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神域の扉より勢い良く噴出する光の奥から、柔らかく透き通った声が響く。
――信徒を失いながらも、神域全体に絶えず反響する揺らぎにより力を失うこともできず、永遠の孤独よりも私と共にあることを選んだ哀れな神性存在だ。
それにより私の寿命も無限になってしまったので道連れにされたという見方もできなくはない、ある意味永遠の友人である。
ちなみに神は繁殖をしないので性別も無い。当然、容貌は個々の趣味となるわけだが――不思議と女神型が多い。
《――ずっと見ておりました。其許は今、力を欲しますか?》
「相変わらず暇を持て余しているようだな。――無論だ。今回も頼む」
誰からも名を呼ばれなくなってしまった神は、私に向けて親愛の感情を少しだけ放出すると魔力の供給を開始した。
――供給される魔力の経路を確保し、がっちりと空間的に保持する。
――どんどんと供給される魔力を逆にこちらから吸い上げ、周囲にロスなく放出を開始する。
――高濃度の魔力により体表近辺の景色が歪み、不可視となり、ついには発光を始める。
これが、吸魔の奥義である『超新星』と呼ばれる状態だ。
光り輝く超高速かつ超高圧の魔力で全てをすり潰す力技である。
本来であれば自身の貯蔵魔力を全力消費する、どちらかと言うと命と引き換えになるような自爆技に近い代物なのだが、私にとってはこのようにいつでも使用できるものとなっている。
滞留した魔力が塗り潰している光の領域を、少しずつ拡大していく。
魔力の噴出する勢いで私の体が離陸し、空中高くへと運ばれていった。
――右手を振るう。
西側の小型魔獣たちが光の中に消滅する。
――左手を振るう。
東側から押し寄せていた小型魔獣たちが軒並み蒸発した。
うむ、運用に違和感などは無さそうである。
「それでは――行くぞ」
《ええ。気を付けて》
帝王たちを巻き込まぬよう少し前進してから本格的に発動を開始。
私の本気を見せてやろう⋯⋯!
――領域の膨張を続ける巨大な光の玉から、強く輝く光の腕を数本伸ばし周囲を薙ぎ払う。帝王と光帝が居る広場を除いた視界の半分が白光に消えた。
次が押し寄せてきていた小型魔獣も女王蟻もボストレントの残骸もまとめて全て粉砕し消滅。帝王への援護はこのくらいで充分であろう。
あとは自力で何とかできるはずだ。
後続を吐き出そうとしている大型ダンジョンに光の腕を伸ばす。
包み込むように多数伸ばされた腕たちは、大型ダンジョンから飛び出したばかりの女王蟻たちを蒸発させるとそのまま次々ダンジョンの入口に侵入、ダンジョン内部の清掃を開始した。
では私自身も突入を開始しようか。
全速で移動すると遠くに飛んで行ってしまうので加減しながら移動を始める。
気を付けたはずが結局凄まじい速度になってしまったのだが、逆にそれが幸いし少し幅が足りなかった入口を無理矢理通過することができた。
ダンジョン外壁を少し削ってしまったのはこの際気にしないものとする。
敵を圧倒せねばならないのだから――まぁ、このくらいのパフォーマンスは必要であろう⋯⋯そういうことにしておく。




