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4-4

 

 ――属性未変換の魔力球が骨兵士の背を突き飛ばす。


「――やあっ!」


 体勢の崩れた骨兵士の肩口をマーガレットの片手剣が叩き壊した。

 それで活動不能となったのか黒いモヤへと変わり、後には全体が黒ずんだ1本の骨が残される――。


 色々試してみた結果、この骨兵士はおどろおどろしい見た目とは裏腹にかなり弱かったのだ。特に光属性に弱かったらしく、光球を1発に減らしてもそれで沈んでしまい非常に気まずい思いをさせられた。


 両腕を切断しても消滅し、片腕に減らしても霧散し、と逆の意味で苦戦させられたが、魔力球で叩く程度なら問題なかったので攻撃動作に入る度に小突いて攻撃させないようにする作戦が採用されたわけだ。

 タウロスの方が強いのではなかろうか……。


「黒い骨? 鑑定してみてもいいか?」


「使えるんですか!? あっ、どうぞどうぞ」


 そういえばあまり言わない方が良いのだったか。

 まぁここは家から遠いので悪人から家人が襲撃される心配はあまり必要なかろう。


『スケルトンの黒骨鋼』

『スケルトンの黒骨鋼。スケルトンが落とす硬い素材、武器や防具の材料として使用可能。金属の1種で、鉄と同程度の強度を持つが鉄より軽い』


「ほう、面白いな。この見た目で金属なのか……」


「欲しいですか?」


「――ううむ……。必要ないな。貰っていいぞ」


 鑑定の終わった黒い骨を渡してやると、マーガレットは喜んで鞄の中に突っ込んでいた。装備を整えるために集めているのかもな。


 一応メインの目的は連戦することによる身体能力強化とのことなので、また入口に戻ってランプが青くなるのを待つ。


 これが明らかに効果があるようならフロッサたちを連れてきてやるのも良いかも知れない。私の方でも回数を数えておきつつ、マーガレットがどのくらい強化されるか楽しみにしておこう。






「あ、あの……!」


「――む? なんだ?」


「頼んでおいてアレなのですが……もう100回くらい周回しているのでそろそろ帰ろうかと……」


「惜しいな、99回だ。キリが悪いのであと1回頑張ってくれ」


「あっはい……」


 時間効率も移動距離も短く済むのでボス周回は試行回数をどんどん増やせてなかなか良い。通過する冒険者待ちで何度か中断はしたが、それを問題に感じないくらいの回数をこなせていた。


 だが彼女の方は疲れているようなので中級回復薬を1本支給しておこう。


「うう……こんなはずでは……んぐ、んぐ……ああ、元気になってしまった……」


 精神的に疲れてきているマーガレットを引き連れ、ボス周回の最後の1回を完了させた。


 最後に落ちたのは白い骨、大体6割ほどはこの普通の白い骨が落ちるようだ。ちなみに粉砕すれば肥料にできるらしい。


 白い骨はマーガレットも要らないとのことなので私の方で一応もらっておく。畑作の予定はないが、農家に手土産を持っていく機会があれば出番が来るかも知れない。


「今日はこのくらいにしよう。――身体能力の上昇具合を見たいので帰りの戦闘は頼む。最短距離で戻る予定ではあるがな」


 途中で黒い骨を持ちきれなくなり黒い骨の方も私が預かっているため彼女は現在けっこう身軽なのである。


 マーガレットはそれを聞いて少し疲れた表情を見せたが、獲得報酬の量を思い出したのか気合いを入れ直してくれた。

 よしよし、では戻るとしよう。




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