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「それで、どう動かれるご予定ですか?」
メリルは質問というよりも確認するのが目的のようだ。
私の性格を分かっているな。
「実は都市の外で頑張っている帝王と連携を取ることが決まっている。外と内に出現する魔獣をそれぞれ殲滅し、それらが出なくなるまで狩り尽くす予定だ」
「それは心強いですね」
メリルは嬉しそうに微笑んだ。
むう、帝王は人気があるな⋯⋯。
「じゃあポン様は中央ダンジョンを攻略する感じですかニャ?」
「いや、攻略まではしない予定だ。中央広場で様子見といったところか――と、いうのもだな。恐らく私は中央ダンジョンのコアから既に警戒されている可能性が高い」
「ポンさん⋯⋯。何やらかしたんですか⋯⋯?」
むむ⋯⋯!
フロッサよ。それは誤解だ。
「必要なことだったのだ。お前たちを取り返すためにだな――」
「私たちずっとここに居ましたよ?」
「いや、実は1時間ほど消えていたのだ。ダンジョンに取り込まれる形でな」
「えっ。こわっ。本当ですか!?」
私は頷く。
本人たちに実感が無いので少々説明が難しいな。
「先ほどまで、この場所には『南門』が形成されていた。代わりに孤児院は消滅し、それに伴いお前たちもダンジョン内の『インベントリ』という場所に格納されてしまっていたようなのだ」
「生き物が入れるインベントリ? 新しいですね⋯⋯」
インベントリは1種類しか私は知らんが⋯⋯。
フロッサの知識に似たようなものがあるのか一瞬で理解した様子。
他の者にも私の理解と同じく『倉庫みたいなもの』程度には伝わったようだ。
「――それで、どうやって取り返したんですか?」
「設備を元に戻したくなるよう、都市の南側で展開されていたダンジョン側の作戦を全部潰し、新造されたダンジョンも存在ごと消しておいた。――そうしたら狙い通り慌てて南門を閉じてくれたというわけだな」
「⋯⋯たった1時間で大暴れしてるじゃないですか。そりゃ警戒されますよ」
「私たちのためにそこまでしていただけて光栄です」
「怒らせたらダメなタイプニャ⋯⋯」
メリルですら感謝しているように見えて言外にやりすぎと言ってないだろうか。
むう、最善手だと思ったのだが⋯⋯。
そういえば帝王からも似たようなことを言われたような?
「――それはさておき。私はこれから中央広場に向かい大量発生が再発しないか見張る予定だ。もうここに危険が及ぶ可能性はほぼ無いとは思うが警戒だけはしておいてくれ」
全員が神妙そうな顔で頷く。
大量発生が再発するとすれば中央広場にある階段からのはずだ。
そこを押さえれば完封できるであろう。
しかし、これだけ色々と手を変え品を変え攻めてきていたダンジョンが、このまま大人しく事態を収めるとも思えない。
きっと中央広場で何かが起こるはずだ。
まずはトマス氏に会って情報共有だな。
そして冒険者ギルドの意向も加味しつつ動いた方が良いだろう。
それにしてもせっかく大量のスキルオーブを手に入れて来たというのに、中身を検める暇も無いとは非常に残念だ。後の楽しみに取っておくしか無いだろう。
面白そうなスキルがたくさん入っているといいのだが⋯⋯。




