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4-3

 

「――着きました。ここがボス部屋です」


 3階層、4階層ともに特に魔獣が異常発生しているようなこともなく、順調に5階層のボス部屋まで到着した。異常が無いのは良いことである。


「そういえばボスを周回? ――などと言っていたが、普通にボスを倒せばいいのか?」


「周回をご存知ないですか?」


「うむ。普通に倒す以外に選択肢があるということだろうか」


「デュラム特有なんですかね……? あそこにランプがあるじゃないですか」


 マーガレットが指さす先を見ると、ボス部屋の大扉の上に見慣れない拳大の青いランプが点灯していた。隣にもランプらしきものがあるが、そちらは点灯していない。


「むう、初めて見るな……。リステリアのダンジョンには無い設備だ」


「そうなんですね。じゃあここだけなのかな? あのランプが青い時は誰も今ボスと戦っていません。隣りの赤いランプが点灯している時は誰かが戦っていて入れません」


 それをわざわざ表示しないといけないくらい、多人数の出入りを想定したダンジョンということなのだろう。まぁ分かりやすくて良いのではなかろうか。


「そしてボスを倒した後、またこちら側に戻って扉を閉め、ランプが青くなるまで待つと、ボス部屋の中が倒す前の状態に戻ってまた戦えるというわけです。これを周回と呼んでいます」


「……6階層から入るとどうなるのだ?」


「6階層から戻る時は常にランプが赤いですので、青くなるまで扉に触れてから開けると戦わずに済みます。赤い内に入ってしまうとボスと遭遇します」


 なるほどな。帰りは楽ができる仕様なのか。

 どちらにせよ変わったシステムである。


「周回する利点が何かあるのか?」


「まずは今の階層より少し強い魔獣と自分のペースで戦えて効率良く強くなれること。そしてボスは1体しか出てきませんので囲まれる危険がありません。あと、ボスはちょっと良いものを落とすことが多いんです」


 話を聞いた限りでは私にとってはあまり利点が無さそうだ。

 案内の報酬として約束してしまったので今回はしばらく付き合うが、単独行動の時は普通に通過するだけになりそうである。


「ふむ――ではマーガレットが倒すのを手伝えばいいのだな? 止めを刺さないように気を付けながら弱らせよう」


「お願いします!」




 ――さっそくボス部屋の扉を開くと、遠くに軽装鎧を装着し片手剣と小さい円形盾を持った人の骨組みが1体立っており、扉を開いた私を見て装備を構えた。


 ふむ、タウロス関係ではないらしい。

 そういえば少し強いのが出ると言っていたな。6階層からはこういうのが出るということだろう。


 マーガレットが部屋に入るのを待ち扉を閉めると、ボスが活動を開始する。


 扉を閉めるのが戦闘開始の合図になっているのだろうか。扉を閉める前に攻撃したらどうなるのか気になるがその検証は後にしよう。


 ボスは動き出したがボス部屋は5階層を丸々使用しているだけあって無駄に広いので、ここに到達するまでかなり余裕がある。


 私は魔力球を2つ作成し光属性に変換、骨組みの両肩を狙って射出した。

 剣と盾を落とせばあとはどうとでもなるだろう。


「あっ……!」


 弧を描く変則軌道で射出された光球は狙い過たず骨組みの両肩に直撃し、ダメージ許容量を超えたのか両肩だけでなくボス自体を黒いモヤへと変えてしまった。


「……すまん。手加減に失敗したようだ」


「い、いえ。魔力石を拾って入り直しましょう……」


 周回できる仕様で良かった……。




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