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「申し訳ありませんが、こちらは買い取りできません……」
受付嬢が兎の耳を萎れさせながら苦しげに言う。
白い方の骨は買い取り不可らしい。
「この都市には畑が無く、都市外への輸出品としては高くなりすぎてしまうので買い手が居ない品目になっております……」
畑が無いとはまた極端だな。
まぁ、確かに適した土地など無い気はするが。
そして白い骨は肥料の原料になるという話だったので売価の釣り上げが難しい品目なのであろう。
「仕方ない。私がこの子たちから買い取るとして、相場としてはどのくらいになる?」
「10本で銅貨1枚くらいかと」
おお、想定以上に安いな……。
隊商が運びたがらないわけだ。
逆に黒い骨の方は都市の特産品扱いで輸出されているため、買い取り上限もなく値崩れもしない優等生らしい。他の土地のダンジョンにはスケルトンがあまり出ないのだろうか。
ここで粘っても意味が無さそうなので黒骨鋼だけ換金して銀貨18枚を得た。
6で割り切れたのでフロッサに3枚、5人組に15枚渡す。するとジールは1枚を取って私に差し出してきた。
「猪肉10個、これで売ってください」
「別に無料でも構わんぞ。――ああ、魔力石や白い骨などは私が引き取るからそれを代金として考えてくれていい」
「それらは少ないですが、今回のポンさんへのお礼として考えています。なのでお肉代はちゃんと払います」
いつの間に相談していたのか、子どもたちが揃って頷いている。
なんと立派な考えなのだ……少し感動してしまった。
彼らの意思を尊重し銀貨を受け取る。そして人目の少ない場所へ行って空間収納からノイのリュックへ猪肉を10個移動させた。
結果として、彼らの今日の稼ぎはなかなかのものになったわけだ。
ではまた明日も頑張ろうということで今日のところは解散である。
明日はギルド前に集合しまたボス周回する約束をして別れた。
――翌朝。
フロッサと2人でギルド前で待っていると、5人組が現れたのだがカラフルではなかった。装備を外した普段着で登場したのである。
「みんなどうしたの? 今日はダンジョン行かない感じ?」
不思議そうに首を傾げるフロッサに、子どもたちは一通り言い出しにくそうな仕草をしたあと結局ジールが回答した。
「あのよう――あのですね、昨日たくさんお金持って帰ったじゃないですか……。そしたらですね……院長先生がその人を1度連れて来なさい、って」
ああ、なるほどな……。
少々状況の改善具合が急激すぎたようだ。
普通は美味い話には裏があるものである。保護者の不安を煽ってしまったのであろう。
「昨日帰ってさ、院長先生にお金渡したらさ。院長先生いつもニコニコしてるのに急に難しい顔してさ……。ごめん、何か間違ったかも……」
「ポンさん、どうする?」
「む? ――特に問題なかろう。きっと子どもが稼ぐには金額が大きすぎて驚いただけだ。要は私達が悪人ではないと分かってもらえれば大丈夫であろう」
「うーん。だといいけど……」
またそういうことを言う。
大きな問題を抱えているようならこの子たちはもっと別方向に頑張っていたはずである。それが特に無いなら心配せずとも大丈夫だろう。




