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第54話

アサリご飯が炊きあがったため開店することとした。


『今から店を開きます、おひとり様一人前を基本とし、家族用も買いに来たって方もいると思いますのでおひとり2人前を上限とさせてもらいます、あと本日はお持ち帰りのみとさせていただきます、ご了承下さい』


キショウが前もって列を作るようにいってくれてたのか団子状だったお客は長蛇の列となっていた。

俺の説明を聞きみな人数もいることだしなと納得してくれ頷いている。


メニューも減らして限定的なものに変更した。

今日あるのはアサリご飯、アジフライ、キスの天ぷら、イカの天ぷら、エビ天ぷらのみとした。

料理時間短縮、メニューの説明を減らす為に数を減らしたく、アジの塩焼き、イカ&エビ&キスのフライは今回は止めにした。


手伝いが到着するまで受け付けをキショウ、料理をルカとサージャがメインとし俺はどちらにでも参加する遊撃体制で行くこととした。


俺は大きな板に取り扱うメニューを貼り付け店前に設置しお客にどんなものがあるか前もってみてもらうようにした。

本当はまったりメニュー見て決めてもらう予定だったがこの人数にそれは無理だ。


『それでは開店です』


初めてのお客さんが注文を開始する。

まさかの全部注文だ、キショウやタエさんみたくエビに躊躇していきなり注文来るとは思わなかったな。

俺も料理場へ移ったのだが、キショウから出されてくる注文を書いた紙には全て全注文と書かれてある・・・。

何故だ、何故ここまで躊躇がないんだ。


『あのー、たぶんですが王様の煽りがとても効いたんじゃないでしょうか?不定期開店で開祖様時代の海産食が安全に食べれて、そして今来ているお客の数、それだと今頼んでおかないと次はいつ食べれるのかは不明、ならとりあえず頼んでおいて食べるときに覚悟を決めればいいんですから』


俺の思案顔にルカがそう答えてくる。

なるほど、そういう風に考えれば納得いく現象ではあるな。

これはもう全員が全注文来ると考えて次々と揚げていった方がよさそうだ。


『じゃあちょっと変更するね、ルカはアジフライ、サージャはエビとイカの天ぷらを俺はキスの天ぷらをメインでやっていこう、キスの在庫が一番ないので俺はエビが終わり次第サージャのイカの天ぷらを受け持とう、そうやってうるうちに援軍もやってくるだろうし』


俺の案に二人とも頷き集中して揚げ物を仕上げていく。

1時間ほど延々とまったく休む間もなく火の元で揚げ物をしてくるとさすがに熱と油に参ってくる。


『お待たせしました、料理人、メイド、兵士を2人づつ借りてきました』


俺たちが待ち望んだ援軍を連れてタエさんが戻ってきた。


『では、メイドさんはキショウの援軍に兵士さんは店前の安全警護をお願いします』

『料理人さんは前城でやったアジフライはみてる方たちかな?』


と聞くと頷いたので


『ではルカと交代でアジフライをお願いします、ルカは休憩にはいってくれ、サージャは揚げ方の説明をしてやってくれ、それで交代だ、俺の交代はタエさん宜しくお願いします』


俺たちは交代して少し休憩は出来たが、メイドさんが参戦したことで注文数が増えたので、揚がったものを容器に移し客へもっていく作業をすることになり休憩は一瞬だった。

それでも火の元でないぶんかなり楽なほうだ。

援軍の方も慣れてきてローテンショしつつ捌いて来ていたのだが


『はじめ様、そろそろエビの在庫が切れそうです、のこり22尾です』


あーエビはそこまで人気来ないと思って天ぷら用に150尾しかって・・・・そうだ切れたならフライに切り替えればいいじゃないか・・・。

俺は冷凍庫からエビのフライ150尾を取り出してくる。


『天ぷら用が切れたらフライに切り替えます、切り替えたらアジフライとエビのフライを兼用にしてキスとイカの天ぷらを個別でやりましょう』


フライと天ぷらをわけないと鍋に落ちたパン粉が天ぷらについて美しくないし油の酸化速度も違う気がするんだよな。

俺はそのことをみんなに伝え、外の看板メニューも書き直していく。

それでも勢いは衰えることなく昼までにキスやイカもフライを投入し、アサリのご飯などは3回ほど炊き足した・・・・。


長蛇が長蛇を呼び昼すぎには揚げ物は全て完売し終了したかったのだが、アサリご飯なら炊けば提供出来る為、時間を決め炊飯ジャーを追加し何度も炊き足し提供を続けた。

そして閉店した時には援軍の方も含め疲れ切って死屍累々となった俺達が残るのだった。

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