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4-1

 

 2階層へ続く階段を降りると、最初に目に入ったのは広場である。

 広さとしては都市に入った際の城門前広場くらいはあるので結構広い。


 広場は綺麗に四角く切り出された石組みで造られた長方形の部屋で、部屋というより妙に明るい広大な地下牢という雰囲気である。

 本格的な2階層の入口なのか壁の一部に扉型の大きなアーチがあり冒険者たちが出入りしていた。


「そこのあなた……! ここは中級以上の制限があるダンジョンです!」


 アーチの斜め手前に冒険者ギルドの印が付いているデスクが置いてあるなと思っていたら呼び止められてしまった。検問的な機能があったらしい。


「すまんな、カードを見せよう」


 少し注目を集めてしまっているようなので胸元の内側に空間収納を開きギルドカードを取り出した。

 ギルド職員の女性はカードを受け取り眺めると驚いた表情を見せる。


「ランク7……!?」


 なぜ驚く――ああ、上級冒険者は隊商の護衛依頼に流れがちなのであったな。

 ダンジョンに入って稼ごうという上級冒険者は少数派だったはずだ。


「申し訳ありません。失礼しました」


「いや、仕事であろう。気にする事はない」


「ありがとうございます。今日は採取依頼か何かですか?」


「ギルドマスターのトマス氏に頼まれてな。危険な兆候が無いかの調査だ」


「ああ、あの定期的な……」


「そうだ。入っても構わないな?」


「はい、どうぞ。お気を付けて」


 ギルドカードを返してもらい、アーチへ進む。

 ――いよいよアーチを潜ろうかという時に横から話しかけられて少し驚いた。


「あ、あの……! 上級冒険者の方なんですか?」


「む? そうだが。なにか?」


 歳の頃は18辺りの女性だ。粗末では無いものの高価ではなさそうな軽装鎧に身を包んだ剣士である。


 見た感じではランク2辺りではないだろうか。こんな所で何をしているのだろう。


「ちょ、調査に来たと聞こえたのですが……。もし良ければ案内しましょうか!?」


「それは助かるが――それは何階層まで可能だ?」


 この2階層だけしか案内できないなどであれば自分で調べた方が恐らく早い。


「えっと。5階層のボス部屋までです……」


 ふむ? 最奥以外にもボス部屋があるのか。魔王城のような造りなのかも知れないな。


 まずはこのダンジョンについての常識を得るのも必要なプロセスか……。


「それならば意味はあるな――報酬は物と金銭とではどちらが良い?」


 私の問いに女性は顔を明るくし勢い込んで口を開いた。


「で、では! ボスの周回に協力していただけますでしょうか!?」


 ボスの? 周回?

 何を言っているのか分からないがボスの討伐ということだろうか。


 ボスを倒さねば6階層に進めないような仕様なのであれば、5階層のボスは是が非でも倒さねばならない障害である。

 それを上級冒険者に手伝ってほしいということだな。


「ふむ……いいだろう。――ただし、ギルドに報告書を提出できるよう、しっかりと案内を頼む」


「やった! 私マーガレットっていいます! ランク4です!」


 ……見た目よりランクが高かった。

 そうだな。中級でも稼げているとは限らないか……。


「私はポンだ。ランク7の冒険者――魔法が主だが剣も使える。このダンジョンは初めて入るので基本的な事から教えてくれ」


 謎の罪悪感に襲われつつ握手をした。

 せっかくなので色々と教えてもらおう。




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