の例えであって元の世界のような極寒の地ではありません。
空を飛ぶ飛竜と呼ばれるモンスターで移動するのは怖かったです。
機内にいるだけで安全に運んで貰える飛行機と違ってモンスターの背に小型の箱のような座席と飛竜が人が入れるぐらいの大き目の箱を持ち運ぶというのですから恐怖でしかありません。
モンスターの機嫌を損ねたらと思うと私たちは空中から地面に衝突して亡くなってしまうのではないかと心配以上に恐怖でもありました。
転移門を色んな国の色んな場所に設置すれば移動が凄く便利になるのに・・・
ラオネの町に定期便の馬車で到着しました。
ディーネさんからは私たちは攻略の幼女がに伝手があるということは秘密することやもし言質を取られそうな時は断言しないようにということに念を押されました。
攻略の幼女ってあの赤髪で大きなおっぱいを持つ小さな女の子だったはず。
小学生のような見た目でアズアン聖神国では禁忌に触れそうな大きなおっぱいを持つ冒険者って印象しかないけど、何故か勇者である私と繋がりがあることを秘密にしたいってことだけは分かった気がする。
ラオネの町の冒険者ギルドのギルドマスターに面会を求めます。
ギルドマスターは身体の大きなクマの獣人で、元獣王でライアンという名前だそうです。
ディーネさんとは面識はあるらしく親しげにお話してました。
私が緑の勇者であることを名乗るとライアンさんは少し驚いたような感じでしたが、勇者には伝えたいことがあるとライアンさんの方から申し出て貰えました。
ディーネさんからは「勇者の剣」と「勇者の盾」の情報を持っているとだけしか知らなかったのでどうやって、その話題に触れようか思案中だったのですが、ライアンさんの方から求めている情報のお話を聞けそうで助かりました。
ライアン:
俺がこのラオネの町の冒険者ギルドのギルドマスターをしているライアンという者だ。
それで、あなたは緑の勇者様の欄さんで良かったのか?
蘭:
はい。皆さんからは緑の勇者と呼ばれています。
勇者専用の装備を纏えば信じて貰えますか?
ライアン:
そこまでしなくても大丈夫だ。
緑の勇者様には「勇者の剣」「勇者の盾」について知っていて貰いたいんだ。
ランクSと呼ばれるダンジョンの一番下の階層=最深層と呼ばれるようになった階層の一番奥に勇者の剣という武器と勇者の盾という防具があるらしい。
勇者という名が付く武器や防具だから緑の勇者様には知っていて欲しいんだ。
蘭:
その情報はどこから入手したのでしょうか?
エルフル遺跡群のランクSを攻略した攻略の幼女からの情報でしょうか?
ライアン:
確かに、攻略の幼女以外の冒険者が最深層に辿り着いた事実はない。
だが、何処かのランクSの一番深い所に勇者の名がつく剣と盾があるのは間違いない。
そう断言出来るのは俺の古い友人のスキルから得た内容だからだ。
蘭:
そのスキルというのは?
ライアン:
どんなスキル名だったのかやどんなスキルなのかまで本人さえも分からない。
ある時、急に思い出したように不思議なことを言うんだ。
その不思議なことに最初は俺たちも戸惑っていたが、ある時それが事実であることを知ったんだ。
これまでにも色んな不思議なことを言ったが事実であることの検証は出来た。
「勇者の剣と勇者の盾が最難関ダンジョンの奥深くで勇者を待っている」という言葉だけが事実かどうか確認出来ていない。
蘭:
最難関ダンジョンというのはランクSのことですか?
ライアン:
たぶんだが、ランクSのことだろうとは思っている。
ランクSの中で最難関なダンジョンかもしれない。
いつも具体的な内容ではなく僅かに抽象的な言い方なんだ。
だから、勇者を待っているという内容から緑の勇者様に必要な情報だと思うから伝えたんだ。
蘭:
本人の意思とは関係なく働くスキルですか。
少々、面倒なスキルのようですね。
私がその最難関とやらに行けるなら勇者の剣と勇者の盾を手に入れてみようと思います。
こんな貴重な情報を頂き、ありがとうございました。
ラオネの待ちの冒険者ギルドを出てグランホーク王国に戻ります。
ディーネさんの転移という魔法があるので戻る時は一瞬で戻ることが出来ます。
転移は何処へでも行ける訳ではなく、予め転移ポイントを設置してある所へ移動が可能になる魔法。
グランホーク王国に私たち専用の用意された部屋とグランドツール共和国の賢者の一族の屋敷に設置してあるそうです。
パルチ山のダンジョンで捕らわれてしまった時は転移は使えないように封じられてたことと一度に四~五人ぐらいしか運べないのでランクSでは使えなかったこと。
それに転移ポイントの予備がないのでダンジョンから戻ることは出来ますが、ダンジョン内に再度戻ることは出来ません。
仮に、私たちがダンジョンから地上に戻れても、その場に残された私と一緒に行動していた冒険者さんたちを救出出来る訳ではありません。
ディーネさんが使える転移は戻る時にしか使えないのです。
ハイグレード豊国へディーネさんが向かった時も新たな転移ポイントを貰ったそうで、その転移ポイントのお陰でグランホーク王国へと転移で戻れるのです。
ギルドマスターのライアンさんが言われていた「最難関ダンジョン」についての情報を集めてみようと思います。
また、ダンジョンを探索することになりそうですが、今の私はあれからレベルアップしているし、以前の私よりも十分強くなったと自負しているので今度は遅れを取らないように心がけようと思います。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




