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「閉じ込めた『天竜?』は今どんな感じ?」
天竜に疑問符が付いているな。まぁ確かにアレは天竜とは言えない。
「収納内で暴れている。収納の内壁を壊してしまいそうだ」
「それ大丈夫なの?」
「接続を切っているからな、壊したとて何も無い空間に出るだけだ。ここには戻って来られない」
「……逃げちゃわない?」
「空気の無い場所でも生きられるならばそうだな」
「そのレベルで『何も無い』空間なんだ……?」
よって放置しておけば勝手に倒せるであろう。
――急いで倒すとモヤになって消えてしまうので、もう数分ほどダンジョン外である収納内にて活動してから力尽きていただきたいところ。私が爪を入手するにはそれしか方法が無いだろう。
「さて。次があると思うか?」
私の問い掛けに、帝王は少し驚いた表情をすると次に呆れたような溜め息をついた。
「はぁ……分かってないね……。天竜でもそこらのダンジョンでは生産できないくらいのとんでもない魔獣なんだよ? その4体特殊合成なんて無茶したら力尽きるに決まってるよ」
そうなのか? 知らんのだが。
まぁ確かに周囲の明度や噴水の勢いなどが元の水準に戻っている。
それはつまり節約をやめた――大型魔獣の生産を止めた――ということであろう。
「ふむ……ならば落ち着いたと見て良さそうだな。ギルドマスターに報告するとしよう」
「うん。よろしく」
見ると帝王は微笑みながら片手を挙げている。
……さては報告を任せてどこかに行くつもりだな。
「なんだ。もう行くのか?」
「いやぁ、仕事が溜まっててさ……」
せっかちかと思ったら可哀想な人だった。
帝王は大変だな……。
「そうか。体を壊さないようにな」
「完全回復薬があるから大丈夫!」
それは大丈夫ではないやつだな。
思わず眉を寄せた私の前から手を振りながら帝王が消える。恐らく都市門まで転移したのだろう。そのまま門の外に居る光帝を回収して帝国へ帰るに違いない。
――あちこち崩れてしまっている2階層への階段を眺める。
そのまま数分待ってみたが本当に次が出現する気配は無いようだ。……慎重すぎたか。
見ていると散乱した瓦礫が地面に呑み込まれるように消えていき、階段部分の損傷が修復されていく。
確か人が居る状態では改装が為されないはずだが修復は別なのか、それとも階段部分は別空間扱いか何かで特に制限が無いのか……。
――む。空間収納に落とした多頭竜が崩れ落ちたようだ。
死因は予想通り窒息である。消滅せずに体が残ってくれたので後で素材が取れるか試してみるとしよう。
よし。では都市門前広場へ行って完了報告をせねば。




