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第四話  三年前の行方不明者

第四話です。


今回から、

”ミナの死”について少しずつ掘り下げていきます。


ただ怖いだけじゃなく、

「なぜそんなことが起きたのか」

というミステリー要素が強くなる回です。


そして、

レン自身にも少しずつ異変が起き始めます。


”見えてはいけないもん”が、

日常に入り込んでくる感じを楽しんで

もらえたら嬉しいです。

朝まで眠れなかった。


カーテンの隙間から朝日が差し込んでも、

俺はベッドの上でスマホを握ったままだった。


『次は、お前だ』


何度も頭の中で再生される。


動画の中の”俺””の頭。


あれがどうしても、

普通の動画には思えなかった。


夢じゃない証拠みたいに、

送り主不明の通知だけがまだ残っている。


だけど。


それ以外は全部消えていた。


ミナとのトーク履歴。


写真。


通話。


何もかも。


まるで最初から存在しなかったみたいに。



「レン、顔やば」


昼休み。


教室に入った瞬間、

黒川ユウトが笑った。


黒川ユウトはいつも軽い調子だった。


「徹夜?」


「......まぁ」


適当に返す。


言えるわけがない。


”死んだクラスメイトから連絡が来た”

なんて。


でも。


その時だった。


「なぁ」


ユウトが急に声を落とした。


「お前さ、砂金ミナといたよな?」


心臓が止まりかける。


「......え?」


「いや、クラスでちょっと噂になってる」



ユウトはスマホをいじりながら続けた。


「レンって誰とも絡まないのに、急に朝倉と話してたじゃん」


周囲を見る。


確かに何人かが、

こっちを見ていた。


「それが?」


「いや......」


ユウトは少し迷ってから言った。


「朝倉ミナって名前、うちの学校だと結構有名なんだよ」


嫌な予感がした。


「......どういう意味だよ」


ユウトはスマホ画面を見せてきた。


学校の裏掲示板。


匿名投稿。


そこに書かれていたのはーー


『朝倉ミナ見たやついるらしい』


喉が詰まる。


投稿は投稿は続いていた。


『三年前のやつだろ?』


『夏になると出るってマジなん?』


『旧校舎で見た』


『夜のトンネルにもいる』


「......なんだよ、これ」


ユウトは肩をすくめる。


「学校の怪談みたいなもん」


軽く言ってるけど。

俺は笑えなかった。


だって。


俺は昨日まで普通に話してた。


「ちなみに」


ユウトが小声になる。


「朝倉ミナが死んだ場所、知ってる?」


その瞬間。


教室の空気が急に冷たくなった気がした。


「......知らない」


「海沿いのトンネル」


ユウトは言う。


「行方不明になったあと、そこで見つかったらしい」


ゾワッとした。


海沿いのトンネル。


昨日、

動画に映っていた場所に似ていた。



放課後。


気づけば、

俺は海へ向かった。


オレンジ色の夕焼け。


潮風。


遠くで鳴くカモメ。


だけど、

景色は綺麗なのに妙に寒い。


そして。


見えた。


古いトンネル。


コンクリートが黒ずみ、

入口には立入禁止の柵。


近づいた瞬間。


スマホが震えた。


ピコン。


通知。


送り主不明。


メッセージ。


『きちゃだめ』


息が止まる。


次の瞬間。


トンネルの奥で、

何かが動いた。


白い服。


長い髪。


暗闇の中。


”ミナ”が立っていた。

第四話を読んでくださってありがとうございました。


今回は、

学校の怪談やネット都市伝説っぽい雰囲気を強めに入れました。


「実は昔から噂になっていた」

という要素が入ると、

一気に現実感と不気味さが増す気がしています。


あと、

ユウトは軽そうに見えてかなり重要人物です。


そして最後の

『きちゃだめ』


このメッセージ。


”誰が送ったのか”

で意味がかなり変わります。


次回から、

トンネルの謎に近づいていきます。

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