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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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103/103

エピローグ

 118番は海保への直通ダイヤルだ。

 「事故ですか?水難ですか?」(例)

 それはともかく、一等海上保安監・乙に昇進した神秀平はこの118ダイヤルの通信司令室の室長となった。この部署は夏場が忙しい。洋子は子育てに一区切りをつけて今は日大大学院に通いながら、スーパーのパートに出ている。

 長男の大樹は海上保安学校に合格し在学中。長女の礼子は防衛医科大学校に合格し、こちらも在学中。次男の健は高校を卒業して警視庁に入隊。警察学校に在学中。

 「我が家はどうして公務員が多い家系なの?」

 「じっちゃんの頃からだな。」

 「そうねお爺様は海上保安大学校を首席で卒業され、現場ではバリバリ働いていたみたいだし。」

 「サラリーマンも悪くはないけど、続かないんだよな。」

 「兄貴の言っている事すごく分かる。」

 「姉貴なんかもその口だろ?」

 「医師国家試験に受からないと階級無いけどね。」

 「健?私はあんたと違って成績優秀なの。知った様な口聞かないでよね?」

 「礼子は才色兼備だからモテまくりだし、言うこと無いよね?」

 「ちょっと、大樹兄さん?兄さんも姉貴派かよ?」

 「どちらかと言えばね。実際受験してみて、分かるだろうが?」

 「確かに姉貴と比すれば、兄貴も俺も非力だよ?でも社会に必要とされていると言う点では、違いはない。」

 「まぁ、偉い偉くないの問題じゃないんだよ健。公務員ってのはなどれでも欠けてはならないワンピースなんだよ?」

 「確かに階級社会なのは確かだ。無視は出来ないリソースだ。」

 「不毛な議論をするな。それでも神家の血縁か?」

 「保大出の父さんにはわかんねーよ。」

 「仕方ねーさ。出来る人と出来ない人がいるのは確かだからな。それは世の常だ。別に出来ない奴を責めるつもりは毛頭無い。」

 「そう言うお父さんだってスランプがあったのよ?」

 「やめんか洋子!」

 「俺はじっちゃんの様にななれない。本当にじっちゃんはすごい人だった。」

 「神海人(じっちゃん)って言ったら、SST(ポセイドン部隊)の歴史の中でも英雄中の英雄だよ?」

 「あ!ノムケンさんてまだ生きてたよね?」

 「自称じっちゃんの右腕。」

 「秀平君?自称じゃなくてガチの右腕だから。」

 「ノムケンさん!?元気そうで何よりです。」

 「ったく、神家は教育がなってませんな。」

 「それより、ノムケンさんが家に来るなんて何か良い事ありました?」

 「ああ、実はな孫の広大が保大に合格してな。その報告だよ。」

 「スマホがこれだけ普及してるのに、アナログなんですね?」

 「秀平君、洋子さん。孫の事よろしく頼むな。」

 「そんな。別に直属の部下でも何でもありませんし。」

 「じゃあ、ま、そう言う事だから。」

 と言い90歳を越えた元気なご老人はタクシーに乗り込んだ。

 「ノムケンさんの噂はじっちゃんから聞いてたけど、自由奔放さは現役の時以上だな。」

 「まぁ、悪い人じゃあ無いんだけどね。」

 「それより、明日からの航海実習の準備しなくちゃ。」

 「もうしてあります。」

 「流石ママ(洋子)。抜け目がない。」

 神海人の孫である秀平もまた、立派な海上保安官になっていた。洋子はそれを縁の下から支え続けていた。

 終。

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