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「おおーッ! かっこいいじゃん!」
鋭角的なデザインの真っ赤な防具を装着したジールが喜んでいる。作りながら少々派手ではないかと危惧していたが本人が喜んでいるようなのでアレで正解だったのだろう。
他の子はフロッサと似たような控えめなデザインであるが、特に不満が出ている様子は無く嬉しそうである。ふむ、いい仕事をしたようだ。
「よし。じゃあまずはお肉狩りからかな」
「んー。どうだろ。昨日狩った感じだとすぐ終わっちゃいそうよ?」
女子2名が会議を始めた。真面目に強化を頑張るならお肉狩りは最後に回した方が長時間活動できると考えている様子。
男性陣は『それ狩ったの俺たちなんだけどな』という顔をしつつも割り込まない方針のようだ。
「お肉はポンさんに預かっててもらえばいいよ。傷まないように保管してもらえるし。いいよね?」
「む? ああ、構わない。手が塞がって訓練できなくなっては意味が無いからな」
「やった! じゃあ今日の目標は肉100個ね!」
『100個!?』
おお。フロッサの無茶振りに子どもたちの驚きの声が揃った。その数は理論上可能だとは思うが、毎回移動を挟む事を考慮に入れると恐らく途中で体力が尽きる。……半分行けたらいい方だな。
しかし少年たちは自分たちの体力的限界が分かっていない様子。じゃあとりあえずやってみるかと移動を開始した。
まぁ好きにやらせてみよう。自主性も大事である。
「――ノイ! 斜めに受け止めて転ばせるの! 正面からは無理!」
「分かった」
「――アルとパティはノイが転ばせたら猪が居る方とは逆方向に移動して! ノイが守りやすいように自分で動くの!」
『了解!』
「ノイ上手い! よっしゃ行くぞ野郎共ぉ!」
『おー!』
……フロッサはパーティー戦の連携をどこで学んだのだろう。少年たちに指示を出している内に定番の狩り方を確立しつつあるのだが?
まぁ、上手く行く分にはいいか……。
危なくなるようなら介入せねばと見守っていたが、今のところ私の仕事はお肉の回収のみである。
さすがに100とまでは行かないがお昼までに数十体の猪がお肉と化したのでなかなか良いペースで狩れているな。
「そろそろお昼にしましょう。ポンさん、みんなの分もお弁当お願いします」
「あたしたちの分もあるの?」
「私だけ食べるの気まずいじゃん。一緒に食べてくれたら嬉しいな?」
フロッサの誘いに、子どもたちはそれでも迷っている様子だ。我慢するのが当たり前になっているのであろうな。
「金については心配いらない。上級冒険者の稼ぎを舐めてもらっては困る。――それに食事は体作りに必要だ。これも訓練だと思って食べるように」
「ポンさん言い方ァ……」
フロッサは呆れつつも私から昼食の入った大きな籠を受け取る。宿の食堂に予約して作ってもらったものだ。
中身は薄切りにしたパンに野菜や肉を挟んだものである。一般的にはパンだけである事も珍しくないので、野外の食事にしては割と豪勢な類いだ。
帝王が居るともっと豪華になるが、アレは比較対象としては不適当だな。借りておいた木製のコップを出して水を配りながら、やりすぎていないことを再認識した。この辺りがちょうどいいだろう。
遠慮しつつも空腹には結局勝てなかったか、皆最後は競い合うように食べていた。明日はもう少し量を増やしてもらった方が良さそうである。




