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5-6

 

 怪しい墓標を調べてみると、墓標の後ろの地面にレールのような溝が2本あり、墓標自体が少し浮いているのが分かる。


 これは――押したらスライドできるやつだな……。


 試しに石板の1番下に手を当て押すと、ゴリゴリと石の擦れるような感触と共に奥へと動いていく。

 これ以上押せないところまで動かした跡には、地面にぽっかりと四角い穴が開いていた。


 ……これは判断が難しい。

 ギミックとしては別に難易度が高くないので、これが以前から存在するものなら他の冒険者も当然これを発見していることだろう。


 しかしこの穴に入って調べてみたかどうかは別問題なのである。

 ……どう見ても罠なのだ。丁寧に『墓穴』という暗喩まである。

 罠であればむしろ親切な部類ではなかろうか。


 ううむ……。とりあえず探知波を放ってみた。

 穴は人の身長の倍ほどの深さ、底に槍や針などの突起物は無し。

 そして横穴が開いており、壁の向こうの部屋に伸びている様子。


 ――なるほど。これは隠し部屋への通路というわけだな。

 この仕組みを考えた者はセンスが無い。発見してもらえない隠し部屋ほど無駄なものは無いだろう。よほど無謀な者しかこの穴には飛び込むまい……。


 ともあれ未探索である可能性が高い以上は調べてみるべきだな。魔獣の大量発生との因果関係は無さそうな気はするのだが念のため。


 私は少し浮いた状態のまま足元の穴へと進入する。

 穴の底に着地すると墓標が勝手に動き穴を閉じた。

 連動式になっているようだ。悪趣味だな……。


 意外としっかり高さのある横道を少し歩くとすぐに行き止まりとなり、壁の一部が梯子のように登れるよう交互に穴が掘られた造りになっている。

 ――登って上に行けということだな。親切なことだ。


 魔術で浮いて上の部屋に抜けると、あまり広くない部屋に出た。学園のエイラの部屋くらいの広さである。

 奥の方に何やら台座が見えるがその台座には何も載っていない。既に誰かが探索済みであったか?


 次の瞬間――。

 天井の方から何かが作動する機械音のような物音が響くと大量のスケルトンが落ちて来た。

 着地を失敗したのか3割ほど黒いモヤへと直行したがなかなかの数である。

 なんだ。結局罠だったのか……。


 数体装備の無いスケルトンが混じっているなと思ったら火球を放ってきて少し驚いたが、特に問題なく光球を連射して早々に駆除する。

 別種が混入しているとは意外だったな。

 ――上の階層にも牛とタウロスの2種が出現することを考えると元々そういう仕様なのかも知れない。


 魔力石を空間収納に落としながらここの法則について予測していると、天井から更に機械音がして奥の台座に銀色の箱が落ちてきた。


 ふむ? やはり未探索だったのか?

 あれは恐らく宝箱の1種ではなかろうか。

 まぁ、魔王城の時のものからすると若干グレードが落ちるようではあるが……。


 近寄って魔力を投入し調べてみると罠は仕掛けられていない様子。

 この部屋自体が罠だったので、これは完全にご褒美ということか?


 ――開けてみると中にはこぶし大の小さな箱が入っていた。

 まさかこれを開けたらまた中に箱が入っていたりはしないだろうなと嫌な予感が過ぎりつつ開けてみると、予想に反して中身は虹色に光を発する玉である。


 ふむ……スキルオーブではなさそうだな。





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