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クール?な元・荷物持ち、念願のお掃除専門へ! 〜摩擦を消す生活魔法が便利すぎて、刺客もドラゴンも帰っていきました〜  作者: バーレイグ


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7/8

王宮の屋根掃除の時間かな?

ゼクスは紙吹雪の始末をしている最中に王宮の屋根が鳥のふんや雨のせいで汚くなっていることを町から遠視魔法を使い発見した。

ゼクスは次の日の朝、相変わらずの漆黒の髪と三白眼で衛兵に怯えられていた。

衛兵は、

「こいついつもに増して目がギンギンしてやがる。今回は誰を殺す気なんだ‥‥‥」

と思っていた。

しかし、ゼクスは(やったーーー!久しぶりに屋根の掃除ができるぞぉぉー!)

ということしか頭になかったのである。

♦︎

ゼクスは王宮の屋根の上に行く前に大広間を通ろうとしていたがあまりの汚さに先に大広間を掃除することにした。大広間の天井は埃にまみれていたが普通の人間の身長と箒では届かない。ゼクスは、

「ふむ、これはあの魔法の出番ですね。」

と呟き、

『反射率100%』

を大広間全体にかけた。この魔法は荷物持ち時代に鍛えたものである。

その後ゼクスは、「ふんっ!」といいつつ雑巾を広間に全力で投げつけた。

雑巾はガギィィィン!!と音を鳴らしつつ大広間全体を飛び回っている。

雑巾はゴム毬のように壁を跳ねながら部屋の埃を落としている。

ゼクスは、

「やはりお掃除は反射ですね」といいながら小刻みに首を縦に振っていた。

すると、その時まるで恋人のような魔王軍の暗殺部隊の男と勇者がやってきた。

この2人は学習し、ゼクスの周りに近づかないようにしていた。2人は

「「見つけたぞ諸悪の根源であるゼクスフェルトめがァァァァ。これでお前は何もできないだろ!!」」と叫び、2人同時にゼクスに向かって野球ボールぐらいの訓練ゴムボールを投げつけた。

しかし、ゴムボールはゼクスによって指パッチンで飛んで行った。

挙げ句の果てには跳ね返った後、2人組のことを跳ね返ったボールがボッコボッコにしていく。

大広間は一瞬にして「マッハで跳ね回り続けるゴム弾の弾幕地獄」と化した。

しかしゼクスは、頭の真横を時速数百キロで通り抜けるゴムを、真顔のまま「フッ」と首を数センチ傾けるだけで神回避。

手元に戻ってきた雑巾をナイスキャッチし、今度は別の壁へ投げつける余裕すらある。

「危ないですから、おもちゃのゴミはゴミ箱へ捨ててください」

一方、逃げ場のない勇者と暗殺者は大パニックだ。

「右から来るぞ!」

「後ろだ!」

と叫ぶ間もなく、自分たちが放ったゴムが、部屋中を跳ね回った勢いのまま、二人の背中、お尻、お腹を、ポコン! パカン! ポカポカンッ!!!と、コントのように小気味いいリズムでひたすらドタバタと殴り続ける。

当たっても死なないが、地味にめちゃくちゃ痛い。

「な、何だこの不規則なバウンドはぁぁぁ!?」

「ただのゴムなのに、音速を超えて跳ね返ってくるぞぉぉぉ!?」

「「なんでなんだ!!!なぜゼクスフェルトには当たらない!!」」と叫びながら最後にゴムボールによる金的をくらい、

「「がはぁ!!」」

と叫びながら倒れた。

数分後。

ピンボール状態がようやく収まり、部屋中の埃が綺麗に落ちきった大広間。

ゼクスは濡れた髪をクールにかき上げ、床で気絶している二人を三白眼で見下ろした。

「ふむ、さすがは勇者様御一行。お掃除の邪魔にならないよう、自ら進んで床の敷物マットになってくださるとは。素晴らしい心がけです。……さて、次は当初の目的通り、王宮の屋根でも磨きに行きましょうか」

元・荷物持ちの、クール?なプロ掃除人ゼクス。何も知らない彼の「徹底した清掃業務」は、新しいゴム弾バグを巻き散らしながら、今日もどこまでも加速していくのだった。


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