↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/93

3-7

 

 鞄を買いに雑貨屋へ行くと、腰にベルトで巻くタイプの良い鞄が売っていた。


 少し大きめの造りで、雨よけの蓋になっている部分を持ち上げると両側の蛇腹になっている部分を動かすことができ、開口部を大きく広げることが出来るようになっている。


 ふむふむ――構造が上手く想像できなかったから買いに来たが、次からは自分で作成できそうである。


 精算所へ持って行こうとしてふと見ると、フロッサがにこにこしながらステーキ用のタレを持っていた。


 ああ、うむ。今日の土産は肉だからな。そういうのも必要か。

 雑貨屋とは色々売っているものだな。






 ――少し早い時間であったが宿に戻り、借りている部屋から自室に繋いで帰宅する。例によって静かに階段を降り、調理場にいたメリルに肉とタレを渡した。肉だけでは味気ないので何個か果物も置いておこう。


 フロッサはそのまま調理場を手伝い始めたのでメリルに任せ、私は外出する旨を伝えて出かけることにした。


 家の外に出て広場に転移門を展開、帝王の屋敷の地下に繋ぐ。解析の終わった宝箱を水帝に引き渡してやろうと思ったのである。


 転移門を通過すると相変わらず殺風景な地下室だった。変に飾り立てられていても困惑するだけなので残念ではあるが不満は無い。


 見回すと見張りのような者は居ないようだ。

 居たら宝箱を預けて配達人代わりにしようかと思っていたのだが――仕方ない、自分で届けるか。


 上方向に向かって探知波を放つ。水帝の魔力量は大体分かるのだが、帝ランクの本拠地だけに似たような反応がいくつか返ってきた。


 ううむ、困ったな……。


 ――おお、拳帝の部屋が在室のようだ。彼に案内してもらうとしよう。


 地下から階段を上って2階へ。何人かとすれ違いつつ奥まった場所に進む。

 確かここが酒蔵の扉だったのでこの辺り――ああ、あの部屋だったはずだ。


「だれ――おお!? お前普通に現れるなよ!?」


 ノックして扉を開けてもらったところ凄く驚かれてしまった。幸い酒が入っていたりはしないようだ。


「もっと派手に登場した方が良かったか?」


「それだと一般的に宣戦布告と呼ばれるやつになるだろうな……。まぁいい、とりあえず入れ」


 どうしろと……。

 首を傾げながら部屋に入ると、あちこちに小さいトレーニング器具が散乱するも全体的には片付いている。丸椅子を置く場所には困らなそうだ。


「――で、今日はどうした? 帝王様が居ない隙を狙って帝国を滅ぼしに来たってわけでもないんだろ?」


「私を何だと思っているのだ……。ただの届け物だ」


「届け物?」


「うむ。魔王城で入手した宝箱の仕組みの解析が終わったのでな、宝箱を欲しがっていた水帝に引き渡すために来た」


「宝箱? 中身ではなく?」


「中身の杖は水帝に遣ったな。確か魔力石を入れると回復ができるようになる杖だったはずだ」


「あー……そういや帰りになんか杖持ってたな」


「それだ。宝箱自体は内側に大型倉庫くらいの容量を備えるただの箱だったのだがな、仕組みが分かれば有用そうだったので私が預かっていたのだ」


「で、その解析が終わったと。……どこから突っ込んでいいか分からんが、とりあえずお前どこから入ってきたんだ?」


「先日来た際と同じく、地下の転移専用の部屋から歩いてきたぞ」


「あー……あそこは転移が使えるヤツは誰でも使っていい部屋ではなくて臨時に設定されただけ――まぁ知る由もないか……。次からは正門から入ってくれ」


「なるほど。道理で警備が居なかったわけだ」


「それで、俺のところに来たのは? 水帝の部屋が分からなかったとかか?」


「察しがいいな。デュラムで買った酒を賄賂としてやるので頼む」


「賄賂と言って賄賂を渡す奴があるか」


 そう言いつつも酒瓶はしっかり受け取る拳帝。

 よしよし。案内してもらえそうだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。