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――結論は出た。
急いでオーガを殲滅し次の事態に備えるべきだ。
まずは20階層のボス部屋が赤点滅状態かどうかを確認しよう。
20階層が平常運転ならば、更なる深層からの追加は無いと判断していいはずである。そのついでにオーガを殲滅すれば良いだろう。
そうと決まれば行動開始だ。
私は少し浮き、ただの広い空間と化している15階層のボス部屋を抜ける。
開きっぱなしになっている奥の扉をくぐり階段を滑るように降下した。
16階層は引き続き神殿内装のようだが、6階層の時のような薄暗くなるアレンジは施されていない。やはり雰囲気作りだったのだろう。
早速探知波を水平に放ち地図を作成して魔獣の分布を調べると、16階層はまだ大量発生の状態に無いようであった。
急ぎ移動して17階層へ。
同様に17階層を調べると、18階層への階段と目される位置を中心に大量の反応が返ってくる。17階層への進出が既に始まっているようだ。
――想定よりもペースが早い。
恐らくだが魔王城と同じく歴史のあるダンジョンだけに、魔獣を生産するためのリソースが多く貯蓄されていたのだろう。リソースの枯渇を懸念することなくフル稼働で生産しているに違いない。⋯⋯厄介だな。
先ほどのパーティーがどのくらいの時間をかけて逃亡していたかは分からないが、少なくとも順路をまっすぐ移動してきたはずだ。
その時間で生産したにしては18階層が既に埋まるほどの数というのはやはり多い――。
まずは17階層に居るオーガたちが散開する前に17階層を制圧してしまいたいところである。私は飛行の速度を少し上げた。探った順路をなぞるように飛び急行する。
目的の通路が視界に入ると、そこには意外な光景が展開されていた。
雑多に詰まっているものとばかり思っていたオーガ兵達が整然と待機しているのである。それどころか18階層から上がって来る後続のためにスペースを空け、空いた場所に階段を上ってきたオーガ兵達が次々と並んでいく。
⋯⋯タウロスとは比べものにならないほどに知能が高いようだ。そういえば王都を襲撃したオーガ達も何かの指示に従って河を泳ぎ王都に侵入を果たしていた。考えてみれば結構複雑な指示に従えるくらいの知能が無ければできない芸当である。
『タウロスと大して変わらない』というのは過小評価だったようだ。彼らが都市に溢れれば、その被害はタウロスの比ではないだろう。
「悪いが――ここで仕留めさせてもらうぞ」
飛行を続けながら雷撃魔術を両手に展開――。
発生した閃光に気付いたオーガ兵達がこちらを注視した次の瞬間、轟音と共に無数の光条が通路を貫く。
――多数の魔力石と光る玉が通路に転がった。
再度探知波を放ちながら最優先で階段へと突進し、階下へ向けてもう1発手加減無しの雷撃を打ち込む。
それにより階段に居たオーガ兵達も、対処の猶予を与えられることなく黒いモヤへと昇華していった。
よし――17階層の確保が完了。
なまじ知能が高く整列してくれていたおかげで、脇道を叩いて回る必要なく一網打尽にできたのはありがたい。18階層もこうだと助かるのだが⋯⋯。




