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ちっちゃな聖女は伝説の勇者様? ~TS勇者の異世界冒険禄~  作者: エグP
第一章 少女の目覚め

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第10話 絶体絶命のピンチ

注意)グロ表現があります。

 「ザッ」という草むらを何かが通り過ぎた音がしました。

私は何かに戦斧バトルアックスごと押されたような感覚を受けると同時に「キャッ」という声がしたと思うとドンという何かが衝突したような音も聞こえました。


 一体、何が起ったのか分かりませんでした。


 何かを銜えて虎か大きな猫と思われるモンスターが目の前に急に現れました。

モンスターの口元を良く見ると人の腕のような物でした。みんなが無事か急いで確認しました。


 モンスターが咥えていた物はレイラちゃんの右腕だった物のようです。

レイラちゃんはモンスターに襲われ右腕を食い千切られ、勢いそのままに薙ぎ払われ木へと吹き飛ばされていました。


 周囲は、ウサギの血とレイラちゃんの夥しい血でむせ返るような血の匂いが充満しています。

 肝心のレイラちゃんはというとかなりの勢いで衝突した木の元で動かなくなっています。


 私がいるここからだとレイラちゃんが生きているのか死んでいるのかまでは確認出来ませんでした。

 モンスターや木が私の視界を遮っているので、辛うじてレイラちゃんの姿が見えるぐらいです。


ライム:

あ、あ、あ、あ、あぁあぁ~。


 ライムくんが言葉にならない悲鳴のようなものを上げています。

モンスターは、威嚇&警戒しつつこちらの様子を伺っています。


 私には「お前たちは俺の獲物だ」とでも言いたげにニヤりと笑ったようにも見えました。

 後で知った話ですが、このモンスターは黒虎ブラックタイガーという脅威度Aのモンスターです。


 黒虎ブラックタイガーは身体(本体)は黒を基準に白の縞模様という黒い虎です。

尻尾が二本もあるのは稀で通常の固定と異なった強さを持つモンスターを特殊個体と呼ぶそうです。


 特殊個体は脅威度がアップします。

たぶん、脅威度A+と思われる個体です。


 こいつは、この魔の森の浅い所から深い所の境界付近の主のような存在で、村の狩猟団がメンバーの犠牲を出してしまったが右眼を奪うという手傷を負わせ何とか追い払えたほどの手強いモンスターだそうです。


 右眼を奪われたことで激しく人を恨んでいるそうで、レイラちゃんが行った【索敵サーチ】に反応して襲って来たのではないかと言われました。

 脅威度Aのモンスターは本来ならこんな所にはいないそうです。


 威嚇し警戒しながら私たちの周囲をゆっくりと歩き始めます。

「ヒィー」という悲鳴しか出ないライムくんは戦力的にもリーダーとしての機能は失せたと思います。


 ジンくんは、身体を半身にしてモンスターの動きに警戒し臨戦態勢を保っています。

 私も戦斧バトルアックスを構えてはいるが、モンスターの攻撃に反応出来るどうかは分からないとしか言いようがありません。


 モンスターは、レイラちゃんに続きライムくんまでも襲いました。

「ヒィー」という悲鳴しか出ないライムくんは腰を抜かしてしまって逃げることも出来ません。


 軽くと言って良いのか分からないが、ライムくんを甚振るように猫パンチが振るわれます。

 「ぐああああぁぁぁぁー」という大きな叫び声を上げたライムくんもレイラちゃんがいる方向とは違いますがあっけなく近くの木へと吹き飛ばされます。


 もちろんライムくんは無事な訳もなく、その手足は向いてならない方向へと折れ曲がっています。

 口元は血を吐いた様子も窺え、手足も骨折しているので意識を保っていられるのも時間の問題です。


 ジンくんと私は悔しそうに憎たらしくモンスターを見詰めます。

モンスターが更に動きます。次の狙いは私でした。


 私は咄嗟に戦斧バトルアックスを両手に持ち防御しようと構えますが、強い攻撃に耐えられる訳もなく簡単に吹き飛ばされてしまいます。

 運良く木に衝突することはなかったですが、戦斧バトルアックスを持つ両手が痺れてしまっています。


 これ程、強い衝撃を受けたのは初めてです。

村で行った模擬戦、ジンくんと行った訓練でもここまでの威力はありませんでした。


 ジンくんもモンスターに弄ばれるようになり私たちはどんどん窮地に陥ります。


 一度、人に右眼を奪われた経験からかやたらと警戒した様子が伺えます。

弱者であるはずの人の子供冒険者であっても侮ることなく警戒し続けています。


 私たちがスキを見せると攻撃して来る。

それまでは警戒するといった具合で強者が見せる警戒ではありません。


 余程、右眼を失った時が悔しかったのか。

子供に見えるからと言って侮ることなく警戒しているのかまでは分からないですが、私たちにはこの強者が見せるスキの無い警戒にどうすることも出来ませんでした。


 このままだと私たちは全滅するかもしれません。

戦闘不能になった生死不明なレイラちゃんと手足を骨折したライムくんの二人を連れてこの黒虎ブラックタイガーから逃げられるとは思えないからです。


 私とジンくんだけでも逃げることが出来たとしても、レイラちゃんとライムくんは殺されてしまうでしょう。

 仮に、黒虎ブラックタイガーが私かジンくんを追いかけて来たとしてもヤマギワ村までは遠いですし、助かるという保証はどこにもありません。


 ヘタをすれば、この状況よりも悪い状況に陥るかもしれません。

今は一体の黒虎ブラックタイガーですが、他にモンスターがいることを確認出来ていません。


 【索敵サーチ】を使えるレイラちゃんは生死不明で私とジンくんには索敵サーチは使えないです。

 逃げた先に先回りされるや逃げた先に別のモンスターがいるかもしれないと考えると逃げることも出来ないかもとより不安が襲い掛かってきます。


 このまま黒虎ブラックタイガーに全滅させられるかと思うと本当に悔しいです。

読んで頂きありがとうございますmm

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