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中央ダンジョンのホールというべき最初の広場に戻ってきた。
大きなアーチをくぐると見覚えのある人が居る。
ちょうどいいので情報収集しようかと思ったら向こうの方も私に気付いたようだ。
「あっ! ランク7のポンさんですよね!? 良かったぁ⋯⋯無事だったんですね⋯⋯!」
その場でピョンと跳ねて嬉しそうにしたのは冒険者ギルドの受付カウンターに居た兎獣人である。
受付担当がこんな所に居るということは、冒険者ギルドは依頼の受付停止中ということだろう。やはり上でも何らかの異変があったようだ。
「うむ、トマス氏に依頼された中央ダンジョンの調査を終えて戻ってきたところだ」
「――中の様子はどうでした?」
「17階層から19階層にかけてオーガ兵の大量発生が起きていた。数は2千以上だ」
「ひえぇぇぇ! た、大変! マスターに報告しないと!?」
⋯⋯しまった。言い方を間違えたな。跳び上がって驚いてしまっている。
確かこの人はもう少し丁寧な対応をしてくれていたはずだが、きっとこちらの方が素なのだろう。
「落ち着いてくれ――倒してきたのでもう大丈夫だ」
「へっ⋯⋯? だ、だいじょうぶ⋯⋯?」
兎獣人は急に全身に水を浴びたかのように停止してしまった。これはこれで驚かせてしまったようだ。言葉は難しいな。
「ああ、全て倒したあと、異常の収束を確認しながら戻ってきた。中央ダンジョンの方はひとまず問題ないだろう」
「⋯⋯ちょ、ちょっとにわかには信じがたいですが分かりました。――今マスターがギルドの前に対策本部を設置していますのでご同行願えますか?」
おお、都市の方でも初動を始めていたか。頼りになるな。
設置が建物内でないのは収容人数の関係上だろうか?
どちらにせよギルドマスターの居場所が分かりやすいのはありがたい。私は頷いて一緒に歩きだした。
「ところで、都市の方でも何か異常が発生したりしているのか? 冒険者たちの姿が見えないが⋯⋯」
「はい。上級冒険者パーティーから大量発生の報告が入ったため、今中央ダンジョンは立ち入り禁止になっています」
あの肉好きパーティーは無事帰り着いたようだ。
⋯⋯おや?
「その割には先ほどすごく驚いていたな?」
「いえ⋯⋯数が想定の10倍ほどだったもので⋯⋯」
「なるほど。――他には何か起きていないか?」
「――起きています。そのため都市中の冒険者が中央ダンジョン前と都市門の2箇所に集められている状況なのですが――どちらも今のところは様子見が続いています」
「様子見? こちらは分かるが都市外の方はどんな状況だ?」
「都市周辺部の方も大量発生です。恐らく子ダンジョンで発生したものが都市の外壁に押し寄せてきているのですが⋯⋯」
おっと、結構大変な事態である。
ここは都市自体がダンジョンなので外壁が破られる心配は無い。
しかし逆に入口の門はダンジョンの入口のため人による操作を受け付けない。つまり開きっぱなしなのだ。様子見どころか激戦区のはずである。
「――とにかく今はギルドマスターのところに急ぎましょう。今の私よりも詳しい情報が集まっているはずです」
ずっとここに待機していたならそれもそうか。
では対策本部に急ぐとしよう。




