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14階層に降りると、気のせいか上の階層と雰囲気が違う。
苦労話を聞いた直後なので危ないような気になっているのかも知れない。とりあえず地図を作って確認してみるか⋯⋯。
慣れてきた手順で地図を作成し、ついでに階層内の魔獣分布を探ってみると13階層よりは多いが別に大量発生とは言えない程度だった。側に誰も居ない時で良かった⋯⋯「むっ、この雰囲気は!」などと格好付けていたら手遅れになっていたところである。危ない危ない。
階段の位置に目星を付け飛行を開始。
しばらく飛んで順路にある大部屋――ボス部屋ではなく神殿内装に付属している礼拝堂を模したような部屋――に入ると、数体のオーガが走ってきているのが見えた。この階層に居る普通のオーガとは違い体のあちこちに軽装鎧を装着しているタイプが4体である。
んん⋯⋯?
先ほどのリーダーの彼が言っていた特徴と合致するので、アレはもっと下の階層で出現するタイプのオーガのはずだ。つまり階層を跨いで追いかけて来たということになる。途中にボス部屋があるはずだがその辺りの通過はどうなっているのだろうか⋯⋯後で調べてみよう。
とりあえずこのまま放置すると先ほどのパーティーが危なくなるかも知れないので氷の槍を数本飛ばしてオーガ兵(仮称)を処理しておいた。鎧の無い部分に当てれば普通のオーガと変わらないようだ。
回収した魔力石を鑑定してみると、魔獣の名称は『オーガ兵』で合っていた。報告書に記載して4と書き込んでおこう。
⋯⋯それにしても下の階層の魔獣がこんなところに居るとなると、いよいよ危ないかも知れない。少々急いだ方がいいだろう。
――階段を降りて15階層へ到着した。
今までの法則を勘案するとボス部屋がありオーガ兵が1体出てくる階層のはずである。
しかしボス部屋の扉は解放された状態で固定されておりランプは赤点滅している。点滅するパターンは教えてもらっていなかったが存在するらしい。
ランプの赤点滅が指す意味は魔獣の氾濫なのだろう。途中の障害物となりうるボス部屋が解放状態になり、ご自由にお通りくださいというわけだ。
私は腕を組んで一旦考える。
さて⋯⋯どう動くべきか。
1つ、戻ってギルドに報告。
普通ならこの選択が正しい。むしろ先に進むのは自殺願望があるとしか思えないほどには非常識な行動だ。
だが先ほどのパーティーが戻って報告するであろう事を考慮に入れると、別に即時の報告自体は必須ではないとも言える。
1つ、ここで待って逐次撃破していく。
恐らくこの方式であれば漏れも無く倒せるであろうが、いかんせん時間が掛かりそうだ。あまり好みではない選択肢である。
1つ、このまま進んで殲滅して回る。
これが1番手っ取り早い。探知と組み合わせれば漏れも無く倒せるとは思う。
しかし1番手間が掛かるのが難点である。手間と速度を比べてどちらを重視すべきか判断する必要があるだろう。
ふむ――。
懸念事項が2つある。
院長のアルテアは『都市の内外を問わず――』という夢を見ていた。
つまり魔獣が溢れるのは中央ダンジョンだけとは限らない。
そして中央ダンジョンの方も、大量発生しているのがオーガ兵だけとも限らないのである。少し遅れてスケルトンやタウロスも大増産を始めるかも知れないのだ。そうなった際にオーガにばかり構っていては意味がない。
やはり、速度も必要だな⋯⋯。




