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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第一章 少女の目覚め

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第11話 不安と疑問と決断する私

決断の時です

 このまま、私がスキル:クラスチェンジを使わなければ私たちは全滅してしまいそうです。


 もし、クラスチェンジして勇者や聖女の力を使えば、この窮地から抜け出せるかもしれません。

 でも、窮地を抜け出せなかったら? という不安とスキル:クラスチェンジは知られても良いのだろうかという疑問も残ります。


 神の恩恵(ステータス)でスキル:クラスチェンジを授かりましたが、スキルの存在を確認出来たのは私だけです。

 どうして、このスキルを秘密にしなければならないのか何度も何度も考えたけど私には結論は出なかったのです。


 物語の主人公なら、例え秘密にしなければならない事柄があっても、窮地になれば全力で仲間を助けると思います。

 「あれ~? 俺、何かやらかしちゃいました~?」なんて言葉で笑って誤魔化すと思います。


 それを仲間たちも笑って迎え入れます。

これが私だったら、仲間たちは同じように私を受け入れて貰えるでしょうか?


ジン:

カスミ!俺たちを置いてお前だけでも良いから逃げろ。

そして、村の大人たちにこのことを伝えてくれ。


 ジンくんはそうは言っても仲間を見殺しには出来ない私がいます。

ここで私が逃げると、おそらく皆は殺されてしまうでしょう。


 (そんなのは嫌だ。)


ジン:

カスミ。早く行け。

もう耐えきれ・・・ぐわあぁあぁぁぁあー


 何かを言いかけたジンくんもモンスターの攻撃を剣で捌き切れずに吹き飛ばされてしまいます。

 その先にある木に衝突した拍子に気絶してしまいました。


 レイラちゃん、ライムくん、ジンくんは気絶してしまっているようです。

今後の状況を誰も知る良しもないことを悟ると、私は急いでスキル:クラスチェンジに鑑定を使います。


 スキル:【クラスチェンジ】

 クラスチェンジ候補のクラスにクラスチェンジ出来る。

 現在、クラスチェンジ可能:【聖女】【勇者】


 【聖女】

 最上位クラス。【聖なる癒しの力】を以って負傷した者に癒しの力を与える。

 異世界の魂を持つ者限定。女性限定。スキル:聖なる癒しの力、祝福


 【勇者】

 最上位クラス。【聖なる勇気の力】を以って窮地を脱出する力を発揮する。

 異世界の魂を持つ者限定。スキル:聖なる勇気の力、剣技レベル10、迅雷


 私はこの場のモンスターを倒すための勇者の力を求め、スキル:クラスチェンジを使います。

 すると目の前に透明なボードみたいな物が現れ、クラスチェンジ先の「勇者」「聖女」という二つのクラスを選択出来るようでした。


 目の前の透明なボードの「勇者」の項目をタッチすると「勇者へとクラスチェンジを開始します」というメッセージが画面に表示されると目の前が急に眩しく光ります。


 私は恐る恐る自身の様子を確かめると、右手には光輝く剣と身体には光輝く鎧を纏った男性になっていました。いつもよりも目線の高さが違うし、身体の感覚には何故か馴染みがあります。


 それもそのはずです。

元の世界での僕(山木新太郎)の身体だからです。

 

 どういう理由かは分からないですが、私(カスミール)が僕(山木新太郎)になったことを自然に自覚出来ました。

 それと同時に今まで私では感じることが出来なかった私の中に存在する凄く大きな力も感じることが出来ました。


 ジンくん達が言うのは大人の冒険者たちでも太刀打ち出来ない強いモンスターだから、勇者の力を使ってでも全力で戦うしかありません。悪即斬です(たぶん)


 私は全力で光輝く剣を振います。


カスミ:

えっ?


 その振るった剣圧は付近の木々をなぎ倒し、強敵だったモンスターは一瞬にして消え去ります。

 モンスターが居たと思われる場所には、これまでの人生で見たこともない大きさの魔石と凄く豪華な黒虎ブラックタイガーの毛皮と二本の尻尾が落ちていました。


カスミ:

あっ。やばっ


 そう思った時には既に遅かったのです。

咄嗟にアイテムポーチにドロップアイテムと魔石を入れ証拠を隠します。

 証拠を隠した頃には、いつの間にか光輝く剣と鎧は消えていました。


 次はスキル:クラスチェンジを使って聖女に就いて皆を回復させて助けます。

先程の透明なボードが目の前に現れ、今度は「聖女」の項目にタッチし聖女にクラスチェンジします。


 聖女の方の容姿はかなりヤバかったです。

私の身体が小さいからか、金髪縦ロールの巨乳の女性だけど身体全体の感覚がおかしいです。


 これではロリ巨乳の幼女そのものではないでしょうか。

神々しいローブを纏って右手には光り輝く杖を持った小さくて幼い金髪の聖女の出来上がりです。


 今の聖女の姿は、カスミールの姿とは全くの別人にしか見えないです。

私は両膝をついて、両手を大きな胸の前で組んで神に祈ります。


カスミ:

神よ。私の願いを叶え給え! 【祝福】


 周囲をモンスターが寄せ付けない光の壁を作り仲間三人が全回復する私の知らないはずの神聖魔法の呪文を詠唱します。

  神々しい光が周囲を囲みそれが終えると役目を終えたとばかりに聖女の衣装(神々しいローブと光り輝く杖)は消えてしまいました。


 これまでの様子を見られないようにスキルを使って元の一般人へと戻って仲間が目覚めるのを傍で待ちました。

 クラスチェンジした時の勇者の力と聖女の力はヤバいと思いました。


 試にもう一度、スキル:クラスチェンジを使おうにも目の前に透明なボードは現れず、連続して聖女や勇者にはクラスチェンジは出来ないようでした。


 ピンチだったからこそクラスチェンジ出来たのかもしれません。

それとも、私のレベルや力が足りないなどのそれ以外の条件があって使えないのかもしれないと思いました。


 皆が目覚めて説明する時に、男女の冒険者があのモンスターを倒して皆を回復して去ったと私はウソを吐いてしまいました。


 危険なモンスターが居なくなったと言っても魔の森は危険な森です。


 聖女の力を使って全回復を祈ったのに、ライムくんの骨折やレイラちゃんの右腕の欠損は治っていませんでした。

 ライムくんは両手足を骨折しているのでジン君が背負って歩きます。


 レイラちゃんは右腕を欠損していますが、自力で歩けないことはなさそうなので自分で歩いて貰いました。

 不安な場所は私が少し肩を貸すぐらいで済みました。

 

 私たちは周囲を警戒しながらゆっくりと村へと帰りました。

村に無事に到着するとこの出来事を村の大人たちに報告すると村のみんなから凄く怒られたのと同時に無事で良かったと抱きしめられたのを覚えています。


 教会でレベルだけを確認して家路へと帰りました。


   カスミ:レベル10→レベル15

   レイラ:レベル10→レベル11

   ライム:レベル10→レベル11

    ジン:レベル10→レベル13


 黒虎ブラックタイガーの特殊個体から得た経験値はすごく多かったです。

それだけモンスターが強かったという証拠です。


 早々に、戦線を離脱したレイラちゃんとライムくんにはそれほどの経験値は入らなかったようです。

 最後まで戦った私とジンくんのレベルが高くなったのは仕方ないのです。


 通りすがりの男女の冒険者がドロップアイテムと魔石を報酬代わりに持って行ったと何とか誤魔化しました

 

 ちきんと誤魔化せたよね? と思う今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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