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大型ダンジョン内に入ると、一般的な洞窟タイプの割にダンジョン内は珍しく照明が設置されていない様子であった。
私が発光しているせいで明かりには不自由していないのが幸いである。
――ダンジョンコアはどこだ?
どう考えても即席で作成されたダンジョンだ。内部構造は単純であろう。
某クラーケンダンジョンのように大部屋が1つあるだけで、奥にコアがある構造であると予測している。
見回すと、光の腕たちが文字通り手当たり次第に魔獣を消滅させている地獄絵図の向こうに、解放された状態の大きな扉が見えた。予想とは違いボス部屋のあるパターンだったか。
ダンジョン自体が大きいサイズのせいか、ボス部屋の扉も通常より更に大きいようだ。
出現する魔獣がボス級であるならば、そのダンジョンのボス部屋に居るのは果たしてどれほどの災厄なのだろうか――。
そう考えた次の瞬間には周囲の掃討を終えた光の腕たちがボス部屋内部に殺到していき、少しの手応えの後にボス部屋内部を暴れ回る感触が続く。
どうやらボスの討伐が完了したようだ。
情緒も身も蓋もないとは思うが、そういえば圧倒することが目的だったのでこのくらいで丁度いいだろう。
私もボス部屋に入ってみたが、撃破時に魔力石も砕いてしまったようで見当たらない。ボスが何だったのかは分からず仕舞いである。
そうこうしている内にコア部屋への入口を発見。
――と、いうよりボス部屋内を壊して回っている内に扉を粉砕したのか勝手に穴が空いたという表現が正しい。
光の腕を引っ込めつつ、扉周辺の壁を砕きながらコア部屋に突入すると、コア部屋自体は別に大きい部屋ではなかった。端に設置されているダンジョンコアも普通の大きさのようだ。魔王城のコアも大きくなかったので、そこはダンジョンの規模に比例しないのだろう。
では、特に感慨も無いので破壊してしまおう。
フロッサたちが取り込まれてしまったのは都市の中央ダンジョンである。
都市の外に新設されたこのダンジョンを破壊しても問題ないわけだ。
遠くから左手を振り抜きダンジョンコアを粉砕。そのまま再び放出する魔力の出力を上昇させ、ダンジョンそのものの破壊に移る。
――出現したダンジョン岩は除去できない。
この世界における常識である。
それらダンジョンの優位性、その常識ごと破壊してやろう。
出力をどんどん上げながらボス部屋へと舞い戻り中央へ。
機能を失ったダンジョンの天井に向けて破壊の奔流を打ち上げる。
高圧の魔力は容易く内部構造を粉砕しダンジョンの外殻部へ到達、そして空間の歪みに干渉し不自然に拡張された空間を強制的に是正する。
――硬いものを突き抜ける感覚。
恐らく外からは大型ダンジョンの中央から光の柱が立ち上ったように見えるであろう。
途端にダンジョン全体が軋み始めた。
外界と空間が結合されたことで、無理に拡張されていた歪みが元に戻ろうとしているのである。
しかし、最早全てを砕こうとしているのだから関係ない。
突き抜けた穴を広げていくついでに、ダンジョンの構造そのものを粉々にしていく。
噴き上がる光の柱が大型ダンジョンの幅と等しくなるのを確認し、私は『超新星』を解除した。全身を覆っていた圧迫感が消え、切り替えた視覚には陽光が戻ってくる。
――妙に静まり返ったダンジョン跡には、少し抉れてしまった街道が戻ってきていたのであった。




