2 マリアンネ叔母さん
マリアンネ叔母さんのところに休暇を過ごしにきた。マリアンネ叔母さんも妖精女王の加護がある。色々アドバイスして貰った。
2 マリアンネ叔母さん
マリアンネ叔母さんは湖の畔に住んでいる。伯爵の妹で結婚しないままこの年なった。マリエールにとっては一番好きな親戚で偶に遊びに来る。この夏休みにも遊びに来た。マリエールは、
「私、妖精女王の加護があるのよ。多分生まれつきだと思うけど、でもはっきり判ったのは最近よ。妖精と念話ができたの。叔母さんも妖精女王の加護があるでしょう。伯爵の妹にしては若く見えるから。」
「あら、感じるのではなくて年が若く見えるから私が妖精女王の加護があると思ったの。それではまだまだね。妖精女王の加護の本質は自ら妖精女王になりきる事だから。私なんかまだまだよ。」
「妖精女王になりきるなんてなんだか怖いわ。人間離れするって事でしょ。」
「そうかも知れないわね。妖精女王になりきったらもう人間じゃないわね。人間でいられるギリギリまで妖精女王になるという事かしら。」
「ところでね。叔母さん。私この間婚約破棄されたの。私の素っ気ない態度がお気に召さなかったらしいの。私、人間に特別な感情が持てなくなったらしいの。叔母さんは心当たりある。」
「私もそのせいで未だに独身だからね。妖精女王の加護とは人間から離れていく事でしょう。気持ちが平坦になるのよね。喜怒哀楽が弱まっていくと言うか。」
「それっていい事かしら。」
「必ずしもいい事とは思わないわ。普通に付き合うならともかく夫婦になるのに喜怒哀楽がないというのは問題よね。同じ加護を持つ物事同士ならともかくとして。」
「同じ加護があればいいんだ。」
「妖精女王の加護持ちなんて私達二人以外知らないわ。」
有意義な休暇を過ごしてマリエールは学園に戻った。
新しい学年だ。珍しい事に転校生がいた。国唯一の貴族学院に転校生は珍しい。理由を聞いた。外務関係の仕事をしている侯爵が家族を連れて五年間外国で仕事をしていたらしい。通常の貴族なら単身赴任だろうけどよほどの愛妻家か。
「エリックといいます。子どもの頃はこの国にいましたが、この国特にこの王都、この学院の事は右も左も判りません。皆様宜しくお願いします。」
12歳のくせに子どもの頃はなんて、今だって子どもじゃないかと思うのはマリエールにまだ喜怒哀楽がある証拠だろうか。
マリアンヌと子どもの成長をして近い内に寝返りがうてるようになるからベットに柵が必要だと言う話しをした。
数学の授業が始まって直ぐ、
「マリエール令嬢には妖精女王の加護があるんですね。」
と言う声が聞こえてきた。多分念話だと思ったが思わずキョロキョロしてしまった。マリエールの不審な行動に周りから非難の目で見られてしまった。
「突然でごめんなさい。エリックです。念話で話しています。僕にも妖精女王の加護がある事をお伝えしたくって。」
マリエールは、「えぇ」と叫んでしまった。声が響いてしまったのだろう。教師にまで睨まれてしまった。やや冷静になって、念話で、
「エリックさんも妖精女王の加護があるんですね。仲良くして下さい。」
マリエールはなんとか伝えられた。
新学年になってエリックと言う学生が転校してきた。マリエールの頭に念話が響いた。エリックからの念話だった。




