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5-4

 

 翌日は家財道具を空間収納に詰め込む作業である。

 とはいえ一切合切持っていくわけではなく、当面すぐに必要になるベッドや服の棚や赤ん坊用に揃えたものが詰まった棚などが対象だ。


 調理器具などは向こうにもあるので置いていく。水の出る魔法製品とお湯の出る魔法製品は持っていくが洗濯の道具自体は持って行かない、など細かいところをメリルに相談しながら準備を行なった。


 朝方フロッサを都市へ送って行ったついでに院長に会いに行き、今日から皆が間借りする旨を頼んでおいた。代わりにメリルが家事の手伝いを、アリシアがダンジョンに行く子どもたちの引率をする事が決まっている。


 代わりにアンナが忙しくなってしまうことを懸念していたが、既に授乳頻度が落ちてきており、アンナ本人の体力も戻っているので当面問題ないそうだ。

 もしも厳しくなってきたら相談するように言っておいた。




「ただいまー! おお!? 思ってたより家じゃん!? お母さんお疲れ様!」


 昼過ぎに子どもたちが帰ってきた。今日はお肉を何日分かストックすると張り切って出ていったのだが昼には満足したようだ。明日からはアリシアを伴ってボス周回に行く予定である。ちなみにアリシアとメリルの冒険者ランクは5だ。引率するのに問題はない。


 ちょうど部屋の掃除を終えて家具を出し、配置まで終えたところだったので家の部屋に近い状態になっている。アンナも快適に過ごせている様子で良かった。

 続いてメリルとアリシアの部屋を整えに向かう。彼女らは相部屋でいいそうだ。


「そうだ――2人とも。拡張鞄を持っていてくれないか? 物資を渡しておきたいのだが」


「あの高価な……。でもその理由ですと断りづらいですね」

「アタシもですか?」


 2人のベッドや衣服を詰めた棚を出してやりながら、ふと思いついたので提案してみた。私が留守がちになりそうなのでこちらを任せられる態勢は整えておきたい。


「断らないでくれ、後々も役に立つであろう。メリルには生活用の物資を中心に、アリシアにはダンジョンで困らないよう非常食や回復薬などを持っていてほしい」


「承知しました。お任せください」

「有能なところを見せるいい機会ですねー」


 いやそんなアピールをしなくてもお前たちをそうそう手放すつもりは無いから大丈夫だぞ……。


 フロッサと同じく腰に装着できる鞄を作成し時間停止の魔法陣を焼き付ける。

 続いて空間拡張の魔法陣を焼き付けた板を作成して底に仕込めば完成である。

 ベルトの調整は自分でやってくれ。


「メリル。いい機会なので専用の武器を作ってやろう。鞄に入れて持っておくといい。――以前はどんな武器を使用していた?」


「確かに必要ですね……以前はハンマーを使用しておりました」


 おお、打撃武器派であったか。さすが羊獣人。

 槍のような長い柄と先端部に付いた戦闘用の金槌。希望通り作ってみたが結構な重量である。メリルは軽々と持ち上げて振り回してみせる。


「良い重心位置です。ありがとうございます」


 にっこり笑ってするすると鞄に差し込んでいた。

 なんだろう、凄く頼もしい気がする。

 もしや配置は逆が正解だったか?


 ともあれメリルの方には金と魔法製品と生活物資や食材などを中心に、アリシアの方には回復薬とフルーツと予備の剣も何本か詰め込んでおいた。

 これである程度柔軟に対応できるであろう。





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