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さて冒険者としての義理も果たしただろうとギルドを出ると、フロッサから買い出しの要請が来た。
「帰る前に、防具に使う塗料を買いにいこう」
「む? 黒の塗料ならまだ余っているぞ」
「全員真っ黒だと怪しい集団じゃん。5人居るんだからあと5色欲しいな」
「……悪目立ちするから嫌だとか言っていなかったか?」
「1人ならそうだけど、6人も居るから大丈夫!」
そういうものだろうか。まぁ本人が言うならそうなのだろう。
聞くとデザイン段階で既に誰がどの色にするか聞き取りを完了しているそうで、もはや決定事項らしい。それなら仕方ないな……。
確か装備に使う塗料は防具屋に売っているはずだ。
その情報をフロッサにも共有し防具屋に向かう。ギルドの近くを探すと簡単に見つかった。
おお、さすがダンジョン都市というだけあり冒険者向けの店は在庫が充実している様子。王都よりも広い売り場面積を探して回ると程なく塗料も発見できた。
「木工用、木工用――あっ、多分コレだ。うわぁ何種類も色があるじゃん……! これは嬉しい誤算」
恐らく装備を自作したり改造したりする文化がここにはあるのだろう、王都の何倍も品揃えが良い。
塗料を産出するダンジョンが近くに存在する可能性も無くはないが、存在したとて需要がなければ陳列されないだろうからな。
「希望の色は揃いそうか?」
「たぶん大丈夫。ジールはリーダーだから赤でしょ。レンが青で、ノイが緑、アルが白で、パティがピンクっと」
「……同じ刷毛を使い回すわけにもいかんな。そちらも買っておこう」
あと一旦塗料を取り出す受け皿も買っておかないとだな。
5人分ともなると結構な大荷物になったが、未会計のものを収納に放り込むわけにもいかないので何往復かして会計まで持って行った。
会計が済んだものを空間収納に入れて完了である。
――次の日は再び肉ダンジョンに出かけて防具の製作の日であった。
デザインの書かれた紙と見比べながらパーツを1つずつ作っていく。
ちなみに宿で行おうと思っていたら想定より塗料の匂いがきつかったのでこちらでの作業に変更したという経緯があったりする。
フロッサは最初近くで暇そうに横から口出ししていたが、今日の分の肉を狩りに他の子たちも来たので一緒に行ってしまった。5名の子どもたちも武器だけは更新されているので肉を狩る分には問題ないであろう。
デザインとしてはどれもフロッサのものと同じく、体が成長しても使用できるよう細かいパーツに分かれた仕様である。書かれたデザインで形状を確かめつつ1つ1つ作成していく。
――全部のパーツを作り終えたら次は塗装である。実は高性能であることを隠す重要な作業だ。
武器の方は、木製の武器は焼き付けて表面の硬度を上げるのが一般的なのでどうとでも言い訳できるが、防具の方は構造が複雑なのでそうもいかない。細い部分を焼いてしまうと逆に脆くなってしまうだろう。それは不自然である。
鎧下も何か着せてやらないと衝撃の吸収ができないなと考えながら黙々と作業を進め、あとは乾かすだけになった。前回の失敗を踏まえ、風乾ではなく魔術による加熱で速乾させる。
おっと、一部塗料がヒビ割れてしまった……。
割れた部分を上塗りして再度慎重に乾かすと今度は上手く行ったのでこれで完成ということでいいだろう。
あっ。体に留めるベルトの部分を作っていなかった。
各人の体型を考えながらベルトの長さを決めて魔力から作成し、各パーツに固定していく。ベルト付きだと何かゴチャゴチャして見えるが、体に装着したらいい感じになるはずだ。




