2-9
検問所での聞き取りが終わったので次は冒険者ギルドに向かう。
フロッサと2人で歩いて入ると、昼過ぎという時間帯のためそこまで混雑していない様子。受付カウンターも空いているな。
「冒険者ギルド、デュラム支部へようこそ! お肉の納品ですか?」
「ああ、割り振りを考えていなかったな。――フロッサ、自分で食べる分を取っておくか?」
「んー……ちょっとお高い宿だから調理してもらうのは難しいかもね。全部売ります!」
ということで兎肉7個と猪肉1個は銅貨24枚に変わった。肉ダンジョンの成果物で生計を立てるのは少し難しいかも知れない金額である……。
大銅貨2枚と銅貨4枚はフロッサに渡す。
そして今度は私の用事の番だ。検問所で記録を取られるほどの魔獣に遭遇し狩ったことを伝え、素材の買い取りを依頼した。
「エカルラットレパルド!? あっすみません……。解体と査定はあちらのカウンターへお願いします。聞き取りの方もそちらで……」
驚いたのか声が大きくなってしまった受付の人は少し恥ずかしそうにしている。兎の耳が元気なく垂れ下がってしまった。
案内に感謝を告げ解体受付に向かう。ダンジョン内の魔獣は解体の必要が無いためかあまり人員が居ないようだ。王都に比べるとかなり年嵩の男性が1人座って暇そうにしていた。
「すまない。森の魔獣を狩ってきたので解体と査定を頼む」
「おん? 珍しいな。獲物はなんだ?」
「エカルラットレパルドだ」
「エカルラットレパルドぉ!? おいおいマジか。大仕事だな!」
王都もそうだったが解体担当は大仕事の方がなぜか喜ぶ傾向にあるな。
男性は椅子から勢い良く立ち上がるとデスクから書類を1枚引き抜きつつ案内してくれた。あまり背中をバンバン叩かないで欲しい。
「そこの大きな台に出してくれ、できれば仰向けがいい」
現物が無いことは特に疑問に思わないようだ。経験が豊富なのだろう。
私は言われた通り、魔獣を入れた空間を上下反転させてから魔獣を排出した。
「鞄とかじゃないのか……。いやそれはどうでもいい、これは状態がいいな! 頭部はこれか――おおっ! 確かに眼が赤いな! 腕が鳴るってもんだ!」
男性は書類をササッと書いて換金用の木札を私に押し付けると上機嫌で準備を始めてしまった。
聞き取り調査とかはいいのだろうか?
まぁ検問所でも聞かれたのでそちらと情報共有してもらえばいいか……。
もう行っても良さそうな雰囲気だったのでフロッサを連れて解体所を出る。
見るとフロッサは気持ち悪そうな顔をしていた。
「……テンプレキターって思ってたけどダメだ。匂いがヤバい。めっちゃテンション下がる……」
どうやら解体などに耐性が無かった様子。その辺りは仕方ないな。
「えっ! 早すぎません? ちょ、ちょっと待ってください!」
受付の兎獣人の女性が慌て始めた。
もしかするとやはり聞き取りが必要だったのかも知れない。検問所は国の機関だろうから情報を共有してもらえないのかもな……。
仕方ないのでカウンターから飛び出してきた受付の人に出現場所と時間帯、被害の程度や治癒が終わっていることなどを伝えた。女性は大急ぎでメモを取り解体所へと足早に突撃していく。
おお……解体担当の男性に幸あらんことを……。




